先日人気スマートフォンゲームの『モンスターストライク』がガチャの確率を表記したことが話題になっています。
先月の1月18日よりオーブを使用するガチャで、「提供割合(排出確率)」が表示されることになりました。同じく人気スマホゲームのパズドラも、同様の措置をとったようです。
モンストと言えば今や日本で最も人気のあるスマホゲーム、と言っても過言ではないです。
先日某ニュースサイトで見かけましたが、2017年度の収益額は約1000億円で世界3位になったそうです、ソースは以下のサイトより。
モンスト1,300億円、FGO 982億円、ポケGO 890億円。2017年のアプリ収益データとツイートまとめ。
ほとんどガチャによる収益だと思いますが、まさかここまで人気があったとは改めて驚きました。
リリースされて4年以上経っていますが未だに人気が衰える気配がありません、日本人は本当にガチャが好きなんですね(;^^)
しかしそのモンストでまさかのガチャの確率表記が来たことで、多くのユーザーは驚いていると思います。
元々ガチャが渋いと評判のモンストでしたが、果たして今回のガチャ確率表記でセルランやDAU(デイリーアクティブユーザー)にも影響が及ぶのでしょうか?
なぜ確率表記に至ったのか?その経緯はやはり「ガチャがあまりにも出ない」という苦情の多さが関係していたみたいです。
また同じく確率表記に至ったパズドラとも比較しつつ考察していきます。
なぜ確率表記に至った?
なぜモンストは確率表記に踏み切ったのでしょうか?
事の発端は2017年12月に改定されたApple社の「App Store審査ガイドライン」です。
このガイドラインに合格しないと、要はアプリの配信がApp Storeでできないということを意味します。
この時の改定で「ルートボックス(いわゆるガチャ)などの方法でアイテムが入手できるアプリでは、各種アイテムの入手確率を明記してください。」という条項が追加されたのです。
ガチャを引く前に目当てのキャラやアイテムがどれだけの確率で入手できるのか、その判断材料がわかる必要がユーザーにはあるということです。
それまではどうだったのか言うと、確率表記をせずとも一定額の課金(5万円以内)をすれば必ず最高レア度のアイテムorキャラが手に入るように設定されれば問題はありませんでした。
これはJOGAが2016年に定めたオンラインゲームのガチャのガイドラインに書かれていたことですが、入手できるのはあくまで最高レア度のキャラorアイテムという部分で、個別のキャラやアイテムには定められていないということです。
仮に最高レア度が星6だとして、その星6のキャラがガチャで5体実装されていたとします。
この星6のキャラの内1体は5万円以内でも出ることは保証されていますが、5体全てが5万円以内で出るわけではないので、仮にコンプを目指そうとしたらこれ以上の金額がかかることになります!
もちろんコンプなど目指す必要もないライトユーザーにとっては、5万円以内に出ればさほど問題はないように思われますが、キャラ愛やコンプを目指すプレイヤーにとっては死活問題となります。
ガチャが出ないという苦情が多い!?
いくら課金しても目当てのキャラやアイテムが出ない!
こういった苦情はソシャゲ界ではしょっちゅうです。特に人気の高いモンストだと尚更多いですね。
中には「時間帯や端末によって出やすいキャラが決まっているのでは?」というオカルトじみた声や、「確率操作してるだろ!」という苦情も多いです。
もちろんガチャと言えど所詮運なので、何十連ガチャを回してもお目当てのキャラが出ないというのは、よくあるでしょう。
かつて2016年に『グランブルーファンタジー』のアンチラというキャラが全く出ないという動画がニュースにもなりました。
そして最近ではドラゴンボールでお馴染みのスマホゲーム『ドッカンバトル』で、アカウントごとにレアキャラの確率操作をしていたという疑惑が浮上して大ニュースになりました。
こういったニュースも、ユーザーのフラストレーションが蓄積する要因となっているみたいです(;*_*
ガチャはスマホゲームの大事な収益源ですが、やはり闇が深いみたいです。
ガチャ商法が誕生した経緯や闇の深さについては、以前にも記事についてまとめてあるのでそちらもぜひご覧ください。
ソシャゲのガチャの闇は深い!ユーザーの射幸心は底知れぬ
こうしたガチャ商法への規制が海外から徐々に強まったのをきっかけにして、遂にApple社が確率表記の義務化に踏み切ったのです。
Apple社は巨大な企業なので逆らえません。アプリの配信停止になればアップデートも不可能になってしまいますからね(汗)
レア度別ではなくアイテム別?
今回の改定で注目すべきは条項内に「各種アイテム別に表記」という文言があることです。
これが意味することは、確率表記はレア度別ではなくあくまで個別のアイテム別にということです。
個別に確率を表記するとはどういうことなのか?より具体的に解説していきます。
あるスマホゲームでレア度星4のキャラと星5のキャラと星6のキャラが出てくるガチャがあったとします、それぞれの個数と提供割合は以下のようになっているとします。
- 星6のキャラ:5体(提供割合は5%)
- 星5のキャラ:10体(提供割合は15%)
- 星4のキャラ:20体(提供割合は80%)
これを各レア度で1体ごとに平均で確率を計算すると星6のAというキャラの排出率は1%、星5のFというキャラの排出率は1.5%、星4のPというキャラの排出率は4%ということになります。
つまりある星6のキャラを一点狙いで当てようと思っても、確率的には1%ということになり、100回はガチャを回す覚悟が必要と言うことです。
仮に10連で3000円かかるとしたら、100連で3万円かかります。100連でも運が悪いと出ないのでこれよりさらに出費が増える恐れもあります。
モンストとパズドラの提供割合はどんな感じ?
確率表記が義務化されたモンストとパズドラですが、果たしてどのくらいの数字だったのかでしょうか?
これまでも散々ガチャが渋いと評判だったモンストですが、確率表記義務化で実際の数字を視認することができるようになったのは大きな一歩だと思います。
ただその数字を見てみたら…
- 星6提供割合1.2%(1体につき0.2%)
- 星5提供割合7.2%(1体につき平均0.5%くらい)
- 星4提供割合91.6%(数が多すぎるので省略)
これは現在開催中のイベント『輝け!ステラポリス』の提供割合です。
一見すると「誰が引くんだ?」と思いたくなるような低い数字ですね、案の定ですが(;-_-
星4の確率が90%超えなので、1回引いただけじゃまず高レア度なんか望めませんし、10連して1体星5以上が出ればいい方です。
ぶっちゃけ100連しても星6なんか望めません!
因みに同じ人気スマホゲームのパズドラも確率を表記していますが、先日開催された6周年記念の『スーパーゴッドフェス』の星6フェス限のガチャ排出確率は24.8%、4回に1回の割合で星6のキャラが入手できるなんていい時代になりました(;^^)
パズドラの方が若干良心的に見えますが、キャラの総数はこっちの方が多いので1点狙いはこっちも闇が深そうです。
パズドラもモンストも息の長いゲームですが、それだけに実装された高レア度のキャラは多いです。
古くからやっているユーザーは既に目当てのキャラを持っていても、新規勢はどうしてもスタートラインの時点で遅すぎるので目当てのキャラを1点狙いしづらいのが現状です。
定期的に高レアなキャラをガチャで実装しないとユーザーが離れてしまうので当然ですが、あまりにも数が多くなったので目当ての星6キャラを1点狙いしようとすると10万円以上の出費は覚悟しないといけません。
もちろんここまで課金するのはよほどの金持ちですが、仮にお金なんか持っていなくてもユーザーのモラル、自制心次第で判断しないといけません。
(そんなこと言ってる自分も課金したことあるので人のこと言えないですが(;^^))
モンストにしろパズドラにしろガチャの確率表記は今更過ぎるので、これからセルランに大きく左右するようなことはないと思います。
白猫やFGO、ドッカンバトルなど人気のあるスマホゲームは結局ガチャ依存だというのは変わりないです。
ただし日本のゲーム界ももっと世界基準で物事を良くしていかないと、いつ消費者庁から厳しい措置が取られるかわかったもんじゃないので、早くガチャ依存から脱却してほしいところですね。