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政治

共謀罪ってどんな罪? なぜ必要か? 問題点などわかりやすく解説!

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最近ニュースでよく聞く言葉に 共謀罪 というものがありますね。
今の安倍政権が今年の国会で成立させようという法案ですが、別名「テロ等準備罪」とも言われています。

昨今世界各地ではISを始めとするテロが活発化しており、2020年に東京五輪を控えるのでいよいよ法案整備が必要だという風潮が強まっています。

 
しかし!

民進党、共産党など野党1部は大反発です!

この法案が成立すると、とんでもない人権侵害が起きると連呼しているのです。

具体的には、

居酒屋で上司を殴ってやろうと冗談を言っただけで逮捕される!

などというあり得ないほうな表現までしているのですが、共謀罪が適用されれば本当にこういった事態が起こりかねないと主張しています。

 
一体どういうことなの?

そもそも何でこの法案が必要なの?

といろいろ疑問に思う方は多いでしょう、今回はできるだけわかりやすくこの共謀罪について解説していきます。

 

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共謀罪ってどんな罪なの?

 
共謀罪について説明する前に、まず”共謀”とは何かについて解説します。

共謀とは、特定の犯罪を実行しようと具体的、または現実的な合意をすること。

これが共謀の定義です、合意とありますからこれはある犯罪を複数人によって行うというのが前提にあります。複数人でありますから、特定の団体や集団に属する人全員が対象となるわけです。

共謀罪とは、この定義通りに解釈すると、ある犯罪を行うと複数人の間で合意に至った時点で逮捕できるということになります。

 

共謀罪の由来はアメリカ?

この共謀罪の由来はアメリカのコンスピラシーという言葉にあります。

コンスピラシー(=Conspiracy)とは、日本語で陰謀を表します。何らかの行為を達成するために秘密裏に行動することを決意することです。しかしあくまで決意という段階なので、この時点ではまだ何も犯罪は発生していません。

カリフォルニア州の判例によりますと、コンスピラシーとは最低2人の間で犯罪の実行を合意することとしています。それに加えて、最低1人が犯罪を実行する前に何らかの行為を行うことが前提となっています。

つまり犯罪の実行自体は必要条件となりません、予備行為や資金の確保、電話をかけるなどといった行為も含まれます。

 
例えばある犯罪組織が飛行機をハイジャックするテロを企てたとしましょう。この組織に属する人全員が会議や打ち合わせで、ハイジャックの計画を綿密に計画立てていたとします。あるメンバーは航空機のチケットを予約し、あるメンバーは爆薬や武器を調達し、あるメンバーはその空港の下見をしていたとします。

これらの行為は全てハイジャックを実行する前の準備行為と言えます、現行法ではこういった行為が発覚して仮に本当にハイジャックするつもりだったとしても逮捕することはできません、知らぬ存ぜぬで無罪となります。

またこの組織に属する人間がふと我に返って、計画の事前段階で自首して警察にハイジャック計画の全容を話したとしても、共謀罪が成立しないとその組織自体を逮捕することはできません。

 
こういった予備段階でもその組織を逮捕できるようにしたのが共謀罪というものです。犯罪が発生された後では遅いので、少しでも被害を最小に抑えるためには必要だというのが賛成派の意見です。

特に2001年に発生したアメリカで発生した同時多発テロ以降はこの共謀罪の必要性が強くなったとされています。

 

共謀罪を新設する目的は?

共謀罪をなぜ新設しなければいけないかと言われれば、それは2000年に国連総会で新設された「国際組織犯罪防止条約」が関係しています。

この条約は別名「パレルモ条約」とも言われているわけですが、まさしく重大な組織犯罪の取締りを強化するのが目的となっています。日本としてもできるだけ早く加入したいところですが、共謀罪がない日本では未だに批准できないでいます

2020年に東京五輪が控えていて、多数の外国人が訪日することを考えればいち早く同条約に批准するべきだと政府は主張しています。これからは日本はグローバル化が進むと予想されますが、そうした流れに対応するためには国際社会との協調を大事にしなければならないというのが主な理由となっています。
 

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居酒屋で上司を殴ると相談しただけで検挙?

共産党など一部の反対勢力の意見としてよく取り上げられるのが「居酒屋で会社の上司を殴ってやる!」と同僚の間で相談しただけで警察に逮捕されるという極端な例です。

なぜこのように言われるのかというと、それは共謀罪の定義に沿って考えれば納得できます。

上司を殴って傷を負わせるというのは傷害罪にあたります、当然これは警察に逮捕される立派な犯罪ですが、殴って痛い目に遭わせてしまおうと意気投合するというのは、組織的な共謀とみなされるのです。

この時点では誰も被害者が出ていない訳ですから、別に逮捕する意味ないんじゃ?と思いがちですが、共謀罪というのは計画・立案の段階でも逮捕できてしまうので、こうした拡大解釈が生まれてしまいます。

その他にも労働組合やその他の市民団体が抗議活動を計画したりすると威力業務妨害の共謀とみなされる恐れもあるので、憲法が保障する表現の自由の損害につながってしまうというのが反対派の主な言い分です。

 
ただし何度も言うようにこれは本当に極端な例だと言えます。

居酒屋での冗談というのは、あくまで冗談なのでこの時点で共謀に当たらないのは明白です。そして労働組合の正当な争議行為やデモ、市民運動などは法律に違反しない正当行為として認められています。刑法35条では正当行為は罰しないと定められているので、これも問題ありません。
(しかし行き過ぎた争議行為やデモが時には激しい暴動にまで拡大するというケースは諸外国ではよくありますが……)

反対派は拡大解釈しすぎた結果の極論、市民団体、しいては個人の人権侵害という解釈にまで至っています。

今回の共謀罪で適用されるのはあくまで犯罪色の強い組織や団体が対象となるので、一般の人が対象とされることはないと与党は主張しています。

 

テロ等準備罪との違いは?

政府・与党は「テロ等準備罪」という名前に変えて法案を提出しています。しかし中身はほとんど共謀罪と変わらないと批判されています。

野党に配慮したのか、政府は対象となる組織や団体を”テロリズム集団“と明記する方向性が強まっています。あくまでテロ対策の法案であるという位置づけを明確にしたいようです。

つまり明らかにテロ組織と思われるような組織が、テロ行為の準備をした時にしか逮捕されないのでは?と思いがちです。これは対象を限定化しすぎていると、逆に賛成派から反対の姿勢です。テロ行為以外にも、例えばマネー・ロンダリングや詐欺行為、偽物の商品を大量に売るといった行為も立派な犯罪ですが、こういった行為では共謀罪で適用されるのかどうかも怪しくなってきました。

 

まとめ

いかがでしたか、かなり長い説明になりましたが共謀罪について自分なりにわかりやすく解説したつもりです。

もちろん個人的には一般人に適用されることがまずない犯罪ということでありますので、テロ対策強化のためには必要だと考えますが、最終的に逮捕するのは警察や司法の判断ということです。

今でこそ冤罪が起こりうる世の中で、果たしてどれだけ警察がこの共謀罪の意味を正しく理解して行動してくれるかが注目となりますね。
 

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