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宇宙

宇宙太陽光発電の仕組みについて解説!実用化への課題とは?

投稿日:2017年5月9日 更新日:

近年再生可能エネルギーとしてシェアを拡大しているのが太陽光発電です。

その名の通り太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する発電方式で、2011年3月の東日本大震災以降は、自給エネルギーの確保と火力や原子力に頼らないという意味でも重要な位置づけになって市場も拡大してきています。

特に再生可能エネルギーの固定買取制度が導入されて以降は国や自治体の各種助成策も実施されて、太陽光発電を導入する家庭や企業も昔に比べてかなり増えていて、2015年の末には3000万kWの発電能力用量に達しているとみられています。

地球温暖化が盛んに叫ばれる中、低炭素社会を実現させる意味でも太陽光発電の普及は広まっていますが、最近ではこの太陽光発電を宇宙空間で実現させようというプロジェクトも進行しているようです。

その名も宇宙太陽光発電(Space-based solar power,略称SBSP)と言って、1970年代頃から研究されている発電方法です。宇宙空間での太陽光発電はどういった長所や短所があるのか、また実現に向けての課題についても解説していきます。
 

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宇宙太陽光発電について

宇宙太陽光発電とは、文字通り宇宙空間に太陽電池を備えた衛星を配置して太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換させる発電方式です。場所が地球上ではなく宇宙空間に移っただけの話ですが、地上での太陽光発電は夜間の場合と天気が悪い時には発電できないという最大の欠点があります。

 
その欠点を解決した発電方法が宇宙太陽光発電です。宇宙空間なので天気に左右される心配もないですし、夜間でも太陽光が当たって常時発電することが可能です。

また太陽光発電は太陽電池を用いて発電していますが、光だけでなく太陽の熱を利用した汽力発電にも応用が可能であると期待されています。つまり光と熱、両方を電気エネルギーに変換可能なので、地上で太陽光発電するよりも圧倒的に大きい電気エネルギーを得られるというわけです。

ただ宇宙空間で発電すると言っても、問題なのはそれをどうやって地上に送るの?という疑問が必ず浮上します。衛星軌道上までケーブルでつないで有線で電気エネルギーを送る、なんていうことはまず無理な話です。

考えらえる伝送手段としては電磁波に変換するという方法です。具体的にはマイクロ波またはレーザー光ということになりますが、地上に受信局を設置して地上で再び電力に変換するという構想です。こんなことが可能なのかと思うかもしれませんが理論的には可能なようです、しかも大気によって太陽光が減衰するという心配もないので地上での太陽光発電よりも10倍程度も効率が高い発電ができるという試算もあります。

電磁波を地上で受信するということなので、高い命中精度と安定したアンテナの姿勢制御も必要となります。高い周波数を誇る電磁波は地上の生物や生態系にも影響を与えかねないので、なおさら命中精度の高さは求められますが、衛星は常に移動しているので技術的にはまだ難しい部分があるようです。
 

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宇宙太陽光発電のメリット・デメリットとは?

宇宙太陽光発電の長所と短所を簡単にまとめます。

1.メリット

  • 地上の太陽光発電に比べて圧倒的に発電量が多い
  • 天気の悪い日or夜間だろうと発電できる
  • 電力を必要としている地域へ(アンテナがあれば)どこでも送電できる

 
2.デメリット

  • 面積が巨大になって宇宙ゴミとの対処が困難
  • 点検や故障した時の修理が困難
  • 電磁波で伝送する際に他の衛星との間で電波障害が生じる

 

宇宙太陽光発電の実用化はいつ頃? 課題は山積み!

宇宙太陽光発電を最初に提唱したのが、アメリカのピーター・グレイザーという博士です。1970年代の石油危機をきっかけとしてNASAとDoE(米国エネルギー省)によって構想が検討されて、発電性能500万kWを誇る程の超巨大衛星を打ち上げる計画があったようです。

原子力発電5機分にも相当する発電容量なのでかなり大規模と言えますが、結局財政が圧迫されるということで凍結されました。

技術的にも課題が多いですが、それ以上にコスト的にもまだまだ課題が多いです。仮に実現できたとしても巨額の投資に見合うだけの発電能力が本当に得られるのかは理論上のことなので、こればかりは実験や研究を重ねないといけません。

 
1990年代に入ると日本で宇宙太陽光発電の研究が活発化し始めて現在でも盛んに行われています。

特に宇宙航空研究開発機構の研究チームは早ければ2030年頃の実用化を目指しているそうです。しかも商用原子炉1基分に相当する100万kW級の発電容量という規模だそうです、既に太陽光をレーザーに変換する技術の開発に成功していたり、国際宇宙ステーションの実験棟きぼうでも実証が予定されています。

 
しかしそれでも商業化・実用化に向けては以下のような課題もあります。

  • 宇宙空間で大型のソーラーパネルをどこまで構造できるか
  • 輸送コストと発電コストをどう削減するか
  • 電磁波が人工衛星や地上の大気・自然に及ぼす影響をどこまで最小化できるか
  • 電磁波の伝送をどこまで正確な軌道で実現できるか
  • 宇宙空間でも発電設備が高い耐久性を維持できるかどうか

ここ最近では科学の進歩の速さに驚かされることも多いですが、宇宙空間で発電するとなると地上とはまるで事情が違うので一筋縄ではいきません。

太陽光発電は温室効果ガスを排出しないという点で優れた発電方式ですが、地上での太陽光発電はソーラーパネルの面積が大きかったり天気の具合に左右されるという問題点もあります。

宇宙太陽光発電は見返りもかなり大きいのでぜひ実現してほしいですが、技術的な課題はまだ大きいです。いずれにせよ日本の高い技術力の真価が問われそうですね。


 
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