海の底に生息するサンゴは宝石にも例えられるほど美しいですが、日本では沖縄などの南国の海に綺麗なサンゴ礁があって多くの観光客が訪れます。

しかし近年その美しいサンゴ礁にある異変が起きています。





その異変とはサンゴの白化現象です。海の砂漠化とも言われていますが、その名の通りサンゴ礁を構成するサンゴの白い骨格が透けて見える現象のことです。

特に2016年には沖縄県の石垣島と西表島の間にある石西礁湖で大規模な白化現象が起きています。

また世界最大のサンゴ礁地帯のグレート・バリア・リーフでも同様の被害が見られるそうで、南北2000kmにわたって広がるサンゴが過去に例のない規模で白化して一時は北部の9割を超える地域のサンゴが白化したと言われました。

沖縄の海やグレート・バリア・リーフだけでなく2016年はその後も世界各地のサンゴ礁で同様の被害が拡大したそうです、一体なぜここまでサンゴの白化現象が拡大したのでしょうか?

また白化したサンゴが回復することはあるのかなど詳しく解説していきます!
 

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サンゴの生態系について

まずはサンゴとはどういった生物なのかを説明していきます。

私達がテレビなどでよく目にするカラフルに彩られた美しいサンゴは海の中に生えた植物のように見えますが、実は動物なのです。生物学的にはクラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物に分類されます。

サンゴで特徴的な構造といえばポリプです。このポリプというのはサンゴの上部に固着した個体のことで、このポリプが分裂や出芽を繰り返して生じたクローンが分離することなく集まって生活するものを群体サンゴと呼びます。

宝石サンゴの密猟が増えている?

世界には800種類以上のサンゴが生息していますが、大きく分けるとサンゴ礁を形成する造礁サンゴと単体で生息する非造礁サンゴに分かれます。特に非造礁サンゴは鮮やかな色合いを持ったサンゴが多く、深海に生息していて昔から海の宝石として扱われてきました。

日本でもその昔奈良時代にシルクロードを渡ってきた地中海珊瑚を珍重していたようです。また現在では日本産のアカサンゴが日本、中国、台湾で特に人気があり、その中でも特に深みのある赤い色を帯びているアカサンゴは血赤珊瑚と呼ばれて最高ランクになっています。

ただしあまりにも人気が高くて値段の高騰も激しいため、日本の海域でアカサンゴが大量に密猟される被害も出始めています。
 

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サンゴ礁を形成するのは造礁サンゴ

サンゴ礁を形成するサンゴを造礁サンゴと呼び、主に光合成産物を供給してくれる褐虫藻という藻類を共生させています。つまり光合成が起きやすい所ほど繁殖しやすいと言えるので、サンゴ礁は水深30mほどの浅い海域に分布していることになります。

このサンゴ礁が良く見られる地域は太平洋、インド洋、大西洋の西側に集中して見られます、これは西側の方が貿易風により暖流が発生しやすいためです。

日本では南西諸島や伊豆諸島、小笠原諸島などの南部の島嶼部で見られますが、いずれのサンゴ礁でも多くの生物が生息していて生物多様性の観点からも非常に重要な場所と言えます。
 

白化現象の原因は海水温の上昇と海の富栄養化!

さていよいよ本題に入りますが、近年増加しているサンゴの白化現象、一体なぜ起きているのかについてですが、これについては主に2つの要因が大きいと言えます。

最大の要因と言われるのは海水温の上昇です。サンゴは海中で生息している生き物ですが、一般的に造礁サンゴの繁殖に適している環境は25~30℃、3~4%ほどの高い塩分濃度と言われていて、これ以上に海水温が上昇するということは珊瑚にとっては死活問題です。

 
さらに高い海水温以外にも原因があって、それは海水の富栄養化です。この栄養分が増えると、海藻や植物プランクトンの光合成が有利になるため増殖します。植物プランクトンが増えるとその分海水の透明度が低下して、サンゴの体内にある褐虫藻にとっては光合成がやりにくくなり生存が難しくなります。

海水温の上昇、そして海の富栄養化によって褐虫藻がサンゴの組織内に保持できなくなると、サンゴの体組織を損傷して排出されます。するとサンゴから色が抜けて石灰質からなる骨格の白色しか見えなくなってこれがサンゴの白化と呼ばれる現象になります。

この白化現象は古くから知られていましたが、近年では地球温暖化の影響や陸上から流れ込む生活排水によってサンゴの生態系に影響する度合いが大きくなったことで規模が拡大しています。

白化したサンゴは回復できる?

一度白化してしまったサンゴは海水温が下がらない限り回復するということはありません。

しかし一旦上昇した海水温が下がるということはすぐには起こらず長期化するのは必至です。このため長い間高温の海水にさらされるため、白化の期間も長くなります。そうするとサンゴ自体が衰弱するため他の病気にかかったりして、ますます回復する見込みがなくなるというわけです。

 
こうしてみるとサンゴの白化現象は人間の生活活動に大きく起因していることがわかります。サンゴ礁の周りには多くの生物も活動するため、サンゴの死滅というのは他の生態系にも大きく影響します。

人口が急増している現代社会では温暖化を今すぐ止めるというのは困難なことですが、こうした人間の活動によって美しい海の光景が損なわれる事実があるということだけは最低限知ってほしいものです。
 

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