学べる生活情報塾

身近な生活上の小ネタや、知っておきたい生活の知恵、世の中の様々なニュースを色々な角度で考察します

宇宙

火星の有人探査は片道距離が長すぎ!リターンも少なすぎる?

投稿日:2017年8月13日 更新日:

火星と言えば地球のすぐ外側を公転する惑星で有名ですね。

太陽系には8つの惑星がありますが、中でも火星は地球に環境が似ている星で、過去には海が広がっていたとされています。しかし現在では干上がってしまい、生命の存在すら確認されていません。

それどころか表面の平均温度は-43℃、南極大陸とほぼ同じでとても人が住めるような環境ではありません。

 
それでも他の惑星に比べて地球に環境が似ていてかつ近い距離にあるということもあって昔から探査は積極的に行われている惑星です。しかしいずれも無人探査機だけが送り込まれているだけで有人による探査はこれまで一度もありません。

火星の有人探査は月探査に次ぐ人類の偉業だと言えます。宇宙好きの僕からしても夢溢れることでその偉業をこの目で見てみたいですが、現実はそう甘くはないようです。

火星の有人探査は片道の航行距離の長さにあります。その他の問題点も合わせてわかりやすく解説していきます!
 

スポンサーリンク

火星までの距離は平均でどのくらい?

火星の有人探査をする上で最大の障壁となるのが、火星と地球との片道の距離にあります。

月は地球の周りを一定の距離を保って公転しているのに対して、火星は地球の外側を同じように太陽の周りを公転していますが、月と違って火星との距離は何千万km以上も離れています。

上の画像を見てもらうとわかりますが、火星も地球と同様太陽の周りを公転しています。

地球が内側で火星が外側を走っているという構図になるので、基本的には地球の方が1年の周期は短くなります。

その証拠に地球は780日(約2年2カ月くらい)の間隔で火星を追い越しますが、その度に火星とは最接近するので、この時が火星へ探査機を送り込むのに絶好の機会となるわけです。

 
ただし地球が火星に最接近した時の距離は約8000万km、月と地球との間の距離が約38万kmなのでその200倍になります。さらに火星の軌道は楕円状になっている上に、近日点と遠日点で接近する時の距離は2倍近くも差があります。

近日点付近で接近した時は約5600万km、遠日点付近で接近した時は約1億km、平均するとだいたい8000万kmという長い距離を航行するのに、現在の最新の技術力を誇る宇宙船で移動したとしても約半年以上はかかるとされています。

しかも片道だけではなく戻ってくる必要もありますので、滞在期間と往復で実質2年以上は地球から離れて探査・航行をしなければいけません。

アポロ11号が1969年に地球を飛び立って月に降り立ち、再び地球に戻ってくるまでの間の期間は約1週間程度だったので、それと比較するといかに火星探査が過酷なミッションかが伺えます。
 

スポンサーリンク

運搬する物資の量も多すぎ?

長期にわたって航行・探査する必要が出てきますので、それ相応の物資を運搬する必要も出てきます。

有人探査における最大の課題とも言われていますが、無人探査と違って食料や水、そして酸素が必要になることです。

さらに大型ロケットの航行に必要となるエンジンや燃料も積み込まなければいけませんが、往復で1年以上という長い期間を考えると必要となるこれらの物資の量がどれだけになるか想像できないですね。


それ以外にも火星を探査するために必要なローバー(乗り物)やいろいろな機材、宇宙服、トイレの問題なども深刻でしょう。

これらの問題を解決するには、人間以外の必要な物資を事前に火星に送り込んでおくという案(分割案)が安全で効率的であると検討されていますが、火星の表面に長い間放置されることになるので、放射線を遮断する工夫や温度の管理などを徹底する必要が出てきます。
 

宇宙放射線の量も懸念材料!

長期にわたって宇宙空間を移動することになるので、宇宙放射線を浴びる量も多くなります。

地球は大気によって覆われているので宇宙放射線を浴びずに済みますが、宇宙空間はそうはいきません。宇宙船の周りをしっかりと放射線を遮断するような材質で覆っておかないとクルーの命に関わるので、そうした技術的な面でも最新の注意を払わないといけません。

現在でも国際宇宙ステーションで半年以上など長期滞在する宇宙飛行士は増えていますが、将来の火星探査において備えるという面でも宇宙放射線の人体への影響を詳細に調べて、健康被害を最小限に食い止める必要が出てきます。
 

スポンサーリンク

火星探査はリターンが少なすぎる?

もう一つ火星探査でよく言われる問題が、かかるコストに対してのリターンの少なさです。

 
現在NASAは2030年代に火星の有人探査を実現させる計画を立てていて、それによると月に近い軌道を飛ぶ宇宙基地をまず建設し、そこに物資や燃料、人員を運んでそこを拠点に別の宇宙船を火星に向けて飛ばすという内容になっています。

もちろんこの計画には莫大なコストと時間がかかります。今のままのペースで考えると2030年代に火星の有人探査は本当にできるのかどうか怪しいですが、多くの科学者・技術者が妥当なラインだと考えているようです。

しかし実は無人による探査も全体の3分の2が火星に到着する前に失敗しているという現実があります。

また火星は地球と環境が比較的似ていると言っても平均気温が低すぎる上に、重力も地球よりも小さいので定住するという面ではやはり不向きです。

莫大な予算をかける割には得られるリターンが少なすぎるし、失敗する可能性も高いということでなかなか前進しないのが現状です。

 
要するに、

火星探査に向ける予算をもっと人類に役に立つ他の有意義な研究に使え!

ということです。

 
あながち理解できなくもないですが、実際には国防費の何十分の1と言う予算に過ぎません。

それでもかなりの金額になるのは間違いないので、社会保障やその他の有効な経済対策に打ち出すべきだという意見も根強くあって無視できない状況です。
 

火星探査は将来のことを考えたら必須!

2015年に公開されたマット・デイモン主演の映画『オデッセイ』でも過酷な火星探査ミッションの様子が描かれていて、改めて火星探査の厳しさや難しさが伝わりました。

それでも本当に長期的なビジョンで考えれば火星の探査はするべきだとは思います。人口が増加しすぎて地球に人が住めないような時代になったら人類は地球の外の惑星かコロニーで生活しなければいけなくなるかもしれません。

もちろんそんな時代は後数百年か先の話だと思いますが、それでもいずれやってくるのだとしたら、その時を見込んで今から熱心に探査をしておくというのも理にかなっていると言えます。

現状地球外の惑星で住める可能性が高い星と言ったら火星だけです。火星にはかつて海が存在していたそうですが、もしかしたら現在でも地下には巨大な永久凍土があって、それが数百年後かの人類を救う足掛かりになるかもしれません。

ロシアやヨーロッパ、さらに中国なども火星探査に積極的な姿勢を見せていて、これからもっと宇宙探査による各国の競争が激しくなると予想されます。

いっそのこと世界中の国が一致団結して多国間の連携で火星探査をした方が効率が良くなると思いますが、そういった動きも見られないのが少し残念ですね。
 

スポンサーリンク



関連記事

木星の大赤斑について解説! 近年は徐々に縮小している?

ワープ航法は不可能じゃない? NASAが研究しているモデルとは?

-宇宙

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

彗星と流星の違い!両者の関係性を探ると意外な事実が?

宇宙を漂流する天体は実に様々あります。 特に彗星については、古来より多くの人々に観測されてきました。 代表的な彗星にハレー彗星がありますが、長い尾をまとって光るその姿は、不吉なシンボルとしても有名です …

木星の大赤斑の正体とは?近年は縮小傾向にある?

太陽系にある8つの惑星の中で大きさ、質量ともに最大な惑星と言えばご存知木星ですね。 英語でJupiter(ジュピター)という名前ですが、これはギリシャ神話の最高神ゼウスに因んでつけられました。 その名 …

金星の自転の向きは地球と逆!有力な説も紹介!

地球のすぐ内側を回る惑星と言えば金星ですね。 月を除けば一番身近な天体で大きさも地球とほぼ同じなので、空を見てみると金星が浮かんでいる様子が伺えます。 肉眼でも容易に見えるので古来より占星術や神話など …

ワープ航法は不可能じゃない? NASAが研究しているモデルとは?

宇宙旅行してみたい!子供の頃にこんな夢を抱いた人も多いと思います、もちろん筆者もその一人です。 しかし宇宙はとてつもなく広く、地球から最も近い天体の月ですら35万km以上も離れています。また前回の太陽 …

宇宙人が存在しない理由とは?とある科学者の方程式で大考察!

この広大な宇宙の中でハッキリと生命が存在することがわかっている星があります。 その星とはご存知地球です。 今のところ地球以外の惑星で生命の存在は確認できていません。ましてや人類と同じような知的生命体の …

広告

スポンサーリンク

私が管理人です

九州出身の雑学&ゲーム好きのアカギです。生活に転がる様々な雑学や政治、宇宙、ソシャゲ、パソコン、勉強関連のネタを中心に記事を書いています。趣味は旅行とチェス、その他レトロゲームのコレクションをこよなく愛します。

アーカイブ