プロ野球でチームを指揮する人と言えば、「監督」ですね。
野球中継を見ると、必ずと言っていいほどベンチに座っていたり、選手の交代を告げたりするなど、いろいろ忙しい人です。
でも似たような言葉に「監修」というのもあります。
例えば映画やドラマにも「監督」と呼ばれる人がいますが、一方で「○○氏が『監修』を務めた映画」という言い方もします。
「巨匠○○が監督した映画」と「巨匠○○が監修した映画」は、どう違うのかな?
ボトル缶コーヒーの「香るブレンド」にも「監修」って書かれているけど、「監督」じゃダメなのかな?
いざ「違いを説明して!」と言われると回答に困ってしまう人は多いでしょう、僕もその一人です。
ということで今回は似たような言葉でもある、「監督」と「監修」の違いを徹底特集していきますよ!
後半の漢字が違うだけで、全然ニュアンスが変わってくるよ!
「監督」と「監修」の違いを簡単に!
では「監督」と「監修」の違いを、goo辞書を参考にして一言で簡単にまとめてみます。
このようになります。
もっとわかりやすく言うなら、「監督」は映画のみならずスポーツなどいろいろな分野で、現場を指揮することなのに対して、「監修」はあくまで書物や映画の編集のみを指揮することとなります。
要は「監督」の意味の中に、「監修」が含まれていることになるわけです。
基本的に「監督」というのは人を表す名詞にも使えますが、「監修」というのは「~する」で動作を表す言葉となります。
「映画作品を監修する」とは言いますが、「映画作品を監督する」とはあまり言いません。
ではどうしてこういう違いになるのか?それぞれの熟語を漢字1文字ごとに分解してみましょう!
「督」と「修」の漢字を見てみよう!
2つの熟語をそれぞれ分解してみますと、前半の1文字は「監」で同じですが、後半の1文字は「督」と「修」で異なります。
まず前半の「監」は、「管理する、見張る」という意味となります。
次に後半の2つの漢字ですが、それぞれ以下のような意味になります。
- 「督」は、「見張る、取り締まる、いましめる」
- 「修」は、「正す、形を整える、書物を編む」
「監」と「督」の2文字については意味的にほぼ変わりません。
それに対して「修」は「修理」とか「修正」といった言葉からもわかるように、「正す、形を整える、書物を編む」という意味です。
以上を踏まえると
- 監督=監+督=見張ったり管理する
- 監修=監+修=著述や編集を正したり、形を整える作業を管理する
となるわけです!
漢字ごとに分解すると、確かにわかりやすいね。
「監督」と「監修」の違いをより詳しく!
ここまでの説明で「監督」と「監修」の意味の違いと、漢字を1文字ごとに分解して詳しくみました。
ただしこれだけの説明でも、まだ両者がどういったことをするのか、役割の違いが曖昧ですよね。
「監修」の対象はあくまで著述や編集なので、舞台やスポーツなどはまず対象に含まれません。
この2つの言葉が同時に出てくるケースが、映画やドラマなどの撮影作品や文学作品が公開される時です。
例えば昨今放送されて話題となった『僕のヒーローアカデミア』の劇場版最新作については、監督を長崎健司氏が手掛けていますが、監修は原作者の堀越耕平氏となっています。
このように映画作品の監督者と監修者は違っていることもありますし、役割分担は明確でない場合も多いです。
ではそれぞれ両者はどういった仕事をするのか、具体的に見ていきます!
「監督」とは?
映画における「監督」とは、主にその作品に出演する俳優の演技や指導をするほか、音楽や特殊撮影、舞台設定など、映像制作を統括する責任者となります。
基本的に映画制作においては「監督」が一番トップに立って、権限もトップです。
ただしある映画作品において、誰が監督になるかは実は別途プロデューサーと呼ばれる人が決めているんです!
「プロデューサー」という言葉がまた新たに出てきましたが、一般的にはプロデューサーはその映画における最上位の権限を持っていて、
- 映画の企画
- 資金提供
- 資金の確保
- 脚本家を誰にするか
- 監督を誰にするか
- 俳優選び
などを決定する人です。
「監督」と「プロデューサー」はごっちゃになりやすいですが、実は「プロデューサー」の方が「監督」より偉いんです。
もちろん「プロデューサー」が「監督」を務める場合もあります。スティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカス、ウォルト・ディズニーといった著名人はその代表例ですね。
いずれにせよその映画作品において、総合的にテーマや方向性を示す立場にある責任者であることから、映画作品においてスポークスマン的な役割を担うことも多いです。
ある話題作が公開直前になると、確かに「監督」がメディアに登場する機会が増えていろいろと語るね。
「監修」とは?
映画における「監修」者とは、著作物や映像作品の編集と制作を監査する人のことです。
「『監督』とあまり意味的に変わらないのでは?」と思いがちですが、「監督」が制作現場の直接指揮することに対して、「監修」はあくまで別の視点から監査することに重点を置きます。
何より「監修」は出来上がった作品の編集をチェックすることに意義があります。
映画作品の制作の指揮は「監督」、完成後のチェックは「監修」ということになるわけです。
映画作品だけでなく著作物にも「監修」が使われることは多いです。
ある料理本が発行されると、「この本は管理栄養士の監修を受けています。」というメッセージが帯に書かれていることもありますね。
まとめ
今回は「監督」と「監修」の違いを詳しく解説してきました。ということでまとめといきましょう!
- 「監督」はスポーツや舞台、映画制作の現場を指揮する管理者、「監修」は著作物や編集を監督すること
- 映画作品においては「監督」は制作の指揮を任される人、「監修」は出来上がった作品をチェックする人
映画作品とかだと「監督」者と「監修」者が同一人物だったりします。
ただ個人的には出来上がった作品については、違う人物に見てもらった方が良さそうな気もします。
「監督」だけでは気づけない駄目な部分は多いです、職務経歴書だって転職エージェントに添削してもらって初めていい書類に仕上がりますからね。
アニメ作品の実写化もちゃんとした人物が監修をすればいいんだけどね。