日本人にとっては石油は火力発電や車のガソリン、ストーブの燃料など欠かせない物となっています。

その石油ですが日本は主にニュース番組などでも頻繁に報道される中東(アラブ)から大部分を輸入しています。





この石油を取り仕切る国際機関としてOPECという言葉も聞く機会が多いですね。

ニュース番組では「OPEC石油輸出国機構が~」とキャスターがよく言っているのを聞きますが、実は同じような言葉で「OAPEC」もあります。

アルファベット一文字あるかないかの違いですが、こちらも石油関連の国際機関です。


僕自身も学校の地理の授業でこの両方の言葉を初めて知ったのですが、一体全体どこがどう違うのか?よく混同していましたね。

特に受験生の方にとっては加盟している国の違いや覚え方は非常に重要だと思います。

今回はこの両者の違いと加盟国の覚え方について詳しく解説していきます!


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OPECとOAPECの違いとは?

OPECとOAPECの違いは一体何なのか?

この両者の違いを簡単に一言で表しますと以下のようになります。

  • OPEC:日本語で「石油輸出国機構」、産油国同士で発足した、石油の生産量や価格の決定権を決めるための機構、本部はウィーン
  • OAPEC:日本語で「アラブ石油輸出国機構」、アラブ諸国のみで発足した石油輸出国機構、本部はクウェートシティ

なんと日本語での名称の違いは冒頭に“アラブ”がつくかつかないか、という点だけです。

また両方とも英語の略称ということになっていますが、英語名の正式名称はそれぞれ

  • OPEC=Organization of the Petroleum Exporting Countries
  • OAPEC=Organization of the Arab Petroleum Exporting Countries

となります、“Petroleum”は「石油」、“Exporting”は「輸出」という意味です。

加盟国の内訳を詳しく解説!

OPECとOAPECの2つの組織について、まず真っ先に問われるのは加盟国の内訳についてでしょう。

多分学校の地理の授業でも習うと思いますが、テストや入試問題にも出される可能性は高いので重要視して紹介します。
※加盟した年代が古い順から紹介、太文字で書かれている国が発足当初からある原加盟国です。

  • 【OPECの加盟国】
    1. イラク
    2. イラン
    3. クウェート
    4. サウジアラビア
    5. ベネズエラ
    6. カタール
    7. リビア
    8. アラブ首長国連邦
    9. アルジェリア
    10. ナイジェリア
    11. アンゴラ
    12. エクアドル
    13. ガボン
    14. 赤道ギニア
    15. コンゴ共和国
  • 【OAPECの加盟国】
    1. クウェート
    2. リビア
    3. サウジアラビア
    4. アラブ首長国連邦
    5. バーレーン
    6. カタール
    7. アルジェリア
    8. イラク
    9. シリア
    10. エジプト
国名
両方に加盟している国
  1. クウェート
  2. リビア
  3. サウジアラビア
  4. アラブ首長国連邦
  5. カタール
  6. アルジェリア
  7. イラク
OPECのみに加盟している国
  1. イラン
  2. ベネズエラ
  3. ナイジェリア
  4. アンゴラ
  5. エクアドル
  6. ガボン
  7. 赤道ギニア
  8. コンゴ共和国
OAPECのみに加盟している国
  1. バーレーン
  2. シリア
  3. エジプト

※OPECに関しては2008年までインドネシアも加盟していましたが、原油生産が減ったため脱退しました。引っ掛け問題で出題される可能性は高いです。

両者の加盟国の一覧の紹介でした。

まとめますと、OPECは現在15カ国でOAPECは現在10カ国が加盟しています。両方に加盟している国は7カ国です。


ただしOPECに関しては2000年代以降にアンゴラ、エクアドル、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国と5つの国が加盟していて存在感が再び強まっています。

今後も加盟国が増えるかもしれません。

これに対してOAPECの方は最後に加盟したのが1973年のエジプトで、それ以降新規加盟国はありません。

加盟国の覚え方を紹介!

OPECにしろOAPECにしろ、加盟国が多くて覚えるのが大変だと思います。

特に入試対策では重要点となりますが、参考になればと思って覚え方を僕なりに考えてみました!

  • 両方加盟している国:荒ぶる固い鎖いくらある?
  • (荒ぶる=アラブ首長国連邦、固い=カタール、鎖=ウェートとウジアラビアとビア、いくら=イラク、ある=アルジェリア)

  • OPECのみに加盟している国:絵が赤い弁当に餡子(あんこ)はイラナイ!
  • (絵=エクアドル、が=ガボン、赤い=赤道ギニア、弁当=ベネズエラ、餡子=アンゴラとンゴ共和国、イラナイ=イランとナイジェリア)

  • OAPECのみに加盟している国:バレーで知り合ったジプシー
  • (バレー=バーレーン、知り合った=シリア、ジプシー=エジプト)

このような感じになります。ポイントとしては両方に加盟する7カ国の「荒ぶる固い鎖いくらある?」を覚えることです。

これをしっかり把握しておけば、後はOPECには「絵が赤い弁当に餡子はイラナイ!」の8カ国を、OAPECには「バレーで知り合ったジプシー」の3カ国をくっつければOKです。

では次章からはASEANとAPECのそれぞれについて、歴史や設立の経緯などを含めてより詳しく解説していきます!
 

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OPEC設立の経緯

OPECが設立したのは1960年、当時は石油メジャーと呼ばれる巨大企業が石油の生産の決定権を握っていました。

石油メジャーのおかげで、原油の価格は比較的安く安定していたのですが、実際に油田を持っている国々は半分程度の利益しか入ってきませんでした。

当然これには不満を漏らさざるを得ません。また奇しくも第三世界にナショナリズムの波が押し寄せていたこと持って、油田を持っている国々内で資源ナショナリズムが盛り上がりを見せてきました。


その時代の流れには当時の石油メジャーもかないませんでした。

またソビエト連邦などの社会主義国も石油の生産を増大させたこともあって、西側諸国寄りの石油メジャーの石油支配が徐々に揺らぎ始めました。

このままではまずいと判断した石油メジャーは、1959年に石油の価格を産油国の了承なしに引き下げてしまいます。


当然この措置に対しては産油国は大反発です!

このまま石油メジャーに一方的に石油の価格を決定されるわけにはいかない!

と判断した産油国は、翌年の9月にイラクの首都バグダードに集結して、石油の価格の決定権で対抗するためにOPECを結成したのです。

発足当初こそ5カ国だった組織も、1971年には11カ国に増えて産出量におけるシェアが拡大し、石油メジャーに対抗できる実力を備えていきました。


現在では石油の価格は完全に市場原理で左右されます。

そのため「OPECが石油の減産を実行しました。」というニュースが入ったりするのですが、これは市場に出回る原油の量を調整して価格を安定させるのが狙いです。

※OPECに関しては翌年以降また加盟国が増える可能性もあります。

2018年現在までなら上の覚え方で大丈夫ですが、今後加盟するとしたら、ノルウェーとメキシコ、ブラジルあたりになります。


OPECが占める石油生産量は?

石油輸出国機構という名の通り、石油の生産量と埋蔵量が非常に多い国が加盟しています。

現在OPEC全体での生産量は世界全体の約43%、埋蔵量は約73%となっていて、これだけ見るとOPECの経済的影響力が強そうに見えます。

ただ全てのOPEC加盟国が、非加盟国よりも生産量と埋蔵量で上回っているかと言われればそうではありません。


例えば最近加盟したガボンという国は、OEPCの中で最も石油生産量が低い国ですが、このガボンよりも石油生産量が多い国は、アメリカやカナダ、ロシア、イギリス、中国、ありとあらゆる主要国が名を連ねます。

またその他にもマレーシアやタイ、ベトナムといった東南アジアの国々ですら上回っています。


そもそも生産量自体では、世界1位と2位の国はロシアとアメリカ、10位以内に入っているOPEC加盟国はサウジアラビア、イラン、イラク、UAE、クウェートの5カ国です。
世界の原油(石油)生産量 国別ランキング・推移

OPECの影響力は弱まりつつある?

石油の生産が多い国は中東ではなく、むしろロシアやアメリカ、中国といった経済大国です。

30~40年前に比べると非OPECの国々の石油生産量が格段に増えてきました。

それもこれも1973年の第1次石油ショックの時に、OPECが無理矢理石油の価格を引き上げたことが原因にあります。また1968年にOAPECが成立したことで、石油に関しての権限がますます中東寄りになりました。


この石油ショックの影響で、OPECが石油の価格決定権を完全に握ることになりました。石油のOPEC依存度がより高まったわけですが、このままいくと中東を始めとした石油生産国に価格や生産量を完全に左右されてしまいます。

石油はエネルギー市場の根幹ともなる資源なので何としても確保しないといけません。

こうした時代背景があって非OPECの国々で、自国内で石油の生産と開発を進める動きが強まったわけです。


近年でもアメリカで起きたシェールガス革命によって、シェールオイルというそれまで採掘できなかったシェール層からの原油の増産でますます生産量が増えています。

その証拠に原油価格はここ数年は下落傾向です。

今後アメリカやカナダ、ロシアといった非OPEC加盟国の石油生産量が増えると、OPECの影響力はますます弱まります。まるでOPECが石油メジャーになってますね…


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OAPEC設立の経緯

OAPECはOPEC設立して8年後の1968年に設立されました。

OAPECはOPECと別組織です。その名の通りアラブ世界の産油国が石油事業促進を目的として結成させた国際機構です。

※誤解されやすいですがイランはアラブの国ではありません。

アラブ世界とは言うものの、加盟している全ての国が北アフリカと地中海沿岸に集中しています。

基本的な立場としてOPAECはOPECの決議に従うことが明記されており、あくまでOPECを補完する立場になっています。

やはりOPECと同じで1973年のオイルショックの時には、西側諸国を標的に生産削減と石油の禁輸を実行するといった行動を起こしました。


この組織が設立された経緯は、1967年の第3次中東戦争にあります。

OPECは中東の中で西側諸国寄りだったイスラエルを支援したとして、アメリカ、西ドイツ、イギリスといった先進国へ石油の輸出を禁止したのです。

ところがOPECの中には、発足当初からイランやベネズエラといった非アラブ諸国も加盟しており、これらの国がむしろ石油の輸出量を増やしたのです。

ここでOPEC内でアラブ諸国と非アラブ諸国との足並みが乱れました。


そこでアラブ系産油国の利益確保を最優先するために、アラブ諸国のみで独自の石油輸出国機構を結成することになったというわけです。

発足当初はサウジアラビアとリビアとクウェートの3カ国だけでしたが、今では10カ国に増えています。

※1972年にチュニジアが加盟しましたが、1987年に脱退しました。

まとめ

今回はOPECとOAPECの違いについて解説してきました、参考になりましたら幸いです!

近年ではアメリカなどのシェールオイル台頭もあって徐々にですが影響力が弱くなっている感も否めませんが、石油というエネルギー源が枯渇しない限りOPECもOAPECも活動し続けるでしょう。

これ以外にも似たような政治・ニュース用語はいくつかあります。やはり学校の地理や社会の授業でも出される可能性もあるので、関連として以下の記事もどうぞ!

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