高級旅館の和室部屋でたまに見る屏風、芸術的な絵も描かれていて美しい限りです。

見ていると和の精神に満たされそうになりますが、実はその数え方がちょっと意外だったんです。

なんと屏風を構成するパネルは「」や「」、さらにそれらが集まったものを「」という単位で数えるようなんです!

鷲弟子鷲弟子

「扇」に「曲」に「隻」?音楽とか舟の話をしてるのかな?

美術館で解説パネルには、「六扇」や「六曲一双」、「四曲一隻」と書かれていることがありますが、これは屏風の数え方だったんです。

でもそもそも何をどう数えればいいか迷いますね。

もちろん私も気になったので屏風の数え方を大特集していきます!

フクロウ教授フクロウ教授

屏風の単位、日本人にも理解が難しいかも?

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屏風の数え方とは?

屏風は白鳳時代に中国から日本に伝わりました。「風を屏(ふさ)ぐ」という意味から出来た言葉で、文字通り風や人目を遮るための調度品です。

何と言ってもその数え方がかなり変わっていて、以下のような独特な単位を使います。

  • 屏風を構成する細長いパネルは「」か「」、読みは「せん」と「きょく」:1扇・2扇、四曲・六曲
  • 細長いパネルの集合体一単位を「」、「」、読みは「せき」と「ちょう」:一隻、一帖
  • 複数の屏風をセットで数える場合「」、読みは「そう」:半双、一双



鶴弟子鶴弟子

単位が多すぎて頭が混乱しそうだ

このように屏風の数え方は、全部で3通りあります。屏風を構成するパネル、屏風それ自体、そして屏風をセットで数えるパターンの3つです。

正直言ってかなり複雑ですが、実は数え方にも向きなどがあるんです!

屏風の構成と見方なども含めて、詳しく見ていきましょう!

屏風を構成する細長いパネルは「扇」!

屏風は細長いパネル(面)がいくつも横に連なった構成をしています。

この細長いパネルのことを「扇(せん)」と呼び、基本的に屏風はこの「扇」が2,4,6集まった構成が多いです。

二扇、四扇、六扇と呼びますが、数える時も注意が必要で、何と向きがあるんです。

実は屏風はそれ自体が縦書きの物語、と見なせるので数える時も右端の扇から左端の扇という規則があります。

パネルが6集まった屏風は、右端から「第一扇」と数え、左端が「第六扇」となります。


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「曲」と「扇」の違いは?

次に紹介する単位は「曲」です。実はこれも基本的には「扇」と同じ数になります。

すなわち扇が4つなら「四曲」、扇が6つなら「六曲」と数えます。


この2つの単位、何が決定的に違うかと言いますと、「曲」は曲がった面の数を意味し、「扇」は最小単位のパネルの数そのものを意味します。

ざっくり言えば着眼点が違います。

屏風全体の形を見て、いくつ曲がっているかを示すのが「曲」ですが、「六曲」なら6つ曲がっていて、面の数としても「第六扇」となりますから、やはり数としては同じになります。

ただし「曲」と数えるパターンも、「二曲」か「四曲」か「六曲」の3パターンくらいしかなく、奇数となったり、8以上の数字が出ることはほぼありません。

鳩弟子鳩弟子

最初聞いた時は音楽のことかと思ったよ




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屏風一単位は「隻」か「帖」!

さてこれまで紹介したのは、屏風を構成する細長いパネルの数え方でした。

ではその細長いパネルが集まった、屏風それ自体を数える単位はというと、「隻(せき)」か「帖(ちょう)」を使います。

パネルの数は屏風ごとで異なります。

二曲で「一隻(帖)」、四曲で「一隻(帖)」、六曲で「一隻(帖)」と屏風の種類ごとに「一隻」の曲(扇)数は異なります。

それぞれ「二曲一隻」、「四曲一隻」、「六曲一隻」という名称が付されますが、この場合は「扇」は使わないようです。

屏風をセットで数える場合は「双」!

屏風は一隻か一帖と数えますが、その屏風が二隻集まったものを「双(そう)」という単位を用いて、「一双」と数えます。

六曲の屏風が一双の場合は「六曲一双」となります。「六曲二隻」と意味は同じですが、屏風が二つ並んだ場合は「一双」を使うのが通常です。

因みに、屏風が一隻の場合は「双」とも数えます。

すなわち「六曲半双」とは「六曲一隻」と同じ意味です。

フクロウ教授フクロウ教授

「一双」は屏風が「二隻」、これをしっかり頭に入れよう!

「右隻」・「左隻」とは?

屏風が二隻あると「一双」と数えますが、この場合二隻の屏風を左右に並べます。

実はこの時も左右それぞれの屏風の呼称に決まりがあって、右の屏風を「右隻」、左の屏風を「左隻」と呼ぶようにしています。


ではここで問題です。

上の六曲一双の屏風の右隻の第五扇はどこでしょうか?

今までの知識をフルに活かせば解けるはずです、数える順番も注意してください。


解けましたでしょうか?では正解はコチラ(下の図の赤い色で塗った面です)!

屏風の代表作品

それでは屏風の代表的な芸術作品の例と一緒に、それぞれの「曲」の数と「双」の数も紹介します。

作品名 作者名 曲と双の数
唐獅子図屏風 狩野永徳 六曲一双
燕花子図 尾形光琳 六曲一双
檜図屏風 狩野永徳 四曲一双
風神雷神図 俵屋宗達 二曲一双
吉野山図屏風 作者不詳 六曲一隻


まとめ

以上、屏風の数え方の解説でした。それではおさらいしましょう!

  • 屏風を構成するパネルは「扇(せん)」か「曲(きょく)」、パネルは右から左に数える
  • 屏風の数え方は「隻(せき)」か「帖(ちょう)」、二曲・四曲・六曲で「一隻」とする屏風が多い
  • 屏風が二隻の時は「一双」、一隻の時は「半双」と数える
  • 「六曲一隻」と「六曲半双」は同じ
  • 屏風が二隻あるとき、右の屏風を「右隻」、左の屏風を「左隻」と呼ぶ



もし屏風を見る機会があったら、曲と隻、さらに双を使って正しく数えられるか、友達などとチャレンジしてみてください。知っておけば自慢できますね。

また和室にある飾り付けだと、掛け軸も意外な数え方をするって知ってましたか?詳しくはコチラの記事をどうぞ!




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