もうすぐ2018年も終わり、いよいよ2019年が訪れます。
少し気が早いですが、年が変わる前から目標達成のため来年のスケジュールを組むのもいいかもしれません。そうなると休みの日が気になりますね。
休みと言いますと土曜・日曜以外では祝日がどうなっているかも気になります。
実は現在の日本は年間に16日も祝日があるのですが、何と土曜日に祝日が被ってしまうと、振替休日にならないのです!
(※来年は新しい天皇の即位で、12月23日が天皇誕生日でなくなりますが、5月1日と10月22日が祝日になります。)
後で紹介しますが実際2019年のカレンダーを見てみると、2日ほど土曜と被っている祝日があります。
これを知ってがっかりする人もいるでしょう。実質休みが2日ほど減るわけですからね。
でもなぜ土曜日が祝日と被っても振替にならないのか?ちょっと疑問ですよね。
そもそも土曜日に祝日が被らないような年はないのでしょうか?詳しく見ていきます!
土曜日に祝日が被っても振替はされない!
多くの人が不満に思っている土曜日の振替休日問題ですが、その理由はちゃんとした法的根拠があったのです。
結論から申しますと、土曜日が休日と定められていないから振替にならないということになります。
ここで「え?」と納得いかない人も出てくるでしょう。
「土曜日が休日扱いじゃないってどういうこと?それじゃあ週休2日制の意味は?」
という意見が出てくると思いますが、これには大きな誤解がありました。
土曜と日曜は休日ではない!
日本で週休二日制が普及し出したのは1980年頃からで、これは『労働基準法第32条』に書かれている法定労働時間の制約に引っかからないようにする狙いがありました。
はじめは民間企業中心に広がっていきましたが、徐々に金融機関や国家公務員、さらに公立学校でも土曜と日曜を休日とする週休二日制に変わっていきました。
ここで多くの人にとっては、土曜と日曜が当たり前のように休日になったので、一般に「土曜と日曜が休日」という認識が広がったのです。
ところが現在の『国民の祝日に関する法律』上では、どこにも「土曜と日曜は休日である。」などという文言はありません。
同法3条では、振替休日になる条件も含めて以下のように書かれてあります。
- 「国民の祝日」は、休日とする。
- 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
- その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
引用元:国民の祝日に関する法律(第3条)
この第3条の2項を要約すると「国民の祝日が日曜日の時は月曜日に、月曜日も国民の祝日だったら火曜日に振替休日になる」ということになります。
どこにも「土曜日」とは書かれていませんし、ましてや「土曜と日曜は休日である」とも書かれていません。
あくまで日曜日が国民の祝日になった時に適用するとしています。
土曜日に祝日が重なっても振替休日にならない理由がこれで理解できたと思います。
振替休日が制定されたのは1973年!
歴史的背景を探るとこれは致し方ないことだと思います。
そもそも『祝日法』が改正されて「振替休日」の制度が始まったのが1973年の時です。
1973年というとまだ週休二日制が今ほど浸透していなかった時代でした。
そして振替休日というのは、本来は日曜以外の曜日が休日でないことを前提とした作りになっているのです。
こうして見ると祝日法の改正がもっと後の時代だったら、土曜日が重なった時でも月曜が振替休日になっていた可能性もありますね。
※2009年の民主党政権時代に祝日法を改正する動きがあって、土曜日も対象にする案が出たのですが、再度政権が自民党に戻ったため白紙になりました。
土曜が休日と定められているのは国の行政機関や地方公共団体など、主に公的機関のみが対象となっています。
また前日と翌日が祝日だった場合、その間に挟まれた日が「国民の休日」という祝日になる例もありますが、現在の暦の関係上このような現象はほぼ起きません。
2017年は4日も被っていた!
実は土曜日に祝日が被ったことで大きく損をした年が、2017年だとされています。(画像をクリックすれば拡大できます。)
2017年のカレンダーは何と、
「建国記念の日」・「昭和の日」・「秋分の日」・「天皇誕生日」の4日
が土曜日と重なっていました!
これには驚きですね(;^^)
これだけ重なるのはかなり異様な現象ではないでしょうか?
それ以前に祝日が多いから重なりやすいだけ、という見方もできるでしょうが、これだけ休みの数が変動すると経済活動にも影響が出かねないですね。
2018年と2019年は?
この傾向はなんと2018年も続いていました。
2018年は前年ほどではないにしろ、実は
- 5月5日のこどもの日
- 8月11日の山の日
- 11月3日の文化の日
の3日が土曜日と被っていました。(山の日はお盆休みと被るのであまり意味ないですが…)
思えば「何となく休みが少ないなぁ」、と感じていた人もいるのではないでしょうか?それは気のせいではなかったのです。
そして2019年には
- 5月4日のみどりの日
- 11月23日の勤労感謝の日
の2日が土曜日と重なります。
またイントロでも書きましたが5月1日が祝日になる関係で、GWが10連休になります。
2020年はどうなる?
次に気になるのは、2020年の暦ですね。
2020年はなんといっても東京五輪が控えている年です。
それと同時に新しく即位される天皇陛下の誕生日が2月23日になるため、天皇誕生日が12月23日から2月23日に変わります。
年間の祝日の日数自体は変わりません。
日本の祝日の日数は多すぎる?諸外国と比較してみた!
そして2020年のカレンダーを調べてみたら、
何と土曜との被りはゼロ!
やりましたね!2020年とまだ先のことに思えますが、五輪も控えて休みも減らないことから相当な経済効果が期待できそうです。
「何らかの形で祝日として存続するかも?」
と期待している方もいるでしょうが、今のところそのような予定はありません。
土曜日に祝日が被らないのは奇跡?
現在の法律上、土曜日が祝日と被ると振替休日にならないことから、とにかく土曜に重なってほしくない!と願う人もいるでしょう。
しかしハッピーマンデー制度(第2月曜日が祝日になる)が適用される「成人の日」と「海の日」と「敬老の日」と「体育の日」の4日分を除いて、残りの12日の祝日は全て日付が固定されています。
日付を変えるだなんて、我々の力ではどうにもならない話です(;-_-)
ただそれでも2020年は、土曜日と被る祝日はない年になっています!
これは本当に嬉しい限りですが、そもそもこのような事態が奇跡的ではないでしょうか?
さらに詳しく調べてみましたら、実は土曜日に祝日が何日か重なる年は極めて多かったのです。
ハッピーマンデー制度が現在の4日で適用された2003年から2018年までのデータを紹介します。
- 2003年:「憲法記念日」の1日
- 2004年:「春分の日」の1日
- 2005年:「元日」の1日
- 2006年:「建国記念の日」・「みどりの日(4月29日)」・「秋分の日」・「天皇誕生日」の4日
- 2007年:「こどもの日」・「文化の日」の2日
- 2008年:「憲法記念日」の1日
- 2011年:「元日」の1日
- 2012年:「建国記念の日」・「こどもの日」・「秋分の日」・「文化の日」の4日
- 2013年:「みどりの日」・「勤労感謝の日」の2日
- 2014年:「憲法記念日」の1日
- 2015年:「春分の日」の1日
- 2017年:「建国記念の日」・「昭和の日」・「秋分の日」・「天皇誕生日」の4日
- 2018年:「こどもの日」・「山の日」・「天皇誕生日」の3日
こうしてみると、祝日が土曜日に被らなかった年はここ16年間で、
- 2009年
- 2010年
- 2016年
の3年しかありませんでした。
つまり祝日が1日も土曜日に重ならない年の方が珍しいわけです!
2020年は本当に貴重な1年になりますね。これが五輪パワーでしょうか?
ただし被ると言っても、1~2日までが平均のようですね。
3~4日も重なるのはかなり珍しい特異な現象だとわかります。
もちろん「春分の日」と「秋分の日」の2日だけ、日付が変わることも関係しているでしょうが…
当然祝日の日数が多いからある程度やむを得ないことだと思いますが、だからと言って減らすというのも納得はいかないです。
休みが減って損するくらいなら、有給制度を充実させた方がいいですね。
まとめ
今回の内容をまとめさせて頂きますと、土曜日に祝日が重なっても振替休日が適用されないのは、祝日法で日曜日に祝日が重なった時と記載されているためです。
土曜日が休日であると一般に広く認識されていますが、それもこれも週休二日制が普及しただけの話です。
もちろん各行政機関など、個別の法律で「土曜日は休日である。」と規定されている場合もあります。
そうなると祝日法自体も改正して土曜も適用するようにしよう、という動きが出てきてもおかしくはないです。
しかし現実問題として、例えば一部の学校(私立)などでは土曜日も授業を行っています。
こうした学校は土曜も授業を行う前提でカリキュラムを組んでいるので、月曜日が振替休日になったら授業のコマ数が足りなくなって不都合が起きます。
そもそも民間企業も土曜日が休日と決まっているわけではないので、やはり土曜日の振替適用は一筋縄ではいかないのが現実です。