宇宙を漂流する天体は実に様々あります。

特に彗星については、古来より多くの人々に観測されてきました。

代表的な彗星にハレー彗星がありますが、長い尾をまとって光るその姿は、不吉なシンボルとしても有名ですね。





でも夜空を発光しながら落下するのは、彗星だけではありません。

代表的なものとして流星がありますね。

「流星が見える間に願い事を叶えば願いが叶う。」なんていう言い伝えも昔からあるほどですが、その姿はどことなく彗星にも似ています。


しかし正体を探ってみると、両者は全く違うものとわかりました!

さらに興味深いのは彗星と流星にはちょっとした意外な関係もあったのです。

彗星と流星、その違いと関係について詳しく見ていきましょう!


スポンサーリンク

彗星と流星の違いとは?



彗星と流星



まずはいきなり結論からになってしまいますが、ざっくりと違いについて紹介します。

  • 彗星は太陽系を周期的に周回する小天体、大きさは1~10kmで氷や岩石で出来ている
  • 流星は数mm~cm程度の塵が、地球の大気に衝突し突入した際に発光する天文現象のこと



一言で説明しますとこうなります、大きさも正体も全く違うものでしたね。

そもそも彗星は小天体ですが、流星というのは星ではなく天文現象です。意味するところが全く別ですね(笑)

彗星について解説!

彗星について言えば、何と言っても特徴的なのがその長いです。

長さで言えば本体の何倍以上にもなりますが、観測史上最長を誇るのが百武彗星の5億7000万km、何と太陽よりも長くなりました!

彗星は観測されると長い尾をまとって光っているように見えますが、彗星自体は発光していません。


彗星は岩石や氷、塵で出来ているのですが、太陽に近づくと徐々に高温になり蒸発していきます。

この時蒸発した物体が気体となって彗星の周りを覆うのですが、太陽風と太陽からの放射圧によってその気体が太陽と逆向きに伸びます。

これが尾の正体です。



流星について解説!

流星(または流れ星)とは、塵が地球の大気に突入した際に高温となって気化し、一瞬だけ発光する現象のことです。

時間にして約1秒ですが、願い事なんか言える暇なんかありません。一体なぜこんな言い伝えが広まったのでしょう(*_*)

誤解されがちですが、大気との摩擦熱で燃えて光るというわけではありません。


また発生する場所についても上空50~100kmで、宇宙空間で起きる彗星と違って、こちらは完全に地球圏内です。

仮に彗星規模の小天体が同じ場所に来たら、甚大な被害が及ぶでしょう。

因みに英語では彗星がcomet、流星がmeteor(またはshooting star)となります。FF好きな僕からしたら、meteor(メテオ)の方が最強魔法のイメージが強いので、少し驚きです。

また一昔前に放送されていた人気アニメ『聖闘士星矢』でも、主人公星矢の必殺技として“ペガサス彗星拳”と“ペガサス流星拳”がありましたね。

彗星拳はアニメ後期になって登場しましたが、やはり威力は彗星拳の方が強かったです(笑)

因みに流星はたまに“火球”とも呼ばれますが、正体は一緒です。

違いとしては明るさで、一般に-3から-4等級よりも明るい流星の事を指して言います。


隕石との違いとは?

稀にですが数m規模の岩石が、大気圏でも蒸発せずに、燃え残って地上に落下します。

この落下した岩石こそ隕石となります。

隕石=流星が燃え尽きずに残った物体というのは誤解で、隕石のもととなるのは、元々宇宙空間に漂流していた岩石がほとんどで、大きさも全然違います。


スポンサーリンク

流星群は彗星が関係?

彗星と流星の違いについて解説してきましたが、ここで気になるのは流星の正体となる塵がどこから来ているのかということです。

これについて調べてみましたら、実は流星と彗星の意外な関係性も見えてきました。


流星が良く見られるイベントと言えば、ご存知流星群ですね!

例としてペルセウス座流星群で解説しましょう!

ペルセウス座流星群とは、その名の通りペルセウス座γ星付近を放射点として出現する流星群で、7月の下旬から8月の下旬にかけて出現し、8月のお盆前後に極大を迎えます。

■放射点って何?

放射点(または輻射点)とは、流星群に属する流星が放射状に飛び出してくるように見える天球上の一点のことです。


ペルセウス座流星群の母天体は?

そもそもペルセウス座流星群は何故観測されるのでしょうか?

流星とは「数mm~cm程度の塵」ということでしたね。

つまりわかりやすく言えば、地球が7月の下旬から8月の中旬にかけて、無数の塵がある領域に突入しているから多くの流星が観測される、ということになります。


ではこの塵が大量にある領域は何から発生したのか?

これは先ほど解説した彗星の説明でも書きましたが、彗星が太陽に近づくと氷が溶けて、塵や岩石が気体となって蒸発し、尾のような形状になって放出されます。

もうおわかりになるかと思いますが、この彗星の尾から放出された塵が、流星の元となっています。

つまり「彗星は流星の生みの親」ということになるのですね!

実際ペルセウス座流星群の母天体となっているのが、スイフト・タットル彗星と呼ばれる周期彗星です。




この彗星の周期は133年、楕円軌道になっていて、その軌道上に無数の塵があります。

133年経つとまた同じ位置に戻ってくるのですが、今から25年前の1992年は最も地球に接近し、その年のペルセウス座流星群は平年より大規模だったようです。

まとめ

今回は彗星と流星の違いを詳しく解説しました!

改めて違いをまとめますと、

  • 彗星は大きさ数km規模の小天体
  • 流星は数mm規模の塵が地球の大気に衝突することで観測される現象
  • 彗星から放たれた塵によって流星群が観測される

となります。参考になりましたら幸いです!


どちらも貴重な天体ショーであることには変わりません。

観測出来るのは貴重な体験ですが、仮に両方同時に観れたら凄くラッキーですね!

天体マニアの僕からしてもその日が来るのを待ち望んでいます。


スポンサーリンク



こちらの記事もどうぞ!

北極星が動かない理由とは?実は周期的に変わっていた!

木星には地表がない?驚くべき内部の姿に迫る!