学校の理科の授業で太陽系にある惑星について学ぶ機会が出てきます。
太陽系にある惑星は地球を含めて8つありますが、内側から
水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星
と並んでいますね。
覚え方は先頭の漢字だけ取って、「水金地火木土天海(すいきんちかもくどてんかい)」になりますが、これだけ見ると何かと似ていませんか?
普段の生活で当たり前のように見かけるカレンダー。
実はカレンダーの曜日はよく見ると惑星のパターンにそっくりなんです。
日曜・月曜・火曜・水曜・木曜・金曜・土曜
日曜が“太陽”、月曜を“月”と考えると、全ての曜日が惑星と同じ漢字ですね。
言われてみれば確かにそうだ!これって偶然なの?
子供の頃から当たり前のように浸透している曜日の並びですが、改めて惑星との関係性って深く考えたことがありますか?
個人的にも凄く気になったので、今回は曜日と惑星の関係性を詳しく探っていきます!
曜日の英語名も学校で習うけど、実は惑星の英語名とは微妙に違うんだよね。一体何が由来なんだろう?
曜日と惑星の関係性とは?
冒頭でも紹介したように、カレンダーの火曜から土曜までの漢字が、惑星の火星・水星・木星・金星・土星の先頭の漢字と共通しています。
同じ漢字を共通するのは決して偶然ではありません!
調べてみると、やはり曜日と惑星は密接に関係していました。結論から言うとこうなります。
確かに曜日と惑星は関係していたのですが、これだけだとちょっと納得いき辛いですよね。
そもそも今の惑星の順番と、曜日の順番って全然違いますよね?
実は大昔の人々の考えた天体の動き方は今とは違っていました。また「天体が時間を支配する」という考えも、かなり特殊だったのです。
ここからそれぞれ順番に詳しく見ていきますね。
大昔の人々の天体観測について
今でこそ太陽系に8つの惑星があって、地球と同じように太陽の周りを回っているというのは有名なこととなっています。
その惑星は大昔から既に人々に存在が知られていましたが、その惑星の動きは今の時代とは違って「天動説」という考えに基づいています。
「天動説」については、学校の授業でも習う機会は出てきますが、簡単にいいますと、「地球を中心に他の天体が動いている」という考えです。
今では「地動説」といって、「地球を含む全ての惑星が太陽の周りを回っている」という考えですね。
要するに太陽が固定となっていて動かず、それを中心にして他の天体は動くということです。
だけど「天動説」は、宇宙の中心にあるのが地球という考えで、太陽ですら地球の周りを回っているということになっていました。
古代というのは天文観測の技術もろくに発達していないので、太陽が地平線の上に昇って、地平線の下に沈んでいる以上は、そう考えざるを得ないんですね。
しかし天動説では、地球以外の全ての天体が地球の周りを回っていることになるはずなのに、逆行したりするなど明らかに他の天体と異なる動きをする天体もあったのです。
今で言う火星や金星などがそれに該当するのですが、そのような天体は「惑っているように動く」星なので、“惑星”と名づけられました。
天体が時間を支配する説とは?
これらの“惑星”も古代から観測されていたのですが、地球を中心に考えているので、地球から遠い順に下のような順番で並んでいると信じられていました。
土星→木星→火星→太陽→金星→水星→月、という順番なのですが、よく見ると現在の一週間の7日と個数が一致します。
そしてここからが重要になってくるのですが、これら7つの惑星について、古代の人は7つの天体が1日24時間を1時間ごとに守護する、と考えていました。
この考えによると、一週間の最初の日の最初の一時間目は地球から最も離れた土星から始まり、次の一時間が木星、次が火星・・・といった順番で並びます。
一日目の最後の24時間目は、火星になります。
そして次の日の最初の一時間目は、火星の次の太陽に当たります。あとは前日と同じ順番で推移していく形です。
この法則で行くと、一週間の7日間の最初の一時間目は、
土星→太陽(日)→月→火星→水星→木星→金星
の順番となり、これは確かに現在の曜日の並びと一致しますね。
- 1日目:土星→木星→火星→太陽→・・・土星→木星→火星
- 2日目:太陽→金星→水星→月→・・・太陽→金星→水星
- 3日目:月→土星→木星→火星→・・・月→土星→木星
- 4日目:火星→太陽→金星→水星→・・・火星→太陽→金星
- 5日目:水星→月→土星→木星→・・・水星→月→土星
- 6日目:木星→火星→太陽→金星→・・・木星→火星→太陽
- 7日目:金星→水星→月→土星→・・・金星→水星→月
各日の第一時間目の守護星は、同時にその日の守護星になるので、その日を守護星の名を持って呼ばれるようになりました。
このようにして曜日が決められたことになります。
土曜日が週の始まりとなっていますが、これは古代ローマ帝国が土曜日を週の最初としていたからだとされています。
以上の考えは「プラネタリーアワー説」で提唱された起源です。
『ローマ史』を著したローマ帝国の歴史家カッシウス・ディオによって、提唱されたものですが、このような理屈で順番が決まったのかどうかは正直不明で、あくまで他に有力な説がないだけに過ぎません。
因みに古代の日本では『六曜』が用いられていましたが、明治時代にグレゴリオ暦が導入されて以降は七曜が一般化していきました。
現在でもカレンダーに記載されている「大安」とか「赤口」、「友引」とかが『六曜』に該当するね。
英語名だと少し事情が違う?
これまで曜日と惑星の関係性を詳しく見ていきました。
ところが英語の授業の知識を借りると、「あれっ?」と思いたくなる事実があります。
それは各曜日を英語表現と、惑星の英語名がほぼ一致しない点です。
曜日:英語名 | 惑星(天体):英語名 |
---|---|
日曜日:Sunday | 太陽:Sun |
月曜日:Monday | 月:moon |
火曜日:Tuesday | 火星:Mars |
水曜日:Wednesday | 水星:Mercury |
木曜日:Thursday | 木星:Jupiter |
金曜日:Friday | 金星:Venus |
土曜日:Suturday | 土星:Saturn |
ごらんの様になりますが、どうでしょう?
各曜日の英語表現が、惑星の英語名と一致しているのは日曜と月曜と土曜だけ。
他の4曜日はほぼ異なっています。
実は火曜から金曜までの英語名については、北欧神話の神々の名が採用されていることがわかりました!
火曜から金曜まで順に解説すると
- 火曜:北欧神話の天空神テュール(Tyr)
- 水曜:北欧神話の主神オーディン(Woden)
- 木曜:北欧神話の雷神トール(Thor)
- 金曜:北欧神話の女神フレイヤ(Freja)
となっていて、確かに各曜日の英語表記と綴り的にもほぼ一致しますね。
因みに土曜日のSaturdayは、ローマ神話に登場するサトゥルヌス (Saturnus)が由来となっています。
北欧神話の神々の名が用いられている理由としては、現在の英語名はドイツ語やオランダ語などのゲルマン語系に属するからです。
ゲルマン系は主に北欧、北米などといった地域に多い民族だから、北欧神話がそのまま引き継がれたということになるわけですね。
ただ北欧神話といっても、その多くの神々はローマ神話の神々と共通している部分は多いです。
それこそ上で紹介した4つの神々は、
- 北欧神話のテュール(Tyr)⇔ ローマ神話のマルス(Mars)
- 北欧神話のオーディン(Woden)⇔ ローマ神話のメルクリウス(Mercurius)
- 北欧神話のトール(Thor)⇔ ローマ神話のユピテル(Juppiter)
- 北欧神話のフレイヤ(Freja)⇔ ローマ神話のウェヌス(Vens)
といった感じで、ローマ神話の神々と同一視されている存在です。
こうしてみると各惑星の英語名と完全に一致するから、ちゃんと繋がっているんだね!
まとめ
今回は曜日と惑星の関係についてでした。最後までご覧いただきありがとうございます。
曜日と惑星とはやはり密接に関係していたことが、改めておわかりいただけたと思います。古代の人々にとって天体というのは凄く神聖なものだったんですね!
夏休みの自由研究などにも、ぜひ今回の記事の内容を役立ててみてください。
曜日の英語名の由来についても、神話との繋がりを意識すれば、一層知識は深まるよ!