国際ニュースを見ていると、いろんな国の首脳達や大臣が現れるイベントを目にします。
また今ではグローバル化も進んで、複数の外国語を話す人も珍しくありません。
そんなグローバルな世の中が進んだ昨今ですが、複数の外国語を話す人は「私は〇〇と〇〇と〇〇の国の言語が話せます」とアピールできると思います。
この時、「あれ、国ってどう数えればいいんだっけ?」と迷う場合も多いのではないでしょうか?
普通に「1国」とか「2国」とかって数えてたけど、違うの?
実は国の数え方にもちゃんとした言い回しがありました。
また言語を話すときには、少し注意が必要になってきます。詳しく見ていきましょう!
実は調べたらいくつもあったみたいだ
国の数え方は?
では結論から言いましょう。国(国家)の数え方ですが、
- 「○か国」(かこく)(二か国、三か国、五か国、十二か国など)
- 「○国」(こく)(1国、2国など)
- 「○つ」(一つ、二つなど)
の3パターンです。
ただし、どのパターンで用いてもいいということではなく、やはり国といえば1の「○か国」で数えるのが主流です。
国際ニュースなどでもよく耳にしますが、複数の国の間で会合や条約、協定を結ぶ時には「「○○か国」が参加」とか「「〇〇か国」が批准」などと表現します。
- 例1:TPPでは中国を含めると、「12か国(12かこく)」の多国間貿易協定となる
- 例2:気候変動抑制に関するパリ協定は「全196か国(196かこく)」が参加している
- 例3:G7は主要7か国(7かこく)首脳会議、G8は主要8か国(8かこく)首脳会議を意味する
このようにどの数字であっても、「か国」を使います。国を独立した単位として扱っています。
「○国(こく)」と数える時も
「か国」と数えるのが一般的ですが、例外的に「○国」と数える時もあります。
- 四国(しこく):香川県と徳島県と愛媛県と高知県の4県からなる日本の地域
- 三国志(さんごくし):中国の三国時代の歴史書
- 二国間協定(にこくかんきょうてい):ある特定の国同士で結んだ協定
- 十二国記(じゅうにこくき):小野不由美作のファンタジー小説のタイトル
- 十国峠(じっこくとうげ):静岡県東部にある山。昔ここから伊豆、駿河、遠江、甲斐、信濃、相模、武蔵、上総、下総、安房の十の国が見渡せたことに由来して名付けられた
書籍名や地域の固有名詞などに付けられるなど、あくまで限定的な用法ですが、こうした数え方もあることだけは覚えておきましょう。
因みにこの場合の読み方は「こく」です、「○くに」とは読まないので注意しましょう!
単に「○つ」という数え方もあり?
困ったときには、「国が一つ、二つ…」など「○つ」という数え方もあります。
この数え方はいろんな物に使えます。
ですが、あまり国に対してこの数え方をするのもなんか違和感がありますね。
例えば国際ニュースなどで「9つの国の首脳達が一同に会しました」とキャスターは言ったりしません。
国というのをまるで物扱いしている感が、どうしても出てくるからです。
この数え方をしていいのは、例えば国に関するクイズを出題された時。
「2021年日本より人口が多い国はいくつある?」と質問された、「10つ」と答えるのはまだ許容範囲内でしょう。
公式の場やビジネスシーンでは「か国」と答えたほうが良いでしょう。
英語での数え方は?
国を表す英語は「country」、「nation」などがありますが、いずれも可算名詞です。
すなわち複数形にしてOKなので、例えば「ten countries」、「ten nations」(10か国)のような表現になります。
※「nation」は「国土」よりも「国民」に重点を置いた単語です。同じ言語や歴史、慣習を共有している人々の集まりとしての「国」を意味しています。
言語を数える時は要注意!
複数の国の言語を話せる人などは、「私は3か国語を話せます」などとアピールすることがあるでしょう。
またTVの番組などでも「二か国語放送」などと書かれている場合は、日本語と英語などの主要な外国語で同時に放送されるという決まりになっています。
言語を話す時も「か国」って使うの?
しかし言語を話す時に、安易にこの数え方をするのは好ましくありません。
なぜなら、英語やスペイン語、アラビア語など、一つの外国語が既に複数の国々や地域で話されていることが当たり前だからです。
「私はアラビア語とスワヒリ語の2か国語が話せます。」というのは、アラビアとスワヒリという国があって、それ以外の国々ではアラビア語とスワヒリ語が話されていない場合に成立します。
でも実際にはアラビア語は中東の各国々で話されていますし、スワヒリ語というのはアフリカ東岸部の地域で国境を跨いで話されている言語です。
このように「1言語=1つの国」という枠組みに収まっていないのが、言語というもの。
日本語はほぼ日本でしか話されていない超例外的な言語であるため、日本ではどうしても言語を国の数と一緒に数えたがる人が多いです。(日本以外で日本語を公用語としているのはパラオのみ)
しかし英語に至っては世界中で話されている言語でもありますし、中国語ですら複数の国々で話されています。
以上の理由から、言語を数える時は単に「二つの言語」と「○つ」と数えるか、単に数字だけで「10の言語」などと数えるようにしましょう。
世界には何千もの言語があって、国の数より圧倒的に多いんだ!
まとめ
今回は国の数え方について解説してきました。それではまとめといきましょう!
- 国の数え方は、「か国(かこく)」と数えるのが主流
- 「四国」や「三国志」など「国(こく)」と数える場合もある
- 「一つ」や「二つ」という数え方はあまりしない
- 英語での数え方は、countryやnationを用いる。「ten countries」や「ten nations」など
- 複数の言語を話すときには「三か国語」とは言わず、「三言語」と数えた方がいい
言語の数え方は国と同じ数え方で言うのは違和感があります。そもそも言語は国ではありませんから!