夏の時期に食べるおいしい食べ物としてお馴染みなのがスイカですよね♪
筆者も子供の頃は何度も食べたことがあります、とにかくおいしくて夏の時期になったら毎年のように食べていました。食べ過ぎてお腹を壊したこともよくありました、今となってはいい思い出です!(^^)!
この夏の風物詩とも言われるスイカですが、大半の人にとっては食後のデザートとして食べることが多いので、「スイカ=果物」という認識が強いでしょう。
しかし巷では「スイカは野菜なのか果物のどっち?」という議論がありますね?
正直おいしければぶっちゃけどっちでもいいような気もします。
スイカが実は野菜だったら、果物コーナーには売れないですし、果物だったら野菜コーナーには売れません。でも実際のところスイカは八百屋にも売ってあります。
「白黒つけようじゃないか!」という人も出てくると思いますので、今回はスイカの基本情報を最初に解説しつつ、スイカが結局どっちなのか?
また野菜と果物の違いについても徹底的に考察していきます、ぜひご覧下さい!
スイカについての基本情報!
スイカが野菜か果物のどっちなのか?というテーマを始める前に、少しスイカの基本情報について紹介しましょう。
毎年夏の時期になると多くの人が食べるスイカでありますが、日本だけでなく多くの外国でも生産されている果物です。
原産地は熱帯アフリカのサバンナ地帯とも言われていて、日本には室町時代以降に伝わったとされています。
生物学的にはスイカはウリ科のつる性一年草という植物に分類されて、畑で実ることから園芸分野では野菜と定義されます。漢字で書くと西瓜となりますが、これは中国語が由来だそうです。
西の国から伝来したから“西瓜”と書くわけです、そのままですね(;^^)
実はこの「畑で実る」というポイントが凄く重要で、スイカのみならず他の作物もこのポイントで野菜か果物かに分けられる基準となります。
スイカは野菜なのか果物なのか?
ではスイカは野菜なのか果物なのか?という議論について詳しく書いていきますが、結論から申し上げますとスイカは野菜でもあるし果物でもあるということになります。
何というか凄く曖昧な表現ですね。厳密に解釈しますと、農林水産省の定義では果実的野菜と分類されています。
果実的野菜って何だよ?
なんか野菜なのか果物なのかどっちなんだと思うような言葉ですね、なぜこのような分類になっているのでしょうか?
このような分類になってしまった理由は、園芸分野と消費者の視点での違いが関係していたようです。
野菜と果物の違いは?
そもそも野菜と果物の違いとは何なのか?それについて簡単に解説していきます。
Wikipediaからそれぞれの定義を順番に解説していきます。
- 野菜とは一般的には食用の草本植物のことを指します。凄く簡単に言えば畑で栽培される植物全般という捉え方もできます。
- 果物とは食用になる果実のことで、強い甘味があり調理せずそのまま食べられるもの、樹木になるものだけを指すこともあります。
このような分け方がされています。

ただし野菜と果物の明確な分類方法は実はありません。ある作物を野菜か果物に分類するかは、園芸分野や生産分野、さらに生物学的な観点でも違ってきますし、国や地域によっても意見が分かれるものです。
農林水産省のページによると、主に以下の特徴があるものを野菜と定義しているようです。
- 田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別することが多い)
- 副食物であること
- 加工を前提としないこと(こんにゃくのような加工を前提とするものは野菜としていない。漬物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は加工に含まない)
- 草本性であること
引用元:野菜と果物の違いを教えてください。また、すいか、メロンは野菜、果物のどちらですか。
この定義で考えますと、スイカは畑で実ることから野菜であると結論付けられます。
しかし普通に考えてスイカを野菜のように食べている家庭ってないですよね?
スイカは赤い果実の甘味がおいしく、食後のデザートや間食として召し上がる人がほとんどだと思います。
そのため生産者側の観点から考えれば野菜となりますが、実質的にはほとんど果物として扱われているので、果実的野菜ということになるわけです。
なぜ野菜-果物論争がのぼりがちなの?
そもそも日本で「スイカが野菜か果物のどっちなの?」という論争が起きたきっかけは明治時代にあります。
簡単に言いますと、海外から持ち込まれたメロンという果物ですね。
このメロンが海外、欧米ではフルーツ、すなわち果物という扱いでした。
しかし当時の日本では、畑で実る作物が野菜で木で実る作物が果物、という基準で分けられていました。
要するに栗や胡桃、梅など甘くない果実も全部果物だったのです。
その定義で考えますと、メロンは畑で実るから野菜だろうと考えられたのですが、なぜか欧米人はそれを果物と認識していました。
欧米人の間ではメロンやイチゴなど、甘くて水分が多い果実は食後のデザートとして食する、というのが一般的でした。
そして「食後のデザート=フルーツ」として区別するようになったため、日本人と認識が異なってしまったのです。
また単純に貿易面でも不利にならないような狙いもありました。
実は欧米では、メロンやイチゴなどのフルーツではなく、むしろ「トマトが果物ではないか?」という論争が強かったのです。
これが日本人からしたら凄く違和感ですよね?「トマト=果物」とは想像しがたいでしょう。
この「トマトが果物ではないか論争」の発端は、アメリカとの貿易で生じる関税が関係していました。
150年ほど前では、アメリカとの貿易で野菜の輸入には関税がかけられて、果物の輸入には関税がかけられませんでした。
このことが関係していて、トマトを果物として扱う国が増えて関税を免れようとしたのです。
未だに海外では、「トマトが野菜か果物か?」で論争する人が多いみたいです。ちょっと意外ですよね。
貿易面で関税がかからないという事実が、大きな理由かどうかはわかりません。
しかし果物として扱った方が海外の人との認識の違いも発生しないので、仕方なく果物として扱うようになった、という側面も考えられます。
バナナやパイナップルも野菜?
さらに詳しく調べてみたら驚くべき事実もわかりました。
実はスイカやメロン、イチゴだけでなく、バナナやパイナップルも野菜として定義されちゃいます。
バナナやパイナップルは熱帯地方などでよく実る超人気の果物ですが、これらは全て草本性の植物だったのです。
パパイヤは沖縄やタイなど一部の熱帯地域では実際に野菜として調理されていますが、バナナやパイナップルまで野菜扱いだなんて意外ですよね。
この記事では細かい説明は省きますが、言ってみればこれらは全部、「でかい草から実っている!」という捉え方もできます。
おまけ:スイカに関するその他の豆知識
今回のメインテーマはスイカが野菜であるか果物であるかという内容でしたが、最後にスイカにまつわるその他いろいろな雑学系な知識を紹介します。
- スイカの果肉の約9割は水分
- スイカは秋の季語としても使われている
- 欧米で普及しているスイカは主に楕円形
- “ゴジラのたまご“という名前の品種がある
- スイカの生産量一位の国は中国、日本で一位の都道府県は熊本県
- 収穫直前に大雨が降ると内部にガスが生じて爆発することがある
- 果肉が黄色い品種もある(黄太郎、富研クリーム、イエローキッズなど)
いろいろ面白いネタがあって凄いですね、スイカは奥が深い果物です!
まとめ
今回の記事をまとめますと、スイカは野菜でもあり果物でもある果実的野菜として分類される、ということでした。
逆に言えば「スイカは野菜!」、「スイカは果物!」とどちらかだけに断定するのは間違いです。
友達や家族などが「スイカは果物じゃなくて野菜なんだよ。」といっても、それは正確ではないので誤解しないようにしましょう!
もちろん大半の人にとってはどうでもいい知識かもしれません。だけど家で園芸をしている方がいて、実際にスイカを育てようとするなら、この考えは知っておいた方がいいですね。
スイカを自宅で栽培してみたい方は、以下の記事をぜひご覧ください!