今やスマホでゲームをするのは当たり前になってきました。
そんな現在では、特に若者の間で多くのソシャゲがプレイされており、毎年多くのゲーム会社で新作ゲームがリリースされます。
筆者もコンビニでゲーム雑誌を読んでどういったタイトルがリリースされるのかよく確認します(;^^)
しかし新発売されるゲームアプリの「無料お試し版」が、リリース前に公開されていることがありますよね?
これらの無料お試し版はα(アルファ)版とかβ(ベータ)版という言葉がゲームタイトル名についていますが、このαとβって何がどう違うのでしょうか?
僕が最初にこの文字を見たのは、2年前にとある新作ゲームをプレイしていた時でした。
生粋のゲーム好きで且つゲームの開発事情についてもある程度勉強していた自分にとっては、これらの言葉の意味がとことん気になったものです。
ということで今回はまだゲームの世界に足を踏み入れたばかりの方向けに、α版とβ版の違いについて詳しく解説します。これを知ると新作ゲームの開発状況が、どのくらい進んでいるかも理解出来ちゃいますよ♪
α版とβ版の違い
ゲーム雑誌などで新作ゲームの情報を追いかけていると、この2つの言葉を聞く機会があると思います。
といった感じで、雑誌に掲載されていたりしますね。
またゲームアプリ以外でも、パソコンのフリーソフトウェアの無償版としてα版とβ版が用意されていたりします。
では改めてどういった違いがあるのか、簡単に申しますと
- α版は、ソフトウェアの開発初期版、未完成の部分は多いがゲームとしては動く
- β版は、ソフトウェアの正式版の直前版、ゲームとしてはほぼ完成している
こういった感じになります。
もっとざっくり砕けた感じで説明しますと
- α版はゲームとしては一応動くけど、作ったばかりだから未完成の部分も多いし、バグも多くて完成には程遠いよ
- β版はゲームとしては一応ほぼ完成したけど、まだバグがあるかもしれないから製品としては出せないよ
となります。
要するにどちらも製品版ではないのですが、順番としてはα版→β版となって、最後に製品版となるわけです。
またβ版の次にまだ不安があるとして、製品候補版(RC)を挟んで正式に製品版をリリースすることもあります。
α・βとつける意味は?
αとβはギリシャ文字で、これはアルファベットのaとbにあたります。
「なぜαやβなんて文字を使うの?」
と疑問を持たれる方もいるでしょうが、簡単に言いますと、ソフトウェアのバージョン管理における大きな括りの単位を表します。
今でもソシャゲをプレイしているとたまにアップデートが来たりしますが、
- 「Ver.7.1.1」にアップデート!
- 「Ver.13.6」にアップデート
という感じで告知されますよね。
ここで注目してほしいのは、小数点以下の数字がアップデートごとに上がっている点です。当然数字が大きいほど、改良や修正を加えられたバージョンとなります。
開発環境時においても製品版が出る前は、こんな感じで数字が上がっていくのですが、製品版との違いは小数点以下の数字が桁数が多いことです。
リリース前はリリース後に比べても数えきれないくらいのバグや不具合が検知されます。
そうなると修正や改良を重ねる回数が増えます。専門的に言いますと、プログラミングでビルドをする回数だと思ってください。
この修正や改良を一定回数重ねた後で、出来上がるのがα版なりβ版になるわけです。
わかりやすく数字で例えますと、バージョンの数字が0.99から1.00、1.99から2.00など、1の位の数字が大きく変わった時がα版なりβ版の変わり目ということです。
ただし製品前なので1の位の数字ではなく、小数点で下の方の数字を基準にした時となります。具体的に小数点3位の数字を基準にすると、
- バージョン数字が1.0000~1.0009まではα版
- バージョン数字が1.0010~1.0019まではβ版
- バージョン数字が1.0020~1.0029までは製品候補版
- バージョン数字が1.01~が正式な製品版(小数点3位以下の数字を省く)
という感じです。もちろんこの基準は会社や仕様ごとに異なってきます。
ビルドの回数や小数点以下の数字を言われても、関係者以外だとピンと来ないので、わかりやすくα・βと表現していることになります。
一般に公開されることが多いのはβ版!
α版もβ版も製品版ではないのですが、一般に公開されることが多いのはβ版の方です。
α版が公開されることはほとんどないのですが、その理由はα版は開発の初期の段階なので、一応動作としては動くけれど、あまりにも不安定な動作になったり、最悪クラッシュするバグがあるためです。
これを一般公開してしまうと、一般ユーザが使用するパソコンにも悪影響を及ぼす危険性があります。そのためα版はほぼテスターや開発者向けの版と言えます。
つまり「あくまでこういった感じのゲームですよ!」と知らせるために出しているに過ぎません。
ただ最近では多人数で参加するオンライン型のゲームが主流になってきました。
そのため少人数限定でα版のオンライン機能のテストを、負荷テストの意味合いも兼ねて行うことが多いです。
※因みにテスターとは、実際にリリース前のゲームやソフトウェアの動作を検証する人で、アルバイトの職種欄にも立派にあります。興味のある方はどうぞ!
タウンワークのゲームテスターアルバイト特集
β版のテストはオープンに!
α版で実際に触ってみた使用感をヒアリングし、不具合の検証と修正を行った上で、その次のβ版を作成して配布するというのが一般的なゲーム開発の流れです。
そのためβ版の方がより製品版には近くなっています。
※また新作ゲームやソフトウェアではなく、既存のバージョンの大型アップデート版を正式にリリースする前もβ版と捉えることができます。
β版でもまだまだバグが多いのは事実です。
大量にあるであろう未検知のバグを見つけ出すために、敢えて一般に広く公開して無料もしくは非常に安価な価格で提供して、多くのユーザにバグを報告してもらうといった流れになります。
もちろんバグの検知も大切ですが、それ以外にも
- 単純にゲーム全体の使用感が悪くないか?
- そもそも難易度が高すぎないか?
- 法律や倫理に反する内容が含まれていないか?
といった点も修正される可能性があります。
ユーザーフレンドリーを大事にして、ユーザー目線に立てているか?というのは、製品を開発する側は気にしないといけません。
それ以外にも一般ユーザがよりβテストに参加しやすくするために、参加したユーザ限定で特典アイテムが配布される場合があります。
遊んでみたい新作ゲームがあったら、ぜひ参加してみてはどうでしょう♪
β版のデータは引き継げる?
特にソシャゲに精通している方でしたら、気になる新作ゲームアプリのβ版が配信されたらプレイしたくなりますね。
最近では株式会社トライフォートが開発したゲーム「GooMe(グーミー)」のオープンβ版が配信されています。
バーチャルライブ配信アプリ「GooMe」オープンβ版が配信開始、視点操作機能など追加
MMORPGが主流になってきた昨今では、このオープンβと無料であることを利用して大量のユーザを獲得する狙いもあります。
スマホゲームの事前登録の意味やメリットは? ガチャも回せる?
ですがここで気になるのは、製品版が登場した後にβ版のデータが引き継げるのか?という点ですね。
この答えについてですが、残念ながら「基本的には引き継げない!」ということになります。
β版でもガチャでアイテムを入手したりや育成もできちゃいますが、製品版だとそもそも仕様がガラリと変わってしまう可能性があること、またオープンβをプレイしていないユーザからしたら、大変不公平であることが大きな理由です。
基本的にβ版のデータ移行や引き継ぎはできない、ということを念頭に置いて、あくまでお試しプレイだという認識は持っていてください!
製品候補版とは?
β版が終わったら即製品版に移行するのか?
と言われればそうならないパターンもあります。
β版にはα版にはなかった項目が増えていることから、α版よりもバグの数が多くなっていることが多いです。
そのため十分にテストや改良が行われたとしても、「まだ不十分だな。」と開発側で判断された場合には、より製品版に近づけた製品候補版(リリース候補版、RC版とも言う)を提供することがあります。
製品候補版は基本的にはβ版で見落とされた重大なバグや欠陥を、多くの人々に利用して発見してもらうのが目的です。
バグが発見され修正する度に、再度修正した候補版を提供することになりますが、その場合は、
RC1→RC2→RC3→···
といった感じで、番号が付加されていきます。
特にマイクロソフトのような巨大な会社は、このRC版で初めて提供されるソフトウェアも少なくないようです。
まとめ
今回はα版とβ版の違いを詳しく解説してきました!
アプリゲームの開発の過程が簡単にですが、これでご理解いただけたと思います。
ハングアップやクラッシュ等のバグや不具合を放置するわけにはいかないので、 開発側は常にバグの発見に神経を尖らせないといけません(;-_-)
そのためにβ版やRC版を一般公開して、より多くの人にいろいろな感じで触ってもられえれば会社側で補えなかった検証も出来ますし、一般の利用者側も発売前にどんな製品なのか体験できるメリットもあります。
しかし注意すべきは、いずれも正規製品ではないことです!
しかも無料で使えるので、不具合などの影響でパソコンやスマホが正常に動かなくなるといった事態が起きても文句が言えません。
そのためダウンロードして使う場合は最新の注意を払いましょう!