受験生が抱える大きな悩みの一つが、勉強中になかなか集中できないことです。
受験生にとって集中できる環境は必要不可欠!そのために身内や友達など、周りの人達の配慮も必要になります。
中には静かな環境を求めて、有料の自習室を使って勉強する生徒さんも少なくないですね。
ですがどれだけ静かな環境で勉強しても集中を阻害する要因はつき物で、その代表格がスマホでしょう。
10代の間でもスマホを所持するのは当たり前になってきましたが、そもそも受験に集中するためにはスマホは封印すべきでは?という声も根強いです。
果たしてスマホを封印することが本当に良いのか悪いのか?
また封印するとしたら、どう対処したら良いのか?
お悩みの方はぜひ参考にしてみてください!
スマホは封印すべきか?
結論からいきなり厳しいことを申し上げますが、受験生でスマホの使用は封印するべきだと考えます!
これは僕自身も経験していることですが、現在のスマホはLINEやネット、ソシャゲなどありとあらゆる面白コンテンツが備わっています。
正直小型のパソコンのような感じです。いつでもどこでも触れるという手軽さゆえに、手放せない人は多いでしょう。
ただし受験勉強時にスマホでネットを見まくったり、ゲームをしたりするとハッキリ言って集中できません。
内閣府が2016年に行った調査によると、現在の高校生のスマホの利用時間は1日平均約3時間もあるとされています。
これはガラケーが主流だった7年前と比べても2倍以上の数字です、正直驚きました(;^^)
僕の時代はまさしくガラケーが主流でしたが、それでも携帯型ゲームはありましたし、パソコンも徐々に普及し始めた頃でした。
同級生のゲームの会話を聞いて、「ゲームしたいなぁ」と何度も思いましたね(;^^)
スマホはガラケーよりもスペックが高く、より高性能で面白いゲームや機能が満載です。そりゃ遊ぶ時間も増えますよね。
これだけスマホを触る時間も多いとなると、必然的に学力低下の懸念があります。
例えば仙台市と東北大学でつくる研究グループが、市内の中学生を対象に行った調査では
- 勉強時間が2時間以上の場合
- スマホを全く触らない生徒:数学の平均点が約75点
- スマホを3時間以上触る生徒:数学の平均点が約60点
- 勉強時間が30分未満の場合
- スマホを全く触らない生徒:数学の平均点が約60点
- スマホを3時間以上触る生徒:数学の平均点が約50点
という結果が得られました。
勉強時間が30分しかなくてスマホを全く触っていない生徒と、勉強時間が2時間以上もあるのに3時間以上もスマホを触る生徒の平均点がほぼ同じなのです。
この結果だけ見てもわかるように、スマホの利用時間が多いほど学力低下の傾向が強いのです。
もちろん全ての地域で同じような結果が得られるとは限りませんが、少なくともスマホの利用時間が多いと勉強時間はその分減るのは事実です。
時間は全員平等ですからね。
受験生にとってスマホは天敵とも言っていいですが、それでも何とかして対処しないといけません。
他の生徒と差を広げるためにも、スマホの誘惑に負けてはいけません!
スマホを封印するための方法は?
合格するためにスマホ断ちをしたいけどどうしてもできそうにない!
という生徒はどう対処すればいいのでしょうか?その方法について具体的にいくつか解説していきます!
友達同士で協力する!
自分1人の力でスマホを封印するのが辛いと思う生徒は多いでしょう。
特に昨今はLINEが普及して、友達とグループで会話する機会も多くなってきています。
スマホを封印してしまうとLINEも出来なくなってしまいますね。
もちろん志望校に合格したいのならそんなこと気にしてはいけないのですが、やはり友達思いが強くなるとそうなっちゃいます。
この時自分だけ封印するのが申し訳ないと思うのなら、思い切って友達も巻き込んでしまいましょう。
お互いに「志望校に合格するまではスマホを絶とう!」と約束すれば、連帯責任が生じて嫌でもやる気が出ます(;^^)
志が高い生徒は志が高い生徒と協力し合うべきです、なによりLINEのやり取りもなくなりますので一石二鳥です。
スマホを離れた場所に置く!
勉強する時にスマホがあっては集中できない、というのならスマホを離れた場所に置きましょう。
例えば自宅で自分の部屋が2階にあったら、思い切って1階に置くようにします。
とにかくすぐ目につきやすい場所、すぐ触れるような場所に置かないことです。「スマホが気になる」という精神状態をまずなくしましょう!
スマホをロックするアプリを使う!
標準で搭載されているスマホのロック機能ではなく、あくまで受験生向けに作られたアプリです。
例えばAndroid端末なら「スマホ依存タイマー」、iPhoneなら「Flipd」などを活用しましょう!
文字通りスマホをロックして使えなくするアプリですが、普通のロックと違うのは、時間とパスワードを設定すれば決められた時間までロックされ、ロックを解除したら、何時間スマホの使用を我慢できたか記録されます。
つまり「どれだけあなたはスマホの使用を我慢できましたか?」ということを試されるわけです。
たったその時間しか我慢できなかった時の反省と対策もしやすくなります。
『スマホ封印太郎』を使う!
これは漫画『ビリギャル』で有名な坪田先生が監修している商品です。
上の商品は、文字通り袋の中に入れてシールを貼って完全に封印し、物理的にスマホに触れなくしたものです。
「〇〇日までスマホを封印する」と書く宣言シートもあって、それを表に貼り付ければ手に取った時に、その文章が目についてやる気を取り戻させます。
神社の絵馬をイメージして作られたもので、最近は親や友人が受験生にプレゼントとして渡すことも増えてきました。
逆に言うとそのくらいスマホは受験生にとって、悩みの種となっていることですね。
親が思い切って取り上げる!
これはやや強硬的でほぼ最後の手段なんですが、親が思い切って取り上げる手もあります。
もしくは「勉強しなければスマホを解約する!」と約束させます。
さすがに合格することを条件にするのは酷なので、まずはスマホに向かわず頑張る姿勢にさせる、ということが必要です。
子を思いやる親の気持ちが強いほど、こういった行動には移しにくいかもしれません。
しかし将来のことを考えても、ここで甘やかしては絶対に子供のためにならないと思って決断しましょう!
スマホを封印する以外の方法はない?
本来はスマホを封印するのが一番いいのですが、「どーーしてもできない!」という頑固な受験生もいるでしょう。
確かに無理してスマホを制限しても、逆にストレスが溜まってしまいます。使用を制限するという行為自体、スマホが気になって仕方がない証拠です。
一番いいのは、それこそスマホが近くにあっても気にせず勉強に集中することです。「ないと困るが、あると集中できない!」という気持ちの人よりも、
- あっても別に気にはならない。
- 勉強が終わってから適度に触る。
という意識の方が、スマホに対してほどよい距離感を保てている証拠ですからね。
スマホを封印しなくても問題ないようにするには、次に紹介するようなやり方で勉強するのがいいでしょう。
- 1日に設定したノルマの分だけ勉強する
- 受験用のツールとして活用する
具体的にどんな感じでやればいいのか、順番に解説していきます!
ノルマだけ達成できれば問題ない?
いくら志望校に合格したいからと言っても、1日中ずっと勉強し続けたらばててしまいます。
今のご時世勉強時間よりむしろ質の方が重視されます。
つまり効率よく勉強すれば、時間は少なくても大丈夫なのです。
そのためには1日ごとにどこまで勉強するか?ノルマを設定することです。
例えば
- 物理の問題集で1章分だけ問題を解く
- 志望校の過去問を2年分解く
- 英作文の問題を10問解く
といった感じで、時間ではなくあくまで量で決めるようにし、1日にそのノルマを達成すれば後は遊ぶようにします。
適度に気分転換も混ぜてメリハリをつけられるようになれば、スマホを封印する必要などありません。
もちろんノルマを達成するまではスマホは触ってはダメです。また仮にノルマを達成した後でも“無制限に”ということも避けた方がよくて、せいぜい1時間までに収めるとか、生活のリズムを壊さない範囲にしてください。
逆に受験期間中にスマホを完全に封印したら、受験が終わった後できっと爆発してしまうでしょう(;^^)
またスマホを封印したら別の遊び(漫画や携帯型ゲームなど)に向かってしまう可能性もあります。
何より大事なのはスマホと適度な距離を保つことです。そのためには次に紹介するやり方でスマホを活用するのもアリでしょう。
スマホを受験用ツールとして活用する!
スマホは簡単にネットに繋がりますが、それを活かして受験用のツールとして使ってみるのもいいでしょう。
今では受験勉強に役立つ情報がネットで検索するといろいろあります。
例えば旺文社による「大学受験 パスナビ」というサイトでは、全国各地の大学の入試情報だけでなく、過去問も沢山あります。
他にもEvernoteなどを駆使して、自分のノートでメモした重要な部分を保存して後で閲覧するのもいいでしょう。
またどうしてもSNSを駆使したいなら、勉強用アカウントをTwitterなどで作成して、それで受験生の自分を演じるようにしましょう。
実はこうした勉強用アカウントの作成が、受験生や資格取得を目指す人達の間で流行っているようです。
受験勉強はどうしても孤独な戦いになりがちです。
そうした孤独な戦いの中では、リアルな関係とは別にSNSで交流し励まし合うことが大事になります。
「頑張っているのは自分だけじゃない!」という意識になりモチベーションアップにも繋がります。
ただしこうしたSNSの活用もほどほどにするようにしてください!
生活の中心はあくまで受験勉強だという意識は持っておきましょう!
またこの場合での使用はあくまで受験勉強のために使うというのが主な目的なので、勉強が1日のノルマ分終わったらその後は上で紹介したスマホをロックするアプリを使用して、封印するのがいいでしょう。
まとめ
今回はスマホを封印するための具体的な方法や、活用術についての紹介でした!
スマホを封印しての勉強は最初は辛いかもしれませんが、徐々に慣れてきてスマホがない環境でも苦にならなくなるでしょう。
人間はなんだかんだで慣れる生き物ですからね。
また今回のスマホ対策は何も受験生に限った話ではありません。
受験が終わった後の人生でもスマホを使う機会は多いと思います。
もしかしたらスマホではなく別の新しい情報端末が出ている可能性も高いですが、将来的にそうした機器に依存しないためにも、早い段階からスマホへの依存症を克服することが大事です。
生活がスマホに支配されるようでは、就職してからもかなり不安がありますよ。特に社会人になった後でも、職場にスマホを持ち込んではいけなかったりしますし、資格を取得する際にもスマホは天敵となります。
社会人になると仕事が忙しくなって中々勉強時間を確保することが難しくなります。しかし一工夫すれば1日30分から1時間程度を確保することは難しくありません。何より休日も勉強時間を確保すること、勉強する場所を変えたり、朝の時間を早めれば、かなり差を拡げられます!
やはり大事なのはスマホに対して適度な距離を保てるかどうかです。
それが出来るようになるほど意志が強くなれば、合格する可能性もグンと上がるでしょう。