季節も秋真っ盛りでこれから徐々にですが寒くなっていきます。真冬の季節になれば北国では雪が降りますが、全国的に氷点下の気温になる日もたまに訪れます。

そんな極寒の季節に天気予報を聞くと”放射冷却現象”という言葉をよく耳にすると思います。毎日天気予報を欠かさずチェックしている人ならば何度も聞いたことはあるでしょう。

真冬の時期特有の自然現象として知られていますが改めてどういった現象なのか、また何が原因で起きるのか、わかりやすく解説していきたいと思います。ぜひご覧ください!

 

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放射冷却ってどういう意味?

放射冷却現象とは、真冬の早朝に起きる特有の気象現象ですが、そもそも放射冷却とはどういう意味でしょうか?

これは高温の物体が周囲に電磁波を放射して温度が下がる現象のことを意味します。

 
実は身の回りのあらゆる場所で見られる現象ですが、特に熱くなった金属を放置したらすぐに冷めてしまうのも一種の放射冷却です。

ただこの用語をよく聞くのは主に天気予報の時くらいでしょう。気象現象としての放射冷却現象とは地面の温度が下がって気温が急激に下がる現象のことを指します。

一番起きやすい時期としては1年で最も寒い12~2月の時期です。あまりにも気温が低下するので、低温注意報や霜注意報が発表されたりもします。

 

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放射冷却現象が起きる条件とは?

では放射冷却現象がいつどのような条件下で起きやすくなるのか、なぜ冬の時期特有の現象なのでしょうか?

詳しく解説しますと、物理学でいうプランクの法則が関係しています。プランクの法則とは電磁波を吸収した物体のエネルギーの法則を数式を用いて解説した理論です、もちろん難しい話になるのでここでは省略させていただきます。

このプランクの法則によると電磁波を放射する全ての物体は温度が下がり、放射を受けた場合は温度が上がります。つまり昼間太陽の光を浴びた地面は、電磁波を吸収していることになるので温度が上がりますが、夜になると太陽光(電磁波)がなくなるので放射して温度が下がり続けます。

この時に空に雲が漂っていれば地面から放射された熱を吸収してくれるので地表面の温度低下が妨げられますが、雲がなく快晴だった夜間だと熱を留めておく要素がなくなるので地表面はどんどん冷えていきます。

 
この雲がなく快晴である夜が多いのが冬の特徴です、冬の明け方の冷え込みが激しいのはこのためです。夏の時期は晴れていれば気温は上がりやすく雨が降っていれば涼しくなりますが、冬の時期は逆で雨が降っている方が若干暖かく感じます。

もっとわかりやすい例で言えばご家庭のお風呂を想像してみてください。お風呂に溜めていたお湯は一晩おいておきますと冷えてしまいますが、蓋を閉めておけば熱を閉じ込めて次の日でも温かいままです。

これと同じことが宇宙と地球で起きているという感じですね、お風呂のお湯は地表面、蓋は雲だと想像すればわかりやすいでしょう。

 
また放射冷却現象は水蒸気が発生しにくい乾燥した日に起きやすい現象ですが、降水量が冬になると減る地方や内陸部ほどこの現象は起きやすいと言えます。

 

放射冷却で蒸気霧も発生!

冬特有の現象として知られる蒸気霧も放射冷却現象が関係しています。

真冬の時期に河川や海沿いを歩くと見られる光景ですが、霧が発生していることがありますよね?

あれは放射冷却によって地面付近の空気が急速に冷却されて、空気が露点温度に達したことが原因で発生します。ストーブや暖房で暖めた室内の窓に結露が発生するのと同じ原理ですが、川や海など暖かい水に冷たい空気が接することで蒸気霧が発生するということです。

この現象は日本の多くの地域で見られます、真冬の時期限定の光景ではありますが、幻想的な光景を楽しめます。さらに河川だけでなく木々に霜が降りる樹霜が発生することもあります。

もし興味があったり、写真に残しておきたいという方はぜひ川や海岸沿いに立ち寄ってみてください、ただし寒すぎる日にしか起きないので当然防寒対策は忘れずに!

 

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