多くの人が使っているパソコンの性能を決めるのはCPUですが、CPUの性能を決める上で最も大事になるのが周波数となります。

CPUの場合は、クロック周波数と呼ばれる特殊な波形をした周波数となっています。

パソコンの商品説明欄でCPUの横に「○○GHz」という感じで記載されている数字ですが、家電量販店などでパソコンを購入する際にも多くの人が目にすると思います。

ただこの数値が高いとどうなるのか?パソコン初心者にとってはそこをイメージするのが壁となりますね。





何となく「数字が高い方が性能がいいんじゃない?」と想像できるかもしませんが、なぜ数字が高いほど性能が高くなるのか?

その理由を具体的にイメージできている人は何人いるでしょうか?


僕の場合は大学時代に情報学を専攻としていましたが、その課程で履修する科目で、パソコンのCPUとクロック周波数について詳しく学ぶ機会がありました。

それまではそんなこと微塵にも意識しなかったですが、そこで得た知識が大人になった今でもかなり役に立っているなと実感していて、今では自分が狙った性能のCPUを選べる様になりました。

今回は昔の僕の様なパソコン初心者さん向けに、クロック周波数とは一体何なのか、画像なども交えて分かりやすく解説していきます。

この記事を通して、CPUについての知識をより深めましょう!
 

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クロック周波数の意味とは?

クロック周波数というのは、一言で言いますとCPUの動作周波数のことで、1秒間に何回の信号が発生するかを数値化したものです。

例えば上の画像で示したCPUの周波数は3.7GHzになりますが、これは1秒間に37億回の信号が発生しデータを処理することが可能だということを意味します。

単純に考えればこの数値が高ければ高いほどCPUの性能が高い、すなわちパソコンの性能が高いということになります。

【クロック周波数は一昔前に比べて大きく進化した!】

パソコンに搭載されたCPUの周波数の数値は昔と比べて飛躍的に増加しています。

パソコンが一般家庭に普及しだした1990年代後半の頃は周波数が数百MHzがほとんどでしたが、最新のWindows製のパソコンに搭載されたIntel Core i7のクロック周波数が3~4GHzにまで進化しました。

またスマートフォンでもほぼパソコンの性能に近い数値になっていて、最新機種のiPhone Xに搭載されたApple A11が2.40GHz以上になっています。

クロック周波数をよりわかりやすく言うなら、車の速度だと思ってください。

速度が大きい車ほど短い時間でより遠くまで移動できますよね。

最高速度が100kmまで出せる車と80kmまでしか出せない車で、同じ距離を同じ時間走った場合、信号待ちや渋滞などがなければどちらがより早く目的地に着けるかは明白ですね。

パソコン内のデータの転送もこれと同じで、要は短時間でより多くデータが転送でき処理できるのが速度が大きい方、即ち周波数が大きい方になるのです。


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そもそもクロックとは?

クロック周波数云々の前に、「そもそもクロックって何?」と疑問に思う方も出てくるでしょう。

唐突に出てきた言葉ですが、これはコンピューターにおける周期的な信号のことです。

 
より具体的に解説しますと、パソコンの世界ではあらゆる情報は「0」と「1」という2つの数字によって表現されるデジタル信号として流れます。

一般的に想像する「」というのは下のような滑らかな波形を描いていますが、これはアナログ信号です。ラジオの電波はこの形をしています。

ところがデジタル信号はアナログ信号と違って滑らかで綺麗な波を描いておらず、下のように1と0で凸凹したような形になっています。

1の時が出力”オン”、0の時が出力”オフ”となります。

クロックとはこの1と0が周期的に続く信号のことで、波長の山(1)と谷(0)で1クロックを成します。

【どのようにしてクロックを発生させるのか?】

0と1の周期的なデジタル信号を規則的に発生させるために必要となる装置が水晶振動子となります。

水晶振動子とは難しい言葉ですが、要は水晶(石英)に圧力を加えて発生させた電荷で高い周波数の発振を起こすことが出来る素子のことで、コンピュータ以外にもクォーツ時計や無線通信などにも用いられています。

 
CPUのクロック周波数とは1秒間に何回オンが出てきたかを表します。図で解説しますと以下のようになります。

ご覧のようにクロック周波数が高いほど波の間隔が短いのがわかりますね。

下の波の方が1の数が多いことがわかりますが、それだけ多くのデータを処理できるということでもあります。

10Hzということは1秒間に10回のクロックを意味しますが、最新のコンピューターのCPUのクロック周波数が2~4GHz以上なので、 単純に20~40億回の処理が可能と言うことです!

※GはギガでMはメガ、ギガが10億倍でメガが100万倍なので、GはMの100倍になります。



因みに僕が所持している最新のノートパソコンはWindows10のIntel Core i7-5500Uでクロック周波数は2.40GHzですが、これまで所持していたノートパソコンに比べてもやはり処理速度は速いなぁと実感しています(:^^)

 
現在はオーバークロックも含めれば1秒間に50億回以上の処理性能を誇ると言われています、科学の進歩は凄いですね!

オーバークロックって?

オーバークロックとは別名クロックアップとも言い、CPUを定格以上のクロックで動作させることをいいます。

パソコンのクロック周波数は最新の機種ですと3.0~4.0GHzが主流ですが、オーバークロックとはこの周波数以上で動作させるので通常よりも高速な処理が可能になるのです。

メリットとしてはお金をかけずに性能がアップし、手持ちのCPUよりもランクが高いCPUと同等の性能が発揮できることです。


ただしCPUをメーカー指定の定格以上のクロックで動作させるということは、メーカーが想定していない不具合や誤動作を起こす可能性が高くなります。

必然的に故障するリスクが高まりますが、さらに重要なのがオーバークロックで故障してもメーカーによる保証が効かないということです!


そもそも現在のCPUは昔に比べて格段に性能が上がったのでわざわざオーバークロックさせる必要もなく、ほとんどの処理は問題なくこなせます。

オーバークロックはあくまでもイレギュラーな操作であるという認識を持ってください、長時間の使用はやめましょう!

※中には液体窒素で無理矢理冷却してオーバークロックさせる荒業も存在するそうですよ(;^^)
 

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クロック周波数だけでは決まらない!

クロック周波数はCPUの性能の中でも大事な指標であると解説してきました。

ということはクロック周波数を上げれば上げるほどCPU、すなわちパソコンの性能が上がると思いがちですね。

しかしそうは簡単にはいきません!

オーバークロックの話とも関係していますが、あまりにも周波数が大きすぎるとCPU自体が故障するリスクが高まるのです。


これは車の速度にも同じことが言えます。

いくら速い方がいいとは言っても、交通事故が起きる確率が高くなりますし、エンジンがオーバーヒートして故障する確率が高くなります。

そもそも技術的な問題でCPUのクロック周波数がこれ以上上がらなくなる、すなわち限界に来ているとまで言われています。


クロック周波数を上げる以外の方法でCPUの性能を上げるために最近ではコア数とスレッド数を増加したCPUが増えてきました。

これによって同じ周波数でもより多くの命令を並列実行できるCPUの方がより高性能となっています。

これについては以前も当ブログでより詳しく紹介しています、ちょっと難しい話も出てきますがぜひそちらもご覧ください!
CPUの進化は限界に来ている?理由と解決策を簡単に説明します!

まとめ

今回はCPUのクロック周波数の意味をパソコン初心者にもわかるように解説してきました。

最後に改めてクロック周波数について簡単にまとめます!

  • クロック周波数はCPUが1秒間に処理できる命令の回数のこと、高いほど性能が高い
  • クロックはデジタル信号で、”1″と”0″が周期的に続く波形となっている
  • クロックは水晶振動子と呼ばれる素子で発振される
  • オーバークロックで周波数を定格以上にすることは可能だが、CPUが故障するリスクが高まる
  • 最近のCPUはコア数が増えたためクロック周波数だけでは性能が比較できない

情報化社会がますます進む今の世の中は、パソコンやスマホなどのコンピュータ関係の知識が欠かせなくなってきています。

そのコンピュータの中枢を担うのがCPUです、CPUについてより詳しく学んで知識を深めることはこれからの人生でもきっと大いに役立つことでしょう!
 

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