財政投融資という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

漢字が5文字も並んでいるせいで、僕自身学校で習った当初は「なんだこれ?」と率直に思いました(;^^)

難しい言葉で意味をよく理解できず、結局何がどうする制度なのかもよく理解できていませんでしたね。

しかしよくよく調べてみたら、日本の財政というのは単に税金を社会保障や公共事業に使うだけではなく、実は民間企業とも深く関わっていました。

国の財政にも関わる言葉なので、この際はっきりとわかりやすく意味や仕組みを解説していきます!


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財政投融資の意味とは?

財政投融資をわかりやすく一言でまとめるなら、

政府の信用に基づいた資金を財源として、政府が民間企業や特殊法人等の機関に対して資金を供給し、事業を一緒に行っていき、その事業の成果で得られた資金で返済するという制度



となります。

しかしこの説明でもややわかり辛いものがありますね。

もっと端的にまとめるとしたら、国が民間企業に対して投資して、大規模なプロジェクトを協力してやっていくことです。


国が融資するといっても、民間企業が国に対して借金しているようなものなので、いずれは返済しないといけません。

通常民間企業が何らかの事業を行う時は、民間の金融機関からお金を借りるというのが流れなのですが、事業の規模が大きすぎると金額が膨れ上がって、民間だけでは資金の調達が難しくなります。


また政府が支援するということもあって、政策的な必要性が高い事業でもあります。(例えば外交での円借款など)

要するに金額面が大きすぎるプロジェクトや活動では、民間の金融機関だけだと難しいので、国が足りない分を補う形になっているわけです。

財政投融資が利用される事業とは?

財政投融資が利用される事業はどういった分野なのか、具体的に紹介しましょう!

  • 教育・医療・福祉
  • 教育や医療、福祉は人々の生活や健康に直結する重要な分野で、必要性は極めて高いです。

  • 技術革新
  • 資源が少ない日本では、技術革新でいかに他国をリードするかが成長の鍵となっています。

    しかし近年では日本近海に眠る資源(レアメタルなど)にも注目されているので、ますます融資が必要となる分野かもしれません。

  • 中小企業への支援
  • 中小企業などは信用力が弱いので、民間の金融機関から融資されないことも珍しくないです。

  • 都市の再開発など
  • 空港や高速道路の建設などは大規模ですが、時間もかかります。

    また日本は災害が多い国なので、災害復興にも柔軟に対処する必要があります。

  • ODA
  • ODAとは政府開発援助のことですが、日本は世界でも有数の拠出大国です。

    国際関係において日本は軍事力が弱いことになっているので、外国政府に対する強い影響を及ぼすためにODAは欠かせないとされています。



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財政投融資の仕組みをもっと詳しく!

ここからは財政投融資の仕組みについて、より細かく見ていきます。

通常財政投融資は、財政投融資特別会計国債(略して財投債)を政府の信用に基づいて発行して資金を調達する財政融資という手法が一般的ですが、他にも

  • 国が保有するNTT株やJT株などを資金源とした産業投資
  • 政府保証債を発行する政府保証(ただしややコスト高)

の2種類があります。

これらの手法で調達した資金を、低金利で政策金融機関に融資し、その政策金融機関が各民間企業などに融資する流れになっています。

主な政策金融機関としては現在、

  1. 国際協力銀行
  2. 日本政策投資銀行
  3. 商工組合中央金庫
  4. 日本政策金融公庫
  5. 住宅金融支援機構

があります。

他にも学生支援機構や都市再生機構、独立行政法人、地方公共団体もありますが、このように政府が発行した財投債を、各民間企業に融資する機関を財投機関と呼びます。

※独立行政法人について詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
独立行政法人とは?意味や仕事内容をわかりやすく解説!

財政投融資の歴史について

財政投融資の起源を辿ると、実は明治時代まで遡ります。

その頃は国民の郵便貯金を預託して大蔵省(現在の財務省)が保管し、産業資金として利用されていました。


この財政投融資は戦後の高度経済成長でも役に立ちました。

1953年からは財政投融資計画として予算に組み込まれ、郵便貯金や厚生年金及び国民年金で運用されることになったのです。

その後財政投融資は規模を増して、第二の予算として景気の流れを調節したり、資源の再配分に大きく貢献しました。


ところが順調に行っていた財政投融資も、特殊法人に官僚が天下ったり、経営手法が不透明だったり、さらに公的年金が流用されたりと徐々に闇の部分が明るみに出ました。

このような流れを受けて2001年に法改正が行われ、郵便貯金や簡易保険、公的年金積立金を利用するのを廃止して市場での財投債を主な原資とした計画に変わったのです。

現在では財投債の運用計画を握っているのは財務省ですが、昨今相次ぐ官僚の不祥事でやはり資金の流れをもっと明瞭にしてほしいという声は絶えないですね。
 

まとめ

今回は財政投融資の意味や仕組みを解説してきました。

改めて今回の内容をまとめさせて頂きますと、

  • 財政投融資とは国が民間企業に対して投資して、大規模なプロジェクトを協力してやっていくこと
  • 国と民間企業との間には財投機関という特殊法人などがあって、その財投機関が民間企業に融資をする仕組みになっている
  • 具体的な事業としては、医療や福祉、産業や研究、ODAなど大きなリターンが得られるが、長期的な計画が必要な分野に限られる

となります、参考になりましたら幸いです。


他にも政府が特定事業を支援する方法としては、補助金を支給するのも一つの手です。

ただし補助金は返済の必要がないので、無計画に使ってしまう恐れもあり必ずしも効果があるとは言えません。

なぜ融資が適切なのかと言われれば、返済が必要なためコスト意識が高くなって、より大きなリターンを得ようと働いてくれる効果に期待出来るからです。


もちろんこれ自体は挑戦する側の意識にも依る所は大きいのですが、少なくとも国としては最終的に返済してほしいと願っているのが実情です。

さんざんニュースで言われていることですが、日本の財政赤字はかなり巨額ですからね(;^^)

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