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政治

議院内閣制をわかりやすく解説!実は大きな問題点もある?

投稿日:2018年12月31日 更新日:

学校の社会の授業で日本の政治制度について初めて習う人も多いでしょう。

日本の政治と言えば、ニュース番組などでも度々「内閣総理大臣」、「国会」、「日本国憲法」などいろいろ出てきますが、小学校や中学校の授業で改めてそういった用語については学習します。

その中でも特に「議院内閣制」という言葉は、初めて習った時にはわかり辛いですよね。





漢字が5文字もあるせいで、難しいイメージがつきまといます。何でこんな難しい言葉が出てくるんだと僕自身も最初戸惑いました。

しかし議院内閣制とは日本の政治を支える大事な制度となります。

正式な意味についても学習するとは思いますが、改めてどんな意味の言葉なのでしょうか?


ここでは学校の授業などでもあまり理解できなかった人のために、わかりやすく説明していきます。

また日本の議院内閣制に関わる大きな問題点についても、合わせて触れていくことにします。


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議院内閣制とは?

日本の政治の根幹ともなっている議院内閣制ですが、その意味をわかりやすく一言で解説するとしたら、以下のような感じになります。

内閣が国会から信任されて成立し、お仕事をする制度

物凄くザックリ説明するとこうなります。

一応正式な言葉の定義も紹介しますね。

内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

引用元:Wikipedia

これは日本国憲法第66条の文章をそのまま引用した形ですが、この条文こそが議院内閣制そのものを意味しています。

3番目に書かれた「国会に対して連帯して責任を負ふ。」の部分がまさにそうです。

しかし「内閣が国会から信任されて」とか、「国会に対して連帯して責任を負う。」なんて言われても、一体何が理由でそうなっているのでしょうか?

ここからはもう少し詳しく、議院内閣制の仕組みについて解説していきます!

日本の議院内閣制の仕組み

日本における議院内閣制は、上にも説明した通り憲法第66条にその根拠が書かれています。

因みに日本で言う議院とは「国会」を指します。

まずこの国会から信任されて内閣が成立するというのは、即ち日本国民によって選んだ国会議員の中から内閣で働く人を選出する、ということを意味します。

日本は言わずと知れた民主主義の国です。民主主義の国では、定期的に選挙が行われます。

最近では2,3年に一回のペースで何らかの選挙が行われることが多いですが、国会議員を選ぶ選挙は主に衆議院の解散選挙参議院選挙の2つとなります。

この2つの選挙で選ばれた国会議員の中から、指名選挙で内閣総理大臣を選出し、その内閣総理大臣が内閣に就く大臣(閣僚のこと)をさらに選んでいく、という流れになっています。

この内閣総理大臣の氏名についても、日本国憲法第67条に書かれています。


そしてこの内閣総理大臣が、国務大臣を任命するとも書かれていますが、その国務大臣も過半数は国会議員の中から選ばれないといけません。

これは日本国憲法第68条に書かれています。

内閣不信任決議とは?

国会は内閣のことを信任していて見守るような形を取るわけですが、その内閣の運営があまりにもひどく国民の意志に反するようなことをした場合は、国会が内閣を不信任することもできます。

これが内閣不信任決議です。日本国憲法第69条に書かれています。

この決議が過半数の議員で賛成された場合は、内閣は10日以内に衆議院を解散するか、総辞職をしなければいけません。


このように内閣は国会から信任されて成立する運びとはなっていますが、信任に値しないと国会から判断されれば、不信任決議を提出して内閣に対して圧力をかけられます。

ただし内閣不信任決議が内閣の暴走を止めるためのブレーキ役を担っていると言えますが、現在ではこれがほとんど機能していないとも言われています。それについては記事の後半で述べますね。

国会は2つあるけれど?

日本の国会は衆議院と参議院の2つの議院で分かれていますね。

通称「二院制」と呼ばれているものですが、日本の議院内閣制では特に「衆議院」の意志を尊重している傾向が強いです。

その証拠は同じく憲法第67条に書かれていることですが、例えば衆議院でAという人が過半数の人から指名されたとします。

つまり衆議院ではAさんが総理大臣ということですね。


しかし参議院では、違うBという人が過半数の人から指名されたとすると、参議院ではBさんが総理大臣ということになります。

このように衆議院と参議院で異なる人が総理大臣に指名されるということは、起こりえない事ではありません。

現に日本の政治史上、これまで衆議院と参議院で指名が不一致になった例は、5回ほどあります。


ここでは詳しい説明は省きますが、こういった事態が起きると総理大臣が2人になってしまいますね(;^^)

そんなことはあってはいけないので、異なる指名がされた時は例外的に衆議院の指名を優先する制度が設けられています。


これを衆議院の優越と言います。

すなわち内閣総理大臣は、実質衆議院で過半数の指名を受けた国会議員がなる、と言っても過言ではありません。

これにより、日本の議院内閣制は、特に衆議院との間でのみ成立していると批判されています。内閣不信任決議が提出されるのもやはり衆議院だけです。

※衆議院の選挙は、その時点で全議員が辞職し全議員を選出することになりますが、参議院の場合は3年に一度のペースでのみ行い、選ぶ議員も全議員の内半数のみということになります。

この点を考慮しても、やはり衆議院の選挙の結果で示される民意の方が強いことにもなりますので、衆議院の意志が優先されるということです。


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日本の議院内閣制の問題点とは?

先ほど内閣が国会から信任に値しないと判断されれば、国会側から内閣不信任決議案を提出すると説明しました。

しかしこの内閣不信任決議が成立することは実はほとんどありません。

実際戦後の政治史上、この内閣不信任決議案が衆議院に提出されたことは何回もありますが、最後に可決したのが1993年の宮沢内閣の時で、それを含めてもたった4回しかありません。

  • 1回目:1948年12月23日 第2次吉田内閣
  • 2回目:1953年12月23日 第4次吉田内閣
  • 3回目:1980年5月16日 第2次大平内閣
  • 4回目:1993年6月18日 宮沢内閣

なぜ成立することがほとんどないかと言いますと、現在の内閣総理大臣は衆議院で最も多くの議席を有する政党の党首が選ばれているからです。

現在の日本の総理大臣は安倍晋三さんですね。

そして安倍さんは自由民主党の総裁でもあります。

自由民主党は現在衆議院で最も多くの議席を有する政党で、過半数を占めています。自民党の議員は党首(リーダー)をこれまでずっと、内閣総理大臣に指名してきたわけです。

一体いつからこういったことが慣習化されたのかは定かではありません、暗黙の了解みたいなやつでしょうか。

しかしこの流れは2009年に当時の民主党に政権交代した後も続いていて、やはり民主党の代表が総理大臣に指名されてきました。


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不信任に賛成することは裏切るということ!

もし内閣不信任決議を成立させるとしたら、衆議院で過半数の賛成を得なくてはいけないわけです。

そのためにはその時の過半数の議席を有している政党に所属する国会議員の何名かが、賛成票を投じないと成立しませんね。

これは言ってみれば、自分達で選んだリーダーを自分達で改めて否定することを意味します。いわば裏切り行為です!

政治的にはこうした行為は「造反」とも呼ばれ、造反行為を行った議員のことを造反議員と言います。



政党は議員全員が一致団結してまとまらないといけないのに、不信任決議に賛成する議員がその政党の中に何人も出てくると、当然まとまりません。

ただし仮に不信任決議に賛成する議員が出てきても、その数は多くて数人程度です。


もし不信任決議案が可決されたら、内閣は総辞職か衆議院を解散しないといけませんが、これまで可決された後で辞職した例はなく、全て衆議院を解散しています。

衆議院は解散されると国会議員が全員辞職して、衆議院の総選挙を行わないといけません。

その選挙で国民から選ばれて改めて、国会議員に選出されるわけです。


しかし国民の側からしたら、自分達の政党のリーダーを裏切った国会議員にもう一度票を入れたいという気にはなりません。

総理大臣を自分達で選んでおいて自分達で否定するというのは、間接的に民意を否定することになるからです。

故に国会議員もそこまでのリスクを背負ってまで選挙に臨みたくないので、簡単に不信任案に賛成したくない、ということになります。

内閣が信任に値しないと判断されても不信任決議が成立できない。これが日本の議院内閣制の大きな問題点と言える点です。

※因みに憲法で書かれているのは、あくまで「国会議員の中から」ということであって、「衆議院で最も多くの議席を有する政党の党首」などというルールはありません。


参議院にも似たような制度がある?

参議院では不信任決議に似たような制度として、「問責決議」があります。

この問責決議は、内閣総理大臣のみならず各国務大臣にも出せるような形になりますが、衆議院の不信任決議と違って仮に過半数の賛成を得ても、「内閣総辞職をしなければいけない」という法的な意味は全くありません。

実質的には野党側のパフォーマンスに過ぎなかったり、単に議事を妨害したいだけという見方もあります。

内閣と国会議員を分ければよい?

内閣不信任決議が成立しにくい理由は、衆議院で過半数を占めた政党の党首から選ばれていることが関係しています。

つまり内閣というのは、実質国会を制御していると言っても過言ではありません。


例えば法律の制定に関しても、日本では国会議員が提出する法律よりも内閣が提出する法律の方が圧倒的に多く成立しています。

これは権力分立の観点から言っても、少し問題があります。

首相も国務大臣も国会議員でない人から選ばれないと、議院内閣制がより強く反映されません。


ただしそうなると、その首相はどの政党の議員でもないので、内閣不信任決議が成立しやすいと言えます。

権力の暴走を抑えるという意味では理にかなっていますが、政権運営が困難になるデメリットもあります。そうなると国民生活にも影響が出かねないので難しいものです(;-_-)

まとめ

今回は日本の議院内閣制の意味と問題点を、わかりやすく解説してきました。

それでは改めて今回の内容をまとめさせて頂きます。

  • 議院内閣制とは「内閣が国会から信任されて成立し、仕事をする制度」のこと
  • 内閣総理大臣及び国務大臣の過半数が国会議員から選出されて、内閣が構成される
  • 内閣が信任に値しないと判断されれば、国会が内閣不信任決議を提出することもできる
  • 現在の日本は、衆議院で過半数の議席を占める政党のリーダーが総理大臣になるため、不信任決議が成立することはほぼ不可能
  • 国会議員でない人で内閣が構成されると、政権運営が逆に困難になるデメリットがある

議院内閣制の意味や問題点を理解すれば、今後の政治ニュースもより頭に入りやすいでしょう。

また学校のテスト対策にもぜひ役立ててください♪
 

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