毎日の食生活のバランスを保つのは健康のために欠かせません。

中でも海藻を食べるのは非常に効果的ですが、特に「ひじき」は鉄分や食物繊維、カルシウムが豊富に含まれるので、医者いらずと言っていいくらいの食べ物です。

そんな栄養満点の「ひじき」ですが、漢字でどう書くかわかりますか?

鶴弟子鶴弟子

なんだろう。見た目からして「黒菜」とかかな?

鷲弟子鷲弟子

当て字で「日地木」かな?

身近な食べ物なのに漢字で書かれると、わからない人は多いでしょう。ということで「ひじき」の漢字を詳しく見ていきましょう!

フクロウ教授フクロウ教授

漢字に含まれるのは2匹の動物名だよ!

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「ひじき」を漢字で書くとどうなる?

そもそも「ひじき」の漢字表記とかあるのかと思いたくなりますが、実はあるんです!「ひじき」を漢字で書き表すと、その候補は2つありました!

鹿尾菜

羊栖菜



鳩弟子鳩弟子

うわ!とても予想外な漢字だ

2つありますが、いずれも漢字3文字で表記されます。

最後が「菜」で終わるのは、なんとなく理解できると思いますが、1文字目と2文字目が凄いですよね。

そもそも動物の「鹿」と「羊」が出てきます。これは一体どういうことなんでしょうか?

「ひじき」の意味と合わせて詳しく解説していきます!

「鹿尾菜」の意味と由来とは?

ひじきとはご存知全体が黒色を呈した海藻で、円柱状で多数の枝に分かれており、長さは最大で1メートルにも及びます。

昔から食用にされていた海藻ですが、実は「鹿尾菜」というのは、その見た目が大きく関係していました。

上は野生の鹿の画像です。実はこの鹿の尾の形が「ひじき」の形に似ていた、というのが「鹿尾菜」の由来なのです。

そんな馬鹿なと思うような情報ですが、それについては日本ひじき協会が以下のように回答しています。

鹿尾菜の方は、良い状態のヒジキの芽一粒一粒をよく見るとピンと跳ね上がっている鹿の尾のように見えることから付けられたと言う説が有力なようです。

引用元:日本ひじき協会

確かに「ひじきの形」が「鹿の尾」に見えると書かれていますね。ご存知奈良県などで、野生の鹿が生息しています。機会があればぜひ見に行ってみてください。

鷲弟子鷲弟子

うーん、似てるような似てないような

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「馬尾藻」と「鹿角菜」は違う?

「ひじき」は「鹿尾菜」と書くと説明しましたが、これに非常によく似た表記が2つほどあります。

それが「馬尾藻」と「鹿角菜」の2つです。

これら2つの表記はそれぞれ「ホンダワラ」と「ロッカクサイ」と読みますが、「ひじき」とはどう違うのでしょうか?


結論から言うと、2つとも厳密には違います。

まず「馬尾藻」というのは、「ホンダワラ」という品種の海藻で、ひじきと品種的には近いですがあくまで別物です。そのため仮に商品のラベルに「馬尾藻」と書かれているのに、「ひじき」が中に入っている場合は問題となります。


次に「鹿角菜」は、別名「布海苔(フノリ)」とも呼ばれており、形状こそひじきに似ていますが、全体的に赤色を呈していますので、やはりひじきとは別物です。

「羊栖菜」の由来とは?

次に「羊栖菜」となった由来ですが、これは実は日本語ではありません。

何とお隣の中国語が由来となっている言葉なんです!


その証拠に中国語辞書で「ひじき」と検索すると、確かに「羊栖菜」の表記がありました。

発音は「ヤンツィーツァイ」です。「ヤン」が「羊」、「ツィー」が「栖」、「ツァイ」が「菜」に該当します。

日本語の意味に翻訳しますと「羊が宿る草」となります。


またコレ以外にも4つの漢字表記があり、それぞれの意味はこうなっています。

  • 鹿角尖:鹿の尖った角
  • 海菜芽:海の草の芽
  • 羊奶子:羊の乳
  • 海大麦:海の大麦
鶴弟子鶴弟子

さすが中国4千年の歴史、こんなにあるとは!

中国は日本以上に国土も広いので、地域ごとに呼び名が異なっていました。

「海菜芽」、「海大麦」といった呼び名は海沿いの地域で、「鹿角尖」「羊奶子」「羊栖菜」といった呼び名は内陸の乾燥地帯で生まれました。

中国の牧畜の歴史において「羊」という動物は財産であり、富の象徴でした。そのため「ひじき」に羊の漢字を当てたということは、非常に価値が高い食材だったと中国人も理解していたことになります。


この中国の呼名がそのまま日本にも伝わったわけですが、当然のことながら日本に羊はいません。

仮に「羊栖菜」という名称で記載しても、通じにくいという事情があったのでしょう。代わりに「鹿の尾」に似ていたので、その漢字が当てられたということになります。


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その他海藻類の漢字表記

海藻類はひじきだけではありません。日本の食卓には様々な海藻類が並びますが、代表的な海藻の漢字表記をそれぞれ紹介しましょう!

「わかめ」を漢字で書くと?

サザエさんでもおなじみ海藻の「わかめ」ですが、これを漢字で書くと、

若芽

となります。

生え出て間もない芽、だからい「若い芽」となります。

「もずく」を漢字で書くと?

「もずく」は褐藻の一種です。その漢字表記は実はいろいろ種類があります。

一番主流なのは「水雲」、「海蘊」、「海雲」ですが、ほかにも「毛都久」、「毛豆久」、「母豆久」と3文字で表記する場合もあります。

「あおさ」を漢字で書くと?

「あおさ」は「アオサノリ」とも呼ばれる緑藻の一種です、ふりかけの海苔などに加工されます。

漢字表記は「石蓴」です。「石」と書くところが少し意外ですね。

まとめ

今回は「ひじき」の漢字表記を詳しく解説してきました。ではおさらいしましょう!

  • 「ひじき」を漢字で書くと「鹿尾菜」、「羊栖菜」の2つある
  • 「鹿尾菜」はひじきが鹿の尾に似ているから付けられた
  • 「馬尾藻」と「鹿角菜」という表記はひじきとは別の品種
  • 「羊栖菜」は中国語、発音は「ヤンツィーツァイ」、意味は「羊が宿る草」
  • 中国語には「羊栖菜」以外にも、「海菜芽」、「海大麦」、「鹿角尖」「羊奶子」と4つの表記がある



「鹿尾菜」と「羊栖菜」だけだと思いきや、漢字の本場中国ではまだ表記がたくさんあって驚きました。

その他気になる食品の漢字表記については、以下の記事をどうぞ!

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