ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず
ご存知古典の『方丈記』の冒頭部分の文章です、国語の授業で暗記させられました。
それこそ日本には多種多様な「川」が流れていますが、実は数え方はかなり変わっていたんです。
遠くから眺めたら細長く見えるから、「本」で数えちゃダメなの?
実はほかにも特殊な数え方があったみたいです。
ということで、今回は川の数え方を徹底特集していきましょう!
なかなか予想できない単位も使って数えるよ
川の数え方は6通りもある!?
川の数え方ですが、全部で6通りもありました!
- 川は通常「本」、読みは「本」:1本・2本
- 細長い小さい川などは「筋」「条」「流れ」、読みは「すじ」と「じょう」と「ながれ」:1筋、1条、1流れ
- 治水や水害に遭った川は「河川」、読みは「かせん」:1河川・2河川
- 諺など特殊な事例では「河」、読みは「が」:一河・二河
こんなにあったなんて知らなかった
意外と多くて驚いたでしょう。
川は細長く見えるので「本」というのは、理解できると思いますが、それ以外にも5つも単位があります。
ではそれぞれの数え方について、掘り下げて見ていきます!
川の数え方は基本的には「本」!
川は地図で見た時、また遠くから眺めた時は細長く見えます。
細長いので、川は通常「一本」、「二本」と数えます。
「本」とは細長い物、長い棒状のものを数える際に用いる助数詞で、ほかにもトイレットペーパーの芯やズボンなどもやはり「一本」で数えます。
ある時、大人数のズボンを畳んでいた時のことでした。 ズボンの数を数えていたら、その単位が人によって違っていたの …
トイレに欠かせない物といえばトイレットペーパーですが、実はその数え方は豊富にありました。そして英語での数え方も少し注意が必要なのです。意外と知らないトイレットペーパーの数え方を大特集していきます!
日本には30000本以上の川が流れているよ!
日本で最も流域面積が大きいのは「利根川」、だけど実は800本以上の支川が繋がっているんだ!
細長く小さな川の単位は「条」・「筋」・「流れ」!
次に紹介する単位は「条」と「筋」と「流れ」の3つです。
それぞれ「一条(いちじょう)」、「一筋(ひとすじ)」、「一流れ(ひとながれ)」と数えます。
実はこれらも「本」と同様、細長い物を数える際に用いる単位です。
ただし「本」を使うのが大きな川、「条」と「筋」と「流れ」を使うのはやや小さい川、支流などに限定されるようです。
因みにこれら3つの単位を使うものとしては、ほかにも
- 光
- 帯
- 電線ケーブル
- 煙
- 紐
- 旗(主に「流れ」)
- 幟(主に「流れ」)
などがあります。
一級河川や二級河川で分けたりはしない!
ここで河川についての知識が深い人は、一級河川とか二級河川という言葉も聞いたことがあるでしょう。
これらはともに河川法が適用される大きな川でありますが、国土交通省が管理するか、都道府県が管理するかの違いで大きさとか太さとかで分かれたりはしません。
数え方の単位も一級と二級で分けたりはしないので、注意しましょう!
治水・水害時の川の数え方は「河川」!
川は陸地を流れる水の塊です。大雨や台風が襲うと洪水や氾濫の危険も高まります。
そうならないように「治水」といって、水害や災害を防ぐため川に対し堤防や護岸など整備したり、川の流量を制限する工事を行う必要が出てきます。
また実際に大雨や台風が襲い、複数の川が氾濫の可能性が高った時には、「河川(かせん)」という単位を用いて数えます。
「『〇〇川』と『✕✕川』と『△△川』の『三河川』の氾濫の可能性が高まりました」
このように用います。ただしあまり意識しないで単に「3つの川」と言われることもあります。
諺・地名・人名は「河」!
最後に紹介する数え方はかなり特殊です。
「河」一文字で「が」と読み、「一河(いちが)」、「二河(にが)」と数えます。
しかしこの使い方はかなり稀で、日常ではほぼ使いません。以下のように諺とか地名、名字などに用いられることがほとんどです。
- 一河の流れを汲むも他生の縁:諺で意味は「ちょっとした人間関係も、みな前世からの因縁によるもの」
- 二河白道:浄土教における極楽往生を願う新人の比喩
- 三河国:東海道に属していたかつての日本の令制国の一つ
- 四河入海:全25巻の蘇詩注釈書
- 十河存保(そごうながやす):戦国時代から安土桃山時代にかけての武将、大名
川を英語で数えると?
「川」を英語で表現すると、「river」ですが、「小川」を意味する単語として「stream」、「brook」、「creek」などもあります。
ただしいずれも可算名詞なので、そのまま複数形の「s」をつけてOKです。
すなわち「川2本」は「two rivers」、「two streams」、「two brooks」、「two creeks」となります
まとめ
今回は川の数え方の紹介でした。では今回の内容のまとめです。
- 川は基本的には「一本」と数える
- 細長く小さい川は「一条」、「一筋」、「一流れ」とも数える
- 治水や水害時には「一河川」とも数える
- 「一河の流れを汲むも他生の縁」などの諺では、「河(ガ)」の単位を使うこともある
- 川は英語で「river」・「stream」・「brook」・「creek」、そのまま複数形にして「two rivers(streams、brooks、creeks)」
意外と数え方がが多くて迷いそうです。あまり川なんか数える機会はないかもしれませんが、知っておくと何かの役に立つでしょう。
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