大学に入るといろいろな科目を学ぶことになりますが、その中で英語以外の第二外国語を履修するとなった時に、どの言語を選択するか迷う人は多いと思います。
筆者も大学生の時に第二外国語として、ドイツ語を選択し履修していました。
もう10年以上前になりますが、基本的な文法や単語、会話文、リスニング、長文の読解だけは学んでいましたね。
ドイツ語を選択したのにはそこまで深い理由はありません。
何となく英語と似ているから、簡単だから単位取得が楽、ということだったと思います。
因みにドイツ語以外だと中国語、スペイン語、フランス語、韓国語、アラビア語、ポルトガル語などが選択候補としてありましたが、同時に2つ以上は履修できませんでした。
恐らくどこの大学でも履修できるのは1言語だけでしょうが、どうせ履修するのなら単位の取り易さではなく、就職後や将来性のことも考えて選択をした方がメリットが大きくなります。
ではどの言語を選択するべきなのでしょうか?
今回はおすすめの第二外国語について解説します。新大学生はぜひご覧ください!
第二外国語は簡単さだけで選ぶのはダメ!
大学に入ったら多くの学生が悩むであろう第二外国語の選択ですが、なんとなくな理由で選ぶと...
こう言い切れます。
恐らく多くの新大学生は簡単さを基準に選ぶのではないでしょうか?
要するに「単位取得が一番楽なのはどれか?」ということですね。
かくいう僕自身がまさにこの考えで選んでいました。後でまた紹介しますが、高校時代に教えてもらった英語教師の助言をもとに僕が選んだのはドイツ語でした。
この選択が正解だったかどうかは正直微妙な感じでしたね。後々考えれば中国語でもよかった気がします。
なぜこう言い切れるかと言いますと、やはり将来性やビジネス面を重視した方がいいためです。
単に簡単だからとか、単位習得を優先したいという安直な考えで選んでしまうのは非常にもったいないです。
現に僕の兄は今年に入って何とドイツに転勤するということになりました!
もしも僕が逆の立場だったら「ドイツ語選んでおいてよかったぁー!」と歓喜していたでしょう(;^^)
そうならなかったのは残念ですが、やはり大手企業に就職すると海外の転勤や出張なども考えられますからね。
また最近では日本国内でも当たり前のように、外国人を見かける機会が増えました。
時代の流れではありますが、多言語を話せる人はビジネスの世界で間違いなく重宝されていくでしょう。
全ての国や地域で英語が通用するとは限りませんから、英語だけでは不十分な面がありますよね。
グローバル化が叫ばれる中、日本も他国との競争は避けられません。
グローバル化の意味について解説します。グローバル化で起きるメリットは経済効果など多くあると思いますが、一方で格差が拡大したり、治安が悪化したりするデメリットも多くあります。これらのことを踏まえて日本の将来についても考察します。
中国やアメリカ、EUといった経済圏との交流は今後も重視されるので、そういった面でもビジネス重視で第二外国語を選んだ方が得策でしょう。
第二外国語のおすすめで選ぶとしたら?
ビジネス重視で選ぶのが大事だと理解できても、具体的にどの言語を選ぶべきか、まだ悩んでいる人は多いでしょう。
僕なりに徹底調査した結果、おすすめな第二外国語として以下の6つに絞りました。
- 中国語
- ドイツ語
- フランス語
- アラビア語
- スペイン語
- 韓国語
それぞれの言語がどういった特徴・メリットがあるのか、また難易度なども詳しく紹介していきますね。
中国語
中国語は今や第二外国語の中で、最も人気が高い言語といえます。
僕が大学生の頃からそう言われていましたが、やはり漢字で表記されていることと、中国人の留学生や観光客が多くなった昨今では、もはや英語の次に欠かせない外国語と言っても過言ではありません。
ビジネスの場面で通用するレベルまで中国語を極めれば、就活にも大きなアピールになります。もちろん入る企業が中国とあまり関係がないなら話は別ですが。
その意識は欧米の資産家や有名人の間でも広がっており、幼少期の子供に中国語を学習させる家庭が増えてきました。
逆に言えばそれほど中国の存在感が増してきたということです。
反日感情の悪化や、来日する観光客のマナーの悪さ、さらに北京での空気汚染など、ネガティブなイメージがもたれがちな中国ですが、それでも影響力は無視できません。
人口が10億以上と多いこともあって国連の6大公用語にも選ばれており、これからの時代は中国語の価値が相対的に上がっていくでしょう。
もはや“中国語が理解できない”というのは、“英語が理解できない”よりデメリットが大きくなる、そんな予感がします。
中国語は本当に簡単か?
漢字が使われている他にも、文法が簡単で学びやすいのも大きなメリットです。
基本的な文法が英語に似ている点が多いのも特徴で、例えば
- 主語+述語+目的語(SVO)になっている
- 助詞(て、は、を、が、の、へ)がない
などといった点です。
ただし中学や高校の国語の授業で“漢文”について習ったことがあると思いますが、現代中国語とは文の構造などがまるで異なります。
これについては、日本語で言う“古文”と同じで、要は漢文というのは中国語の古文にあたるわけです。源氏物語の文章を読んでも、最初はちんぷんかんぷんでしたよね?
そのため中学や高校で習った漢文と、全く同じような感じで解釈しないようにしましょう。あくまで現代中国語は別として扱ってください。
中国語の漢字は独特!
漢字が使用されているからと言って、全ての漢字が日本で使用されているのと意味が同じというわけではありません。
中国語の漢字は通称“簡体字”と呼ばれているもので、以下のように中国独自の書き方があります。
- 飛→飞
- 鳥→鸟
- 従→从
- 遅→迟
- 学→學
など、中国語になると全く違う表記になる漢字が多いです。
また中国語と日本語で同じ漢字なのに、意味が全く違っている場合もあります。
ただでさえ漢字が苦手な人はちょっと苦戦しそうですね。
今ではYou Tubeで中国語教室の動画を見ることも難しくはありません。
大学の授業は長くて退屈な場合が多いですが、動画なら短くてわかりやすい説明も多いです。家で復習する際は持ってこいの教材と言えますね。
ドイツ語
次におすすめな言語としては何と言ってもドイツ語です。
ドイツ語を公用語とする国はドイツ以外だと
- オーストリア
- ベルギー
- リヒテンシュタイン
- ルクセンブルク
- スイス
などありますが、ほぼ全てヨーロッパ圏です。
話者人口としては1億5000万人ほどでそこまで多い方ではありません、フランス語よりも少ないです。
ドイツ語は比較的習得しやすい!
イントロでも紹介しましたが、僕も大学時代はドイツ語を選択しました。理由としては文法や単語が英語に似ていることで、難易度的には恐らく簡単な部類に入ります。
高校時代の英語の教師が「第二外国語で簡単なのはドイツ語!」と語っていたのを思い出したので、それを参考にしたのもあるんですけどね(笑)
結果としてはやはりアルファベットで表記されていることや、英語の予備知識もかなりあったので学習の難易度はそこまで高くなかったです。
英語と違っているのは
- 日本語と同じ「主語+目的語+動詞(SOV)」になっている
- 動詞の人称変化が多い
- アルファベットはほぼローマ字通りの発音
といった点です。
もちろん大学の講義だから、易し目の問題しか出題されなかったのも関係していると思います。
経済大国としての存在感
イギリスがEUから離脱した現在となっては、EUで最も経済力が強い大国はドイツです。
さらにドイツは日本と同じで自動車産業が強いのも特徴で、何よりビールがうまいですね!
他にも情報通信産業や医薬品の企業など、世界的に有名な企業があります。
特に大学で理系を専攻している方でしたら、こういった企業での就職した後でドイツに転勤、なんていうケースも考えられます。
もちろんドイツは日本以上に英語を話せる人は多いので、英語だけで十分という見方もありますが、話せないに越したことはありません。
また主要先進国の中で最も労働時間が短く、有給休暇の取得率が高くて、労働環境がかなり良いこともプラスになると思います。
フランス語
フランス語は話者人口も2億人以上で、話されている国・地域の数は世界で英語に次いで多いです。
国連の公用語にも選ばれていますから、将来的に国際機関などに勤めたい人にとっては学習して損はないです。
フランス語は難しすぎる?
しかし個人的にあまりおすすめしないのがこのフランス語です。
なぜおすすめしないかと言いますと、理由は単純で第二外国語の中でもかなり難しい部類に入るからです。
- アルファベットもあるが英語とほぼ異なる
- 綴り字記号が多い
- 数の数え方が20進法と10進法が組み合わさって複雑
- 発音が難しい、特に鼻母音など
- 男性名詞と女性名詞の区別がややこしい
- 動詞の活用形が複雑すぎる(ネイティブですら全て把握できていない)
- 動詞によって目的語の語順が変化する
- 過去形だけで“複合過去”、“半過去”、“単純過去”などがある
他にもいろいろありますが、これら独自のルールや文法などがとにかく複雑です。特に英語に慣れていると尚更難しく感じるでしょう。
観光名所などが多く、昔からフランスに強い憧れを抱いているなど、フランス愛が強い人なら別ですが、「第二外国語で単位は落とすわけにはいかない!」などあくまで卒業にこだわるなら選ばない方が得策です。
アラビア語
アラビア語は英語、フランス語に次いで3番目に多くの国・地域で使用されています。
主に中東やアフリカの一部地域が中心ですが、話者人口としては5番目に多く、国連の公用語にも選ばれています。
一見需要が低いように思えますが、30年後にはイスラム教の人口がキリスト教の人口を上回ると予想されている他、最大のイスラム教徒を抱えることになるインドやインドネシアが、昔よりも経済発展していることから、将来的には需要が高くなっていくと予想されます。
中東と言いますとテロや紛争が多いイメージが強いですが、日本もエネルギー資源である原油を輸入する点では、中東との関係は欠かせません。
中東の人と円滑に交流できるほどアラビア語が話せれば、国際機関への就職も夢ではありませんよ。
アラビア語の難易度は?
気になるのはやはり難易度だと思います。
アラビア語といいますと、右から左に読むのが特徴のアラビア文字で書かれていますが、実は右から左に読むだけでなく、どこで文節が切れるのかもわかり辛い見た目となっています。
また意味がわからない言葉が出てきた時に、そもそも読みが把握できないので安易に辞書を引けない場合もあります。
例えるなら日本語や中国語で難しい漢字が出てきた時に、読めないからそもそも辞書が引けない、という事態です。
アラビア語ではこういった事がよく起きます。発音がわからなければ辞書以前の問題ですからね。
さらにアラビア語は一部の文字が、文章中のどこで置かれるかで形が変化する場合もあります。
日本語で例えるなら「つ」が促音を表す時に小さくなる、といった感じです。
こういった側面もあって、アラビア語は非常に難易度の高い言語であると言えます。履修する時は覚悟しましょう!
アラビア語を学ぶメリットとは?
アラビア語を学ぶのは難易度的にも高いので、あまりおすすめしません。しかし中東のアラブ首長国連邦には、世界屈指の大都市ドバイがあります。
多くの外国人にとってもドバイは憧れの地と言えます。また海外旅行でも経由地として人気がありますね。
将来ドバイに移住したい人は、アラビア語が必須になると言えます。
スペイン語
スペイン語は世界で4番目に多くの国・地域で使用されている言語です。国連の公用語にも選ばれています。
スペインがかつて植民地支配していた20の国と地域(メキシコ、コロンビア、アルゼンチンなどのラテンアメリカ)で主に話されています。
また最近ではヒスパニックが増えたアメリカでも話者人口は増えてきており、ニューメキシコ州ではスペイン語が事実上の公用語となっています。
スペインの隣国がポルトガルであることから、ポルトガル語ともかなり似ていて相互に意思疎通が可能です。そのためスペイン語を習得できれば、自然とポルトガル語も学びやすくなります。
スペイン語とポルトガル語がマスターできれば、中南米はほぼどこでも通用します。こういう意味でもスペイン語はかなり実用性が高いと言えますね。
スペイン語は難しくない?
スペイン語を学ぶメリットは大きいですが、それだけでなく難易度もそこまで高い部類には入りません。
まず発音は日本語の母音の「a,i,u,e,o(あ、い、う、え、お)」の5つで同じです。
また英語と同じく文字はアルファベット表記がほとんどですが、実はローマ字読みで正解なパターンがほとんどで、リスニングも聞き取りやすいです。
少なくとも英語のような複雑な発音がなく、日本人にとってはありがたいです。
そして文法もそこまで複雑な部類に入りません。一番の特徴は語順を入れ替えても意味が通じるところです。
例えば日本語で「僕は3年前まで彼女と一緒の中学校に通っていた。」という文章は、
- 「3年前まで僕は彼女と一緒の中学校に通っていた。」
- 「僕は彼女と一緒の中学校に3年前まで通っていた。」
- 「彼女と一緒の中学校に3年前まで僕は通っていた。」
などと入れ替えても意味は一緒です。
スペイン語でもこういった書き方が通用するのです、英語だとこうはなりませんよね?
こうした点からも少なくとも英語よりは簡単だ、と感じる人は多いでしょう。
韓国語
最後に紹介するのは韓国語です。韓国といえば日本の隣国で、毎年多くの韓国人が旅行に訪れます。
日本と最も近いこともあって交流する機会が多く、韓国語の需要は高いでしょう。
自分も大学生時代は多くの韓国人の留学生を見かけましたからね。留学生と交流を深めれば、韓国語のイロハを教えてもらうこともできますよ♪
韓国語は難しくない?
韓国語はそこまで難易度が高くない言語とされています。
まず韓国語の文字はハングルというのは有名ですが、そのハングルはたった20個程度の母音と子音の記号を覚えればいいのです。
そして文法も日本語の「SOV(主語+目的語+述語)」とほぼ同じです。
また話し方やニュアンスも、日本語と似ていると言われています。
外交上は不仲な関係が韓国とは続いていますが、ビジネス面で交流する機会は少なからず出ますので、覚えておいて損はないでしょう。
まとめ
今回は新大学生におすすめする第二外国語について解説してきました。
やはり一番は中国語になってしまうでしょう。
何と言っても漢字表記であることと、難易度的にも高くはなく習得がしやすい部類ではあります。
次いでドイツ語当たりになりますね。学部が理系ならドイツ語を習得して、将来はドイツに移住して働くのもいいですよ♪
その他の言語でいいましたら、
- スペイン語は難易度的にも人口分布と地域も大きいからオススメ度は高い
- 韓国語は日本語と似ている点も多く習得しやすい、交流も深いからオススメ度は高い
- フランス語とアラビア語は習得難易度が非常に高く、単位重視の学生にはおすすめしない
といった感じになります。
英語だけで十分だと考える人もいますが、非英語圏の人口も今後増加することから、英語の需要の大きさが相対的に下がると予想されます。
語学力というのは社会に出てからは大きな武器になります。“話せない”よりも“話せる”方が圧倒的にいいですからね。
もちろんスピーキングが出来なくても、最悪何となく話している言葉がわかるような理解度があるに越したことはありません。
就職後に海外転勤があるという可能性は、頭に入れた方がいいでしょう。せっかく高い学費を払って大学に通うのですから、実用性の高さを重視して選択した方が人生にとってプラスになりますよ!