大学の成績の評価基準は単位によって決まる単位制となっています。

僕自身も大学時代に単位がいくつあるかは、後どのくらいの単位が必要かは凄く気になっていました。

しかし改めて思ったのですが、そもそも大学の単位の仕組みってどうなっているのでしょうか?

高校生まではただ授業を受けたりテストを受けて合格点を満たせば、無難に合格できて難しく考える必要はありませんでした。

しかし大学では担任の教師などはいないので、自分で自分の成績の単位の現状をしっかり理解しておく必要があります。





やはり大学生になるからには、どのようにして成績がつけられるか?

また卒業までに必要となる単位はどのくらいか?などを把握しておくに越したことはありません。

ということで今回は、多くの大学生が気になる単位の仕組みについて詳しく解説していきます。入学前の人も必見ですよ!
 

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大学の単位制について

まず基本的な所から解説しますが、大学における単位とは成績と学習量のことを指します。

簡単に言いますと、「規定の時間数を費やして勉強した。」ということの証になるのが単位なのです。

ではこの規定の時間数がどれだけになるのか?主に大学における単位制について詳しく解説することにします。

1単位いくらの時間が必要?

大学では授業科目ごとに単位数を設定されており、卒業に必要な単位数を満たす分の授業科目を履修して合格し取得していれば卒業できる、というのが基本的なルールとなります。

1単位の定義としては文部科学省が定めた基準によりますと、

  • 講義や演習の場合:授業時間が15~30時間
  • 実験や実習の場合:授業時間が30~45時間

となっていますが、基本となるのは「45時間で1単位」というルールです。


しかし厳密にこのルールに従って1単位と定めても、大学の1コマの授業時間は90分だけです。

大学では1年の期間を前期(4月~8月)と後期(10月~2月)に分けられていますが、この前期だけで受けられる授業時間は

90(分)×15(週)=1350(分)=22.5(時間)

だけです。


これでは残りの22.5時間分が足りないので1単位にも満たないと思われますが、実は1つの講義に対して学生の自習時間(予習と復習)も合算されると解釈できます。

つまり1つの講義に対して、授業を受ける時間+予習時間+復習時間=1単位 というのが本来の定義です。

わかりやすくいうなら、授業一回受けるごとに学習時間を3倍盛っているという見方もできます。

本当に予習と復習を毎回の講義で律儀にこなしている学生が、どれだけいるのかは不明ですが(笑)

因みに実験や実習の場合の授業時間が多いのは、予習や復習などの自主学習が困難であることが理由です。

講義の種類によって単位数は異なる?

大学の単位制は「45時間で1単位」というのは原則となっていますが、全ての講義でこうなっているわけではありません。

実は現在どこの大学も半期(前期・後期)だけで終わる科目には2単位、通年科目には4単位が取れる仕組みになっています。

僕が学生時代の時にもこうなっていました。

時間割をよく見たら後期にも受けないといけない科目がいくつかあって、1年で4単位になっている科目もあれば、半期だけで30コマ近くの授業時間がある科目があったりもします。

代表的な科目には実験科目やゼミ科目などは比較的大きめの数字になっていて、卒業論文は10単位前後になっていたりもします。
 

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卒業に必要な単位はいくら?

大学の成績基準は単位制です。それが何を意味するのかと言いますと、必要数の単位を取得しないと卒業できない仕組みであるということです。

また卒業だけでなく、単位数は年度末において進級できるかどうかの基準にも用いられます。


基本的に卒業に必要な単位数は文部省の「大学設置基準第32条」によって、どこの大学も124以上と定められています。

そしてこの124の単位の内訳は

  • 必修科目
  • 選択必修科目

の2種類に分類されます。


必修科目は文字通り必修科目ですが、これは最初から学部ごとに時間割と内容が決められた科目です。要は学生にとって“選択肢がない”科目となります。

例えば全学部共通で受けることになる「共通教養科目」、工学部などの「実験科目」です。

一方で、選択必修科目は「選択可能な科目の範囲内で規定の単位数を履修しなければならない科目」となります。


例えば「電磁気学」、「回路理論」、「デジタル電子回路」という3つの科目があったとして、これら3つの科目の中から2つを履修しないといけない、という感じです。

選択必修科目では選択の余地があるので、時間割を調整しやすいのが特徴です。例えば前期だけで終わらせるという手もありますし、前期と後期に分けて履修することもできます。

※これら2種類以外は全て自由科目で、基本的には卒業に必要な単位外の扱いとなっている場合が多いです。

ただごく一部の大学や学部では、この自由科目も卒業に必要だったりします。例えば香川大学の工学部では以下のページを参照してもらえれば、6単位は自由科目で賄う必要があるとのことです。
香川大学工学部の卒業要件単位数(平成29年度入学者)



卒業の要件も大事になりますが、2年時や3年次への進級にも一定の単位取得を課す学部もあります。

ほとんどの大学生は、4年生の時に就活や卒業論文の作成などで忙しくなります。そのため3年の後期までで卒業に必要な単位は、卒論を除けばほぼ全部取れるカリキュラムになっています。

必修科目の単位を取得できているかどうかは、進級と卒業にダイレクトに影響してきます。自分の単位の数を把握しておくことはかなり大事です!


だからと言って一年で卒業に必要な単位を全て習得できることはありません。

基本的にどこの大学や学部の一年間で取得できる単位数には限度があって、概ね40単位前後となっています。


また当たり前のことかもしれませんが、履修登録を忘れたら単位は落としてしまいます。

現在はほとんどWebからの登録で済ませると思います。うっかり必修科目を取り逃していないか最後まで要チェックしましょう!

もちろん親切な大学や教授なら履修登録を忘れていると告げてくれると思いますけど(;^^)


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単位を取得できる3つの基準とは?

履修登録も済ませて授業も受けた。これで大丈夫だ!

と安心するのはまだ早いです。

実は単位取得に絶対に欠かせないのはこれからで、以下の3つの点を基準に評価が下される仕組みとなっています。

  1. 出席点:その科目の講義にちゃんと出席できているか?
  2. 試験:テストで及第点以上の得点だったか?
  3. レポート点:課題やレポートをちゃんと提出したか?

出席点はその科目の講義に何コマ分出席したかどうかで決まります。

仮に半期に15コマあったとしたら、その15コマの中で半分以上遅刻や欠席などが続くと単位取得は黄色信号となります。

反対に15コマ全て出席できたとしても、その科目で課される試験で合格点(多くの場合100点満点中60点)未満だとしたらこれも黄色信号、また試験がない科目ではレポートが課されると思いますが、そのレポートを未提出だったり内容が不十分だとしたらやはり黄色信号となります。


基本的にどの科目も出席点がほぼ半分以上の割合で評価される物差しとなりますので、試験やレポートが多少不十分な内容だとしても大丈夫なケースが多いです。

反対に試験の点数でほぼ決まる科目もあったりします。この場合は出席点の割合が極端に少ないので、例えば出席する暇がない学生にとっては都合がいいですね。

しかし「試験だけ受ければいいじゃん!」という学生も少なからずいたりするので、対策として「何コマ以上出席しないとテストが受けれない」という科目も存在します。

試験期間と長期休暇の長さについて

大学の試験は前期と後期の最後の週で行われます。レポートだけで成績評価を下す講義だけ受けていれば、その分試験期間が短くなるので夏休みや春休みが長くなります。

大学の夏休みの期間は長い!具体的な違いを詳しく見ていこう!

大学の春休み期間は超長い?暇を持て余さないための工夫も紹介!


もし試験を落とすと再試験となったりしますが、こうなると長期休暇中でも大学に行って試験を受けないといけません。長い休みを楽しみたいなら試験勉強は怠らないようにしましょう!

単位に対する評価とは?

最終的に下される成績評価は大学や学部によって異なりますが、基本的に共通しているルールは以下の4段階評価です。

成績評価 点数 合否
A:優 90点以上 合格
B:良 80点以上 合格
C:良 60点以上 合格
F~H:不可 60点未満 不合格

※アルファベットで「A+→A→B→C→F→G→H」と7段階評価されている大学もあります。

点数に関しては、上で紹介した「出席点・試験の点数・レポート点」の3つの合計です。

要はこれら3つの合計点が最終的に60点以上なら合格となって単位が取得できる、という仕組みです。

何はともあれ60点以上あれば大丈夫なのですが、逆に言えば60点さえあれば合格できるので、うまく出席数を単位を落とす手前までギリギリに調整している学生もいたりします。


このギリギリの出席数で例えば講義に参加しない日はアルバイトに行ったり、遊んだりする学生は少なくないです。

僕の学生時代もこうした人はいましたが、この方法は出席数重視の科目にはあまり向きません。

また講義をさぼったらそもそも試験勉強自体もかなり大変になるでしょう。同級生でこうした人がいても極力真似はしないでください。


もちろん大学というのは、基本的には学生には卒業してほしいため、卒業しやすくする前提の難易度となっています。授業に毎回出席して毎回ノートをしっかりと取っていれば、無難に合格できます。

仮に合格点に届かなくても長期休暇などで、追試や補習などを受けることで単位がもらえるような措置を取る科目もあります。

しかしこのような措置が取られるのは必修科目ぐらいで、選択科目では“追試ナシ”の場合が多いので注意しましょう。

まとめ

今回は大学の単位の仕組みについて詳しく解説してきました。

繰り返しになりますが、大学では卒業に必要となる単位が足りなければ、例え1単位だろうと卒業できません。

最低限抑えておかないといけないのは何と言っても必修科目です。これを落としたらほぼ駄目だという認識はもちましょう。

因みに学部の4年間を卒業した後の修士課程でも、単位習得は卒業に必須な条件となっています。詳しくは以下の記事で!
学士と修士と博士の違い!就職関係でも超大事になる?



現在ではWebページで自分の現在の単位数が確認できるところがほとんどだと思います。

自分が履修している科目について、後何回欠席したらアウトなのか?試験の難易度やレポートの内容なども把握できたりするので、活用しない手はないです。

大学は高校までと単位の取得の仕組みが全然違います。大学生活で苦労しないためにも、今回紹介した内容は絶対に知っておきましょう!
 

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