大学受験を控える高校生にとって、心強い見方といえば予備校ですね。

学校の授業では教えてくれない本格的な受験のテクニックを伝授してくれます、中にはメディアにも登場する講師も出てきていますね(;^^





その予備校の中でも代表的なのが河合塾駿台ですね。

かつては代々木ゼミナールも含め三大予備校と呼ばれていましたが、2014年をもって続々と校舎が閉鎖してしまいました。

筆者は高校時代に何度か代ゼミの模擬試験を受けましたので、非常に寂しいですね。


河合塾と駿台は今も昔も、多くの受験生にとって人気のある予備校ですが、果たしてどっちが良いのか。

因みに一般的に言われている両校の違い・比較としては、

文系が強いのが河合塾で、理系と医系に強いのが駿台

という点なんですが、果たして本当にそうなっているのでしょうか?


他にも授業料と合格実績の違いなども気になりますよね。

ということで今回はこの2つの予備校を徹底比較してみました、ぜひ参考にしてみてください!


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河合塾と駿台の違いを解説!

今や二大予備校として有名な河合塾と駿台ですが、どういった違いがあるのでしょうか?

まずは主な相違点を表にしてまとめたのでご覧ください!

河合塾 駿台
創立年 1933年 1918年
本拠地 名古屋市の千種校 東京都千代田区の御茶の水校
校舎の数 全国に31校(現役専門校も合わせると60校) 全国に28校(現役専門校も合わせると38校)
授業時間 90分 50分
合格実績(2018年度)
  • 東京大学:1305名
  • 京都大学:1273名
  • 国公立大学医学部:1596名
  • 東京大学:1400名
  • 京都大学:1412名
  • 国公立大学医学部:1985名
座席について 自由席 指定席
受講生の層 成績下位から難関大学志望クラスまで幅が広い 難関大学志望者が多い
コースの種類 難関大コースから私立文系コース、高卒認定対応コースなど幅広い 医学部系の特別コースが充実
開始時間 朝9時、ホームルーム無 朝8時30分、ホームルーム有

筆者も高校時代には両校の模試を受けたこともあって、お世話になりました。

実は河合塾も駿台も、かなり歴史のある予備校なんですね。

豆知識になりますが、どちらも学校法人という扱いなので学割が適用されます。


そして共通して言えるのは

  • 認定制のコースは事前にテストを受ける必要がある
  • 全国模試があること
  • 高校にも入試状況を提供している
  • 規模の大きい校舎ならプロの講師がいて、手厚いフォロー制度・個別指導がある
  • 難関大学の合格者数はトップクラス

という点です。

特筆すべきは両校とも東大と京大の合格者数が多いこと!


超難関国立大学として有名な東大と京大ですが、合格者の実績を見ると河合塾と駿台でそれぞれ1300人前後もいるのです。

2018年度の東大合格者数は3083人、京大合格者数が2733人なので、両校合わせて全体の9割近くを占めていることになります、本当に凄いですね。

つまり東大か京大に真剣に受かりたかったら、河合塾か駿台に入塾するのがいいんですね!

授業料もそこまで変わらない?

入学金については河合塾と駿台は、両方とも0円になるキャンペーン中なら入学金はかかりません(通常は3万円かかります。)

ただし浪人生は入学金が10万円かかります。これについては入塾前に説明会に参加することで、半額が免除になります。


授業料については、両校で授業体系と時間数がやや異なるので一概に比較はできません。これについては後半で詳しく紹介します。


因みに教材費についても両校とも共通で授業料に含まれていて、支払い方法もクレジットカード可能で一括と分割の選択が可能です。


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どっちを選んだ方がいい?

さて多くの受験生や保護者はこの2つの予備校を比べた時に、何を基準に選択するでしょうか。

単純に近所に片方しかない、となると選択の余地がほぼなくなってしまいますが、仮に家から近い距離、もしくは学校帰りに通える距離に両方の予備校の校舎があったとしたらどうでしょうか。

「結局どっちも人気のある予備校なんだし、授業料と合格実績もそこまで変わらないんだから、どっちでもいいでしょ。」

と思いたくなるかもしれません。


しかし似ているようではありますが、細かく調べてみるといろいろと違いは出てきます。

最初の章で表でも紹介しましたが、大きな違いといったら以下の5点です。

  • 授業料の差
  • 授業時間の比較
  • 難関国立大、医学系の合格者数
  • 座席が自由か指定か
  • 授業時間以外の質問体制

ではそれぞれの項目について詳しく見ていきましょう!

授業料の差について

河合塾も駿台も授業料は、現役生で3万円(浪人生は10万円)という点は変わりません。

ただ両校で若干異なるのは、河合塾が好きな科目を選択する方式で、駿台がコース単位で受講するという方式です。

以前までは河合塾もコース単位で受講するという方式だったのですが、最近になって科目を選択するという形式に変わりました。


これによって河合塾と駿台では、授業料にどのくらい差が出てくるのでしょうか?

今回はわかりやすく両校とも、「現役高校3年生で、国立大学の理系学部を受験する」予定の生徒を想定します。

期間は4月から12月までの8か月間(8月は夏期講習のため除く)と仮定して、まずは河合塾から紹介しますと

  1. 英語・数学・物理・化学の4科目を受けると想定
  2. それぞれの科目ごとの授業料は1ケ月分で約2万円
  3. セレクト講座として数学と地理を受講、それぞれ16,800円

となって、入学金の3万円を含めると、以下のように計算して合計で約70万円かかります。

30,000+20.000×4×8+16,800×2=703,600


駿台の方は、「ハイレベル国公立大文・理系」というコースで受講することになり、コース費用として約71万円かかる形です。

科目数としては河合塾の方ではなかった、国語や地歴、公民も1週間の中で組み込まれてボリュームがあります。


以上を考慮しますと河合塾では、自分の苦手な科目のみを選択して受講するというスタイルもできるので、駿台よりも安くなる可能性も出てきます。

仮に河合塾で国語や地歴まで受講しようとすると、駿台よりも高くなる可能性が高いので注意しましょう!

授業時間の比較

最も大きな違いとなるのが授業時間ではないでしょうか。

授業1コマにつき河合塾が90分、駿台が50分となっています。

通常の高校の授業時間が50分なので、河合塾の90分は長いですね。ただ休み時間は20分なので、休憩と講師への質問も多めにとれます。

これについては河合塾の方がややきついかなという印象ですね。

実際人間の集中力は45分持続するのがやっとと言われています。


確かに大学入試は1科目につき2時間とかかかりますから、90分授業にするのも理解できます。

それにいくら普段の授業で集中力を鍛えても、入学試験というのは人生で1回あるかないかの大一番なので、全く次元が違うのです。

また模擬試験もたくさん実施していますので、入試の集中力についてはそこで訓練すればいいだけです。


対して駿台の方は50分授業で、通常の高校と変わりません。

1コマ50分なので集中して臨みやすいですが、その代わり休み時間も10分しかなく、1日あたりの授業数が増えるので予習が大変になります。


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合格実績の比較

両校の比較で一番気になると思われるのが、合格実績の比較ですね。

どちらの予備校がどういった大学への合格者数が多いのか、それぞれ大学のレベルなども加味しながら詳しく解説していきます。

東大と京大、医学部系は駿台!

まず何といっても目を引くのが東大と京大、及び医学部系の合格者数です。

2018年度の合格者数を最初の章で紹介しましたが、やはり駿台の方がやや優っていますね。


しかし河合塾も難関大学と理系・医学系に力を入れているカリキュラムやコースを組んでいます。

河合塾でも真剣に頑張れば、難関大学の理系と医学系には受かります。

ただ河合塾は全国的に幅広く展開していて、生徒の層も幅広いので、どうしても霞んで見えてしまうんですね。


その点駿台は最初から中堅及び難関の私大・国公立大学を目指す生徒が多く入ってきて、特に東大と京大クラスの難関大学の合格者数は断トツです。

また国公立大学の医学部においても1900人以上と、河合塾よりも400人ほど多くなっています。

これを考慮すると、やはり「駿台の方が難関国立大学と医学部系は強い」というイメージは、あながち間違ってはいません。


もちろんこれについても単純に数だけで比較するのはやめた方がいいかもしれません。

要は受験者数に対してどれだけの割合がいるのかが大事ですし、何より浪人生と現役生の差もあるでしょう。

私立文系は河合塾が圧倒!

これに対して河合塾の方は総じて私立文系に強いのが特徴です。特に2018年度の早稲田と慶応の難関私大の合格者数は9391名で、駿台よりも2300人以上も多いのです。

上智とMARCHの合格者数も他の予備校に比べて多いです。

このように数で比較すると、レベルの違いがハッキリしていますね。


また河合塾は全国的に成績下位層から上位層までとにかく幅が広く、模試の受験者数も年間で300万人にも上ります。

そのためより本番を意識した模試を受けられますし、母集団も多いことから偏差値の信頼性が高いとも言えます。

※偏差値の意味をもっと詳しくは以下の記事を!
大学入試の偏差値の意味って何?簡単な求め方も紹介!


自由席か指定席か

これは校舎によって一部違っていますが、一般的に河合塾は座席が自由に選べて、駿台は座席が指定制となっています。新幹線ではありませんよ(;^^

河合塾は座席自由制なので、毎回違って席に座れるのが大きなメリットです。

もちろんいい席を取るために、毎回なるべく早めに来ないといけなくなりますが(;^^


対して駿台の方では座席が指定制で、しかも頻繁に席替えがあるみたいです。

これは普通の学校と似たような感じですね、予備校でも席替えがあるだなんて少し驚きました。


生徒側にとってはあまりメリットがないような制度ですが、強いて言うなら座席表があるという点ですかね。

毎回どの席に座ろうかと迷う必要はなくなります(笑)


もちろん自分のお気に入りの席に座りたいと思う生徒は多くいるでしょうが、座席表があることで誰が授業に出ていないか、サボっているかがすぐにわかります。

また顔と名前を覚えてしまえば、他の予備校に通う塾生が授業に潜り込む(いわゆる“もぐり”)を防止できます。

あわよくば授業料なしで授業を受ける生徒がいたりするので、監視を少しでも強化するのが狙いです。

質問体制の比較

両校とも授業以外の時間帯で質問できる体制は、十分に備わっています。

例えば英作文の添削、和訳の添削、数学の答案の修正などについて、徹底した指導やアドバイスを受けたい場合などがあると思います。

授業では聞けなかった細かい点を聞けるという点で優れていますが、この質問体制にも若干の差があるようです。


河合塾では講師以外に質問できるサービスとして「フェローシステム」があります。

これは専門の担当者が常時校舎にいるような感じで、例えば自習している時に数学の講師がいない時でも数学の質問が講師以外の人にできます。

デメリットとしては予約制であることが多いことです。そのため自分の好きな時間に聞けないという事態も発生します。


これに対して駿台では「TA制度」と言いまして、授業時間外に担当講師から無料で直接個別指導が受けられます。

ただしこれについても時間が決められていたり、事前予約制だったりします。

要は早い者勝ちになりますが、基本的に受験戦争というのはサポートをフル活用した者が勝ち抜きやすいので、これは仕方ないことですね。

おまけ:代ゼミとも比較!

今回の記事では詳しく取り上げていませんでしたが、元三大予備校に数えられていた代々木ゼミナールについても簡単にですが紹介します。


かつては代ゼミと合わせて

生徒の駿台、机の河合、講師の代ゼミ

というキャッチコピーが広まっていました。


要するに駿台は受講生の平均レベルが高く、河合は机が広く、代ゼミは講師の人気が強いのが売りという意味なのですが、現在においては、その差はほぼなくなっています。

冒頭でも紹介したように、現在代ゼミの校舎数は全国でも8校となって、かなり縮小しています。

近所に代ゼミの校舎が昔あったのにという人は少なくないでしょう。


ただし仮にもかつて三大予備校として数えられていた予備校なので、現在でも通っている生徒は少なくありません。

では代々木ゼミナールの特徴について簡単に紹介します。

  • 週6日制で90分授業である
  • 授業料がやや安い、また入学前のテストで減額の可能性もあり
  • 自分だけのオリジナルカリキュラムコースが作れる

まず1点目についてですが、基本的に週6日制で授業が組み込まれていて、土曜日にテスト演習が行われます。

90分授業という点では河合塾と同じですが、代ゼミは映像授業が比較的多めのようです。


そして2点目の授業料についてですが、入学金は河合塾と駿台と共通ですが、ほぼ同じコース内容で比較した場合若干ではありますが安くなります。

しかし代ゼミの場合スカラシップ制度と言って、入学前に受ける診断テストの成績次第では授業料が減額できる制度があります。

最大で80%も減額できるようです。もちろん本当に優秀な生徒だけだと思いますが(;^^


最後の3点目ですが、簡単に言いますと自分のレベルに合わせて、オリジナルのカリキュラムが決められます。

もちろん東大コースや早慶コースなどもありますが、例えば特に苦手な科目や分野を重点的に強化したい場合などには、役に立つのではないかと思います。


簡単ではありますが、以上が代ゼミの特徴です。ただ何よりも、講師陣の層の厚さが売りと言ってもいいです。

逆に言いますと代ゼミが校舎の数を減らしたのは、授業や講師の質のレベルを下げたくなかったのかもしれませんね。

映像授業などで一流講師の授業が視聴できますが、独学では自身がない人は視聴する価値はありますよ!

まとめ

今回は河合塾と駿台の違いと比較の解説でした!

長くなりましたが、今回書いた内容をもとに改めてどっちの予備校を選択すべきか迷ったら、やはりこうなると思います。

  • 苦手科目だけを重点的に伸ばしたい、もしくは私立文系を第一志望に目指すなら河合塾
  • 難関国立大学の理系、及び医学部系の合格を本気で目指すなら駿台



浪人生も現役生も、結局この基準で判断した方がいいですが、単純にこれだけで判断するのもよくありません。

やはり生の授業を実際に受けてみるのが一番いいですが、近所にどっちかの予備校しかないという生徒もいるでしょう。

河合塾でも医学部系の講座がありますので、真剣に頑張れば医学部合格も夢ではありません。

逆に駿台でも早慶上智、MARCHといった私立文系の合格はできるでしょう。

何より大事なのは一番入りたい大学はどこか、なるべく早めに決めることです。

それについては入塾前に決めておくのが一番いいでしょう、そうした方が講師陣も指導しやすくなります。


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