僕は根っからのゲーム好きなのですが、中でもRPGが大好きです。

特にRPGでは主人公に好きな名前を付けられるゲームもありますが、どうしてもカッコいい名前を付けたくなります。


個人的に気に入っているカッコいい名前は「ギュスターヴ」とか「ヴィクトール」ですね。昔よく遊んだ某RPGのキャラクター達です(;^^

いかにも厨二心をくすぶりそうな響きですが、よく見ると片仮名の「」が混じっていますね。

そしていざ名前を付けようとしたら、意外な事実がわかりました。





名前入力時に平仮名一覧の画面を見ても、どこにも平仮名の「ヴ」がなく、片仮名だけしかありません。

身近な言葉でも「ヴ」とつくものは、平仮名ではなく全てカタカナなんです。


「ヴ」の平仮名表記ってほとんど見かけないですね、一体何故でしょう?

またパソコンで「v u」と入力しても、自動で「ヴ」に変換されちゃいます。

今回は「ヴ」の平仮名表記について、僕として凄く気になったので独自に調査してみました!


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「ヴ」には平仮名表記はない?

冒頭で話したことの繰り返しになってしまいますが、実は「ヴ」には通常平仮名表記はありません。

平仮名変換してくれるF6キーを押しても、「ヴ」は平仮名になってくれません。

パソコンで入力したら自動で「ヴ」となりますが、スペースキーで変換候補を見た際に「ゔ」があるので、何とか打つことは可能みたいです。


あるいは、まず「う」だけ入力してその次に「濁点」と入力すると「゛」が、変換候補に現れるのでそれを無理やりくっつけると、「う゛」となります。

因みにこのやり方なら、普通は濁点がつかないナ行とかマ行、ラ行にも濁点をつけることは可能です。

漫画だと、「な゛ぁに~!」なんていう変なセリフを見かけたりしますね(;^^


しかしこのやり方では「う゛」は2文字扱いになってしまいます。濁点も1文字扱いです。

純粋に1文字で表すには、環境依存文字になる「ゔ」しかないんですね。

「ヴァ」と「ヴィ」と「ヴェ」と「ヴォ」は注意!

「ヴ」1語を平仮名入力する方法はありますが、実はアルファベットの「V」にA、I、E、Oの母音をくっつけると、「ヴァ・ヴィ・ヴェ・ヴォ」の4語が出ます。

  • 「v a」と入力⇒「ヴぁ」⇒「ヴァ」
  • 「v i」と入力⇒「ヴぃ」⇒「ヴィ」
  • 「v e」と入力⇒「ヴぇ」⇒「ヴェ」
  • 「v o」と入力⇒「ヴぉ」⇒「ヴォ」

でもここで注意しないといけないのが、実は「ヴァ・ヴィ・ヴェ・ヴォ」の4語だけは、スペースキーで押しても「ゔ」が出てきません。

それどころか「ヷ」なんていう変な表記が出てきますね(;^^

二度手間になりますが、この場合は「ヴァ」をそれぞれ「ヴ」と「ぁ」の2つに分けます。

  1. ヴ:「v u」と入力して「ゔ」を出す
  2. ぁ:「x a」か「l a」と入力して「ぁ」を出す

このようにすれば、「ゔぁ」にすることができます。

「単語登録」を使う方法!

でもこの方法だと正直面倒だと思う人はいるでしょう。

「ヴァ・ヴィ・ヴェ・ヴォ」を平仮名入力する人がどれだけいるかはわかりませんが、二度手間になる作業を少しでも楽にするには、単語登録をする方法が有効です。

パソコンでは画面右下に、ツールバーが表示されているのがわかりますね。

平仮名入力の時は平仮名の「あ」、半角英数入力の時は「A」と表示されている部分です。

この部分にマウスカーソルを当てて右クリックすると、IMEパッドを表示させることができます。

IMEパッドの中に「単語登録」という項目があるので、そこをクリックすると以下のような画面になります。

「単語」の入力欄に「ゔぁ」と入力して、「読み」の入力欄に「ヴぁ」と入力して登録すればOKです。

この状態でメモ帳などで「va」と入力すると、スペースキーを押した後の変換候補の中に見事「ゔぁ」と表示されていました。

これで二度手間な作業を簡略化できました!

メモ帳でも問題なくいけますし、Googleの検索窓でもこれで難なく入力可能です。


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スマホで入力する際はどうする?

さてこれまではパソコンで平仮名の「ヴ」を入力する時のお話でした。

ただ今のご時世やはりスマホで文字を入力する人も圧倒的に多いので、スマホで「ヴ」を平仮名で入力するにはどうしたら良いでしょうか?

実はスマホでの入力は非常に簡単だったのです。


スマホでは主にiPhoneとAndroidの2端末がありますが、文字入力欄にタップしただけで以下のように画面下部に平仮名の「あ~わ」の10行が、「4×3」のマス目状で表示されます。

一番左下のマス目は通常時は顔文字( ^^) など)のマークで、右下が句読点や?、!マークなどですね。

ここで「ゔ」を入力するには、まず平仮名の「あ」の部分をタップし、上にフリック(スライド)入力して「う」にします。

次に「あ」の3つ下に濁点と半濁点のマークがあるマス目があるので、そこをタップします。

これで「う」に濁点がつくので自動的に「ゔ」となります。因みにスマホだと最初から平仮名表記になりますね。

「ヴァイオリン」とか「ヴェール」といった言葉を入力しようとすれば、自動で片仮名表記になります。

「ゔ」を入力する機会は少ないかもしれませんが、覚えておけば何かと役に立ちますよ。


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「ヴ」の平仮名はなぜないの?

ここまでは「ヴ」を平仮名で入力する方法について解説しましたが、どうにも面倒だなぁという印象が拭えないですよね。

そもそも論として、なぜ他の濁音と違って「ヴ」だけは自動でカタカナになってしまうのでしょうか?

調べてみたらちゃんとした理由がありました。

平仮名入力で「ヴ」を入力し、さらに変換候補を出すと「ゔ」の横には「環境依存文字」と表示されています。

環境依存文字とは簡単に言えば、パソコンやスマホの機種やヴァージョンなどに依存し、異なる環境で表示させた場合に、文字化けや正常に表示されない文字のことを言います。

環境依存文字として代表的なのが

  • ローマ数字のⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ
  • 丸囲み数字の①、②、③、④、⑤
  • ギリシャ文字の∑(シグマ)、⊿(デルタ)
  • 面積や体積の㎡、㎢、㎥、㎦
  • 元号を表す㍼、㍻、㋿

などがあります。



環境に依存するから「環境依存文字」と言うんですね、もしくは機種依存文字とも言います。

今この文章を打っているのは、Windows10のパソコンです。


最新の機種であればほぼ問題なく表示はされているはずです。

ですので仮にこの記事を古い機種や環境で閲覧すると、「ゔ」の部分だけ正常に表示されていないかもしれません(;-_-

「ヴ」は外来語にしかない発音だった?

何故「ゔ」は環境依存文字になってしまうのかと言いますと、この文字だけは本来カタカナで表記されなければいけないことになっているからです。

まず「ヴ」という単語は、ローマ字入力で「vu」ですね。


ここで子音が「v」になっていることに注目です。

さて「v」という音は、難しい専門用語を用いると「有声唇歯摩擦音」と言いまして、特に英語やイタリア語、ベトナム語などにしかない音です。

つまり日本語にはない音なんですね!


日本語にある似たような音と言えば、ハ行の濁音であるバ行に該当し、「v」の音がない言語では原則として「バ行」で代用されます。

別にバ行で表記してもいいではないかと思いますが、1991年の国語審議会で「『vが入った外来語』については、できるだけ原音に近い表記にしよう!」という方針を立てて、「v」音を「ヴ」で表現するようにしている形です。

この英語の発音に近づけるという考えは、ローマ字のヘボン式重視にも関係します。詳しくは以下の記事をどうぞ!
ローマ字表記のヘボン式と訓令式の違いは? ヘボン式重視はなぜ?

小学校の授業ではややこしいので「ヴ」で書くべき箇所は「バ行」になっていますが、中学校以降では「ヴ」に統一されている単語も多いです。

■「ヴ」を使った主な言葉を見ていきましょう。

  • ヴァイオリン
  • ヴィンテージ
  • ヴォイス
  • ヴィトン
  • ヴァルキリー
  • ヴォクシー

「ヴ」が入った単語を見てみると、ほとんど外来語なんですね。

日本語にない発音なので当然ですが、外来語はカタカナで表記するというのが一般的です。


しかしカタカナで表記しようにも、「ヴ」だけはそれに該当する平仮名の文字がなかったのです!

手書きで入力する際は単に「う」に濁点をつければいいのですが、コンピュータの場合はそうはいきません。

コンピュータで文字を入力する際は、予め内蔵された文字集合のデータベースから、それに該当する文字を抽出して出力する形をとっています。


簡単に言うとこのデータベースというのが曲者で、古いバージョンのパソコンだとカタカナの「ヴ」しか入っていないのです!

本来ならカタカナで表記されるはずの文字なので、これは無理からぬことかもしれません。


さすがに平仮名での表記がないのはマズいだろうということで、2000年に入ってからこのデータベースが改修されて「ゔ」も追加される形となりました。

こういった経緯で「ゔ」だけは環境依存文字扱いになっているというわけです。

メモ帳に保存する場合は文字コードに注意!

通常ではあまり見られない「ヴ」の平仮名表記ですが、実はメモ帳などで保存する際は注意が必要となります。

実は環境依存文字が入った状態で保存しようとすると、以下のようなメッセージが表示されます。

これは「名前を付けて保存」で、「文字コード(E)」と書かれた部分で「ANSI」形式を選んだ場合に表示されます。

ここでは難しくなるので敢えて簡単に解説しますが、要するに文字コードが「ANSI」だと環境依存文字に適応できないという意味になるのです。


これを避けるためには、文字コードを「ANSI」以外の「UTF-8」、「UTF-16」の形式を選ぶ必要が出てきます。

単に文字コードが変わっただけで、通常の文字入力自体は普通にできます。

というより環境依存文字がたくさん入っているファイルだと、「ANSI」形式は不向きですね。

まとめ

今回は「ヴ」を平仮名表記にする方法と、環境依存文字になっている背景について見ていきました!

参考になりましたら幸いです!

「ヴ」以外だと「ヴァ・ヴィ・ヴェ・ヴォ」の平仮名を出すには、パソコンだと単語登録を使うのがいいでしょう。


日本語にはない難しい音なので、敢えてカタカナで表現し平仮名には未対応だっただけなのです。

難しいからいっそのこと、全ての平仮名に濁音を決めちゃえばよさそうな気もしちゃいますけどね(;^^


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