1年通してカレンダーを見る機会が多い人も多いですね、僕もその一人です。

毎日予定を組んであの日にこれをしよう、この日にあの作業を終わらせないとと、考えを巡らせます。

だけどここでふと疑問に思うことがあります。





「1月1日」とか「2月1日」など、その月の初めの日は漢字で一日と書くのに、「ついたち」と読みますよね。

何で一日と書くのに「いちにち」ではなく、「ついたち」と読むのでしょうか?

もはや当たり前のように使っているので、いざ聞かれてもパッと答えられないですよね。

また他にも「いっぴ」という読み方もありますが、使い分けるとしたらどうすればよいのか?

今回はこれらの疑問について調べてみました、一緒に疑問を払拭していきましょう!


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一日をついたちと読む由来を探った!

そもそも論として、なぜ月の初めの一日を「ついたち」と読むのでしょうか?

1月から12月まで全ての月に「一日」はありますが、全て「ついたち」と読みますよね?

1月1日を「いちがついちにち」とは読みません。


改めてその理由を調べてみたら、実は月の初めの日だけは特別扱いということなのです。

どういうことかといいますと、「ついたち」と読むのは昔の古典の言葉が由来になっているようで、

「月立ち(つきたち)」という言葉が変化したもの

となっているのが背景にあります。

月の最初の日なので、「新たな月が始まる⇒月の出発⇒月立ち」と言われるようになったということです。


中々興味深い理由ですね。

古典の言葉が由来になっていたのですが、もっと詳しく調べたら日本の暦と関係していたのです。

ついたちの読みは音の変化だった?

「ついたち」が「つきたち」という言葉が変化したということですが、違いは“き”が“い”に変わっているだけです。

つまり音が変化しちゃったんですね。

長い年月を経て、言いやすいように変わって言ったなと思いますが、実はこのように音が変化した言葉はいくつもあります。


代表的なのは「書く」という言葉です。

例えば「ここに氏名を書いてください。」なんて言いますが、「書いて」の部分は元々は「書きて」が変化したものです。


これは高校の古典の授業で習うイ音便特有の変化です。

詳しい説明は省きますが、要するに単語に含まれる「き・ぎ・し・り・て」の部分が、「い」に変わる現象となります。


つまり「書いて」という言葉は元々「書きて」だったのですが、「き」の部分が「い」に変わったということです。

他にも都道府県の埼玉とか衝立なんていう言葉も、元々は「さきたま」、「つきたて」と呼ばれていました。

これ同様の理由で、「ついたち」も「つきたち」から変化したということになります。

改めて日本語って面白いですね!


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一日を朔日とも書く?

実は「一日」には別の書き方もあって、それが「朔日」という表記です。

こんな難しい漢字見たことないという人も多いかもしれませんが、実はこの漢字も「ついたち」と読むのです。


また「朔」1語だけでも「ついたち」と読みます。

何だか凄く特別な言葉に見えますが、実は昔の日本の天文学に関係していたのです。

昔の日本の暦は月の満ち欠けで暦を決めていました。

そして月の満ち欠けでは、「月が夜に全く見えない新月の日を、月の最初の日」と定めていたのです。

この月が全く見えない状態を、天文学で「」と呼んでいたんです。

つまり「朔日」とは、「月が全く見えない日」と同義となので、「朔日=一日」となります。


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一日を「いっぴ」と呼ぶ場合も?

月の最初の日は「ついたち」と読む理由は、これにて理解できたと思います。

何気なく使っていた言葉なのですが、ちゃんと歴史的な背景があったんですね。

ところが子供の頃は「ついたち」と読むよう教わったのに、いざ社会人になった後だと職場の同僚や先輩社員の中で「いっぴ」と読む人もいます。

「10月のいっぴまでにあの案件終わらせないとね~。」なんていう使い方をしますよね。

「ついたち」と「いっぴ」、どっちが正しいのかと思われるかもしれませんが、どっちでもいいのです。


「一日」は「一」と「日」に分かれて、それぞれ「いち」、「ひ」と読みますから、「いっぴ」の方がそのままの読みといえます。

もちろん日常会話では、「ついたち」と読むのが適しているでしょう。


このような読みがいつから定着したのかは不明ですが、「いっぴ」と読むのは、それこそビジネスの場面が多いです。

少し難しい話になりますが、役所や会社などで発令日や締め日、重要な予定が組まれた日などが「○月1日」になった時、日付の数字として正式に伝えるという意味を強めるのが目的なのでしょう。

ただしどう読んだとしても通じれば問題ないので、使い分けについてそこまでシビアに考える必要はないでしょう。

■「いちじつ」と読む場合も?

あまり一般的ではありませんが、「一日」は「いちじつ」と読む場合があります。

「一日の長」、「一日千秋」、「一日三秋」などの慣用句として読む場合は「いちじつ」となりますが、これ以外ではほとんど使われません。

豆知識程度でいいでしょう(;^^


まとめ

以上一日を「ついたち」と読む理由と由来についての解説でした。簡単になりますが、今回の内容をさらっとまとめますね。

  • 「ついたち」と読むのは、「月立ち」という言葉が変化したから
  • 「ついたち」は、「一日」の他に「朔日」と書く
  • 「一日」は、「いっぴ」とも読むが、ビジネスの場面が多い



「ついたち」、「いっぴ」、「いちじつ」、同じ「一日」と書くのにこんなに読みがあって、ちょっと複雑に見えますね。

単純な言葉ほど意外な事実が見つかって本当に面白いです!


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