ゲームなどで何かのアイテムを拾った時に、「○○ゲット!」というメッセージが表示されるのを目にします。
さて「ゲット(Get)」というのは英語ですが、これを日本語にすると「~を取る、~を得る」となります。
でも単に「取る」とか「得る」という表現でなく、これらの漢字の2つを合体させて「取得」という表現もしますね。
さらに似たような言葉だと「獲得」という言い方もあります。
「アイテムを取得した!」 or 「アイテムを獲得した!」
一体どちらが正しいんでしょうか?
両方とも同じような意味合いですが、今回はこの2つの言葉の意味の違いと使い分けをきっちりと解説していきます!
今まで深く考えなかったけど、やっぱり両者には明確な使い分けがあったんだ!
「取得」と「獲得」の違いを簡単に!
「取得」と「獲得」、この2つの言葉の意味の違いを簡単に表現するとこうなります!
- 「取得」とは、必要とする物を手に入れること
- 「獲得」とは、大勢の人が狙う中、努力して自分の物にすること
ポイントとなるのは、「取得」が単に手に入れることを意味するのに対し、「獲得」が大勢の人が狙うような難易度の高い物を、努力や奮闘して入手することを意味します。
要は競争しているかしていないか、どれだけ入手難易度が高いかで分かれます。
漢字の意味を細かく!
ではどうして上のような意味の違いになるのか、漢字を分けて解説していきます。
「取得」と「獲得」、違っているのは最初の一文字だけですね。
「取」と「獲」ですが、実は両方とも訓読みで「取(と)る」と「獲(と)る」で同じなんです。
ではこの2つの言葉がそれぞれどういう意味になるのか、簡単に説明するとこうなります。
- 「取る」は、自分の物にする、手に入れること
- 「獲る」は、競争に勝利する、力ずくで取る、努力して手に入れる、狩りや漁で獲物を捕まえること
見てわかるように「獲る」の方が意味が多いです。
これはweblio類語辞典で調べたのですが、やはり「勝って奪い取る」というニュアンスが含まれていますね。
以上のことから「獲得」という言葉は「獲って得る」となり、
- 何かに勝利して得る
- 力ずくで得る、奪い取る
- 努力し続けた結果得る
という意味に転ずるわけです。
『いきなり黄金伝説』で有名な「獲ったどー!!」とかまさにこの意味だね。
「取得」と「獲得」を使い分けよう!
それでは実際に6つの例文を用いて2つの言葉を使い分けてみましょう。
- 普通自動車運転免許を取得する
- 1000円以上買ってギフト券を取得する
- ユーキャンで資格を取得する
- 男子マラソンに優勝し金メダルを獲得する
- ドラゴンを倒し秘宝を獲得する
- 忘年会のビンゴゲームで景品を獲得する
「取得」に関しては努力しなくても得られる物、待っていれば自動的に得られる物、必然的に得られる物に使われます。
「獲得」に関しては努力しないと得られない物、困難に向かわないと得られない物、また運が良くないと得られない物に使われます。
上の①と②の例文は運転免許証とギフト券ですが、両方とも入手するのにそこまで難易度は高くないものと言えますね。
③は資格になりますが、取るのに難易度が高いものもああれば低いものもあって様々なので、「取得」が適しています。
資格や権利、普通の物品などが対象になっている場合は「取得」だね。
次は④と⑤と⑥の3つですが、それぞれ「獲得」が適しています。
まず④はオリンピックの男子マラソンという競技で、まさに競い合って勝ち取ったことになるのでわかりやすいですね。
次に⑤に関しては、ゲームの中のシチュエーションを想定しています。
ダンジョン内の奥深くに潜むドラゴンという強敵を倒すには相当な苦労が必要になりますが、この場合はドラゴンが守っていたお宝を“奪い取る”という意味にもなりますね。
最後の⑥については、「ビンゴゲーム」という運要素が強いゲームで運良く景品が当たった、という意味になりますね。
努力とか何もしていないですが、運が良くないと手に入らない希少な物、という意味合いになるのでやはり「獲得」が適します。
幸せは歩いてこないから、「取得」じゃなくて「獲得」だね。
強いモンスターを苦労して倒した結果、というニュアンスを強めるために敢えて用いていますが、単に「取得経験値」という場合もあります。
これは通常のモンスターを倒した時に多いです。特にレベル上げなどでモンスターを倒すことが増えると、“作業”という意味合いが強まるからですね。
調べてみると「取得」や「獲得」以外にも「〇得」という言葉はいくつかあります。代表的な類義語を挙げますね
- 習得
- 拾得
- 会得
技術や知識を習って自分のものにする、「書道を習得する」
物を拾って手に入れる、「ハンカチを拾得した」
物事の意味や本質を理解して自分のものとする、「一流バッターの技術を会得する」
英語での表現の差異は?
さてこれまでは「取得」と「獲得」の意味の違いと使い分けを解説してきました。
となると、英語での表現はどう異なるのか気になりますね。
もちろんこれについても調べたのですが、「取得」と「獲得」は実は以下の英単語で共通しています。
- get
- gain
2つとも「~を手に入れる、~を得る」という意味ですね。
「get」については低学年でも習いますが、「gain」となるとやや水準が高くなります。
「使い分けなくてもいいのでは?」と思いがちですが、実は「gain」の方は「競争して得る、努力して手に入れる」の意味合いが含まれています。
つまり
- 取得=get
- 獲得=gain
ということになります。
因みに「取得」については、他にも「obtain」という英単語も同じ意味になるよ。
たださらに調べると、実は「獲得」の方はさらに細かく英単語が指定されているようです。ほかにも
- acquire=努力して得る、身につける
- win=勝利して得る、勝ち取る
- secure=努力して得る、確保する
などがありますが、どれも割と難しい表現で、大学入試センター対策レベルですね。
使い方はそれぞれ
- acquire wealthで「富を獲得する」
- win a gold medalで「金メダルを獲得する」
- secure a prizeで「賞を獲得する」
となります。
3番目の「secure」については、「安全な」を意味する形容詞としても使われます。
文中で出てきた時は、形容詞か動詞かで間違えやすいですから気を付けましょう!
まとめ
以上「取得」と「獲得」の違いについてでした!では今回の内容を振り返ってみましょう。
- 「取得」は単に手に入れる時、「獲得」は競走したり努力して勝ち取った時に用いる
- 英語では「取得」が「get」、「獲得」が「gain」、「acquire」、「win」、「secure」などが当てはまる
日本語でも意味は異なっているので、英語の「get」と「gain」をそれぞれ和訳する時は注意しましょう!
ガチャなどでSSRキャラやURキャラが出た時は、「獲得した!」と言うのが適格だね。
逆に嫌というほど手に入るRキャラやSRキャラは最早「取得」だね。