見た目がでかいミカンに見える果物といえば「グレープフルーツ」ですね。
名前に「グレープ」が入っていますが、「ぶどう」の仲間ではありませんよ。れっきとした柑橘類です。
カタカナ8文字もありますが、漢字でどう書くか知っていますか?
でかいミカンだから「巨大蜜柑」とかになりそうだけど、全然違う気もする
これこそ当て字で、「郡零付果物」かな?
やっぱり漢字で書くと凄く悩ましい果物になります。
そもそも漢字表記があるのか、それすら怪しいですが今回は「グレープフルーツ」の漢字表記を詳しく見ていきましょう!
実は「グレープ」の部分はそのまま漢字にしていいんだ
「グレープフルーツ」を漢字で書くとどうなる?
「グレープフルーツ」の漢字表記ですが、実は調べたらちゃんとあったんです。そしてちょっと意外な漢字が含まれます。
「葡萄」って「ぶどう」の漢字表記じゃ?
この三文字で「グレープフルーツ」を意味します。
しかし見てわかるように、「ぶどう」の漢字である「葡萄」が使われています。
見た目は全然ぶどうじゃないのに、そのまま英語名からとってきたのでしょうか?
由来を探ると少し意外な事実がわかってきました。「グレープフルーツ」の意味と合わせて詳しく解説していきます!
「葡萄柚」の意味と由来とは?
「葡萄柚」と書く由来ですが、結論から言いますと、「グレープフルーツ」の漢名、つまり中国語表記にあたります。
発音は「葡萄」が「プータオ」、「柚」が「ユウ」と発音します。合わせて「プータオユウ」、これで「グレープフルーツ」です。
中国語辞書のサイトで「グレープフルーツ」と検索すると、確かに「葡萄柚」という表示があります。
そもそも「グレープフルーツ」が日本に伝わったのは大正末期から昭和初期と、やや遅かったこともあり日本独自の和名が付けられずそのまま普及しました。
しかし中国では、どんなカタカナ名も漢字表記に直します。
その結果つけられたのが「葡萄柚」という表記ですが、一体全体どういう理由でつけられたのでしょうか?
「グレープフルーツ」の「グレープ」とは?
そもそもどうして「グレープ」という単語がついたのか?
それは「グレープフルーツ」という果物が樹に実る時、樹の枝に10房前後できている光景がまるでグレープ(=grape、ブドウ)のように見えることが由来となっています。
上の画像を御覧ください。
オレンジやミカン等の柑橘類は、実が一つずつ別れて実っていますが、グレープフルーツは他の柑橘類と違い、葡萄の房のように、複数の実が密集して実るわけです。
なるほど、確かに「ぶどうの房」っぽく見えるかも
中国にとっても「グレープフルーツ」は海外から伝わった果物なので、英語から漢字表記を考えるしかありませんでした。
では改めてどうして「葡萄柚」という表記になったのでしょうか?
「葡萄柚」は日本語の意味だけで考えたら「葡萄と柚(子)」となりますが、中国語だと「葡萄」は日本語と同じ意味ですが、「柚」は「文旦(ざぼん)」と同じ意味になります。
グレープフルーツと柚子はそのサイズが2倍ほど違いますが、文旦はサイズ的にほぼグレープフルーツと同じです。
つまり中国語の方が、的確にグレープフルーツの特徴を表しています。
元々グレープフルーツは、文旦とオレンジとの交配で生まれたんだよ
おまけ:「オレンジ」の漢字表記は?
同じ柑橘類の果物である「オレンジ」の漢字表記も気になったので、紹介しましょう。
「オレンジ」を漢字で書くと、「甘橙」となります。これはれっきとした和名です。
「橙」が「柑橘」を意味するので、「甘い柑橘」となり、まさにオレンジの意味通りになります。
因みに中国語表記は和名と異なり、「橙子」もしくは「橘子」と書きます。
まとめ
今回は「グレープフルーツ」の漢字表記の紹介でした。それではおさらいしましょう!
- 「グレープフルーツ」を漢字で書くと「葡萄柚」、中国語表記で発音は「プータオユウ」
- 「グレープフルーツ」の「グレープ」は、実がぶどうの房のように実ることから付けられた
- 「葡萄柚」の「柚」は「文旦」の意味
- 「オレンジ」の漢字は「甘橙」、中国語表記は「橙子」もしくは「橘子」
長いカタカナ名でしたが、漢字表記にそのまま「葡萄」と入っていたのは意外でした。
漢字クイズとして出題するなら、あまりいい引っ掛けにならないかもしれませんね。
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