粗毛に覆われ中身が緑色の果物、といえば「キウイ」ですね。

よく夕食後のデザートとして、私も食べています。あの独特の食感が癖になります。

でもカタカナ3文字しかない果物ですが、漢字に直すとどう書くかわかりますか?

鶴弟子鶴弟子

毛で覆われた果物だから「毛果物」かな?

鷲弟子鷲弟子

やっぱり当て字で「木卯亥」かな?

たったカタカナ3文字ですが漢字で書けたら、自慢できるかもしれませんよ。ということで「キウイ」の漢字を詳しく見ていきましょう!

フクロウ教授フクロウ教授

実にいろいろな表記があったんだ!

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「キウイ」を漢字で書くとどうなる?

キウイ」の漢字表記ですが、調べたところかなり多いことがわかりました!

支那猿梨

鬼木天蓼

獼猴桃

奇異果

幾維果

陽桃

毛梨

藤梨



鳩弟子鳩弟子

うわ!とても予想外な表記ばかりだ

全部で8つありますが、中でも際立っているのが最初の3つの表記ですね。漢字自体も難しいです。

それぞれの表記の詳しい意味と由来を探っていきましょう!


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「支那猿梨」と「鬼木天蓼」の意味と由来

支那猿梨」は「シナサルナシ」、「鬼木天蓼」は「オニマタタビ」と読み、それぞれ「キウイ」の和名です。

日本にはキウイという果物はなかったので、当然日本語での漢字表記はありません。


キウイはニュージーランドで栽培が開始された果物です。しかしそれ以前に中国に旅行にきていた、ニュージーランド人がキウイフルーツの起源となる植物を持ち帰り、それを自国で品種改良したのが現在のキウイフルーツに繋がっています。

その起源となった中国の植物はマタタビ科マタタビ属の落葉蔓性植物で、その名前が「支那猿梨」となります。

そして別名が「鬼木天蓼」と言うわけで、この2つが「キウイ」の和名に用いられることになりました。

「猿梨」とは?

そもそも「猿梨(サルナシ)」という植物は、マタタビ科マタタビ属の落葉性蔓性植物になるのですが、実はその分布は中国だけでなく朝鮮半島、日本も含めます。

日本でも本州中部の内陸部では山間部で自生しています。

そこで「中国の猿梨の植物」という意味合いを強めるため、キウイに当たる植物を「中国」と同じ意味の「支那」という形容詞をつけて「支那猿梨」と表記するようにしたわけです。


因みに単なる「猿梨」でも、「キウイ」と同じような果実が実ります。

この場合「ベビーキウイ」と区別されて、無毛で大きさも2〜3cm程度にしか育ちません。

フクロウ教授フクロウ教授

小さいキウイ、だから「ベビーキウイ」なんだね

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「獼猴桃」の意味と由来

3つ目に登場するのが「獼猴桃」ですが、これは「キウイ」の中国語、つまり漢名になります。

日本語での発音は「ビコウトウ」なのですが、中国語での発音は「ミーホータオ」となります。

「獼猴」は中国語で「アカゲザル」、「桃」は中国語で「桃に似た果実」を意味し、「猿が好んで食べる果実」という由来から付けられました。

「奇異果」と「幾維果」の意味と由来

実は「キウイ」の表記は3つだけではありません。

奇異果」という表記もあるのですが、何とこれは音訳、すなわち当て字の表記です。

発音は「チーイーグオ」、「奇」は「チー」、「異」は「イー」と日本語と同じ、最後の「果」は「グオ」と発音します。


しかし中国語での発音だと英語の「キウイ」と近くないですが、台湾語だと「キーイーコー」と発音し、英語と近くなります。

このため台湾では「奇異果」と呼ぶのが一般的です。

因みに台湾ではほかにも「幾維果」という表記もあり、こちらは「ジーウエイグオ」と発音します。やはり当て字です。

「陽桃」の意味と由来

次に紹介する表記は「陽桃」です。これも中国語表記です。

ほかにも「羊桃」や「楊桃」という表記もあるのですが、いずれも発音は「ヤンタオ」となります。

「キウイ」を意味しますが、この漢字はほかにも「スターフルーツ」や「ヤマモモ」を意味することもあるので注意が必要です。

「毛梨」と「藤梨」の意味と由来

最後に紹介するのは「毛梨」と「藤梨」の2つです。

この2つもやはり中国語表記です。発音はそれぞれ「マオリー」、「トンリー」となります。


「毛梨」の由来ですが、「キウイ」が「毛が生えた梨のような果物」に見えるから、そのまま「毛梨」になります。

次の「藤梨」ですが、「藤」には実は「蔓の」という意味があります。

「キウイ」が「蔓性の植物」だから「藤の梨」となって、「藤梨=キウイ」となるわけです。

おまけ:「キウイ(kiwi)」の語源とは?

ここからは「キウイ(kiwi)」の語源について、解説していきます。

そもそも英語で「kiwi」となった由来は、その姿形がニュージーランドに生息する国鳥の「kiwi」に似ているからです。

こちらがその鳥の動画です。

毛がフサフサしていること、全体的に丸みを帯びていることから、確かに「キウイ」に似ていますね。

ただし昔は原産地が中国であったことから、「チャイニーズグーズベリー(Chinese gooseberry)」とも呼ばれていました。

まとめ

今回は「キウイ」の漢字表記の紹介でした。では総まとめです。

  • 「キウイ」の漢字は「支那猿梨」と「鬼木天蓼」と「獼猴桃」と「奇異果」と「幾維果」と「陽桃」と「毛梨」と「藤梨」の8つある、
  • 「支那猿梨」は日本語で「シナサルナシ」と読む、キウイの原産の植物名が由来
  • 「鬼木天蓼」は日本語で「オニマタタビ」と読む、「支那猿梨」の別名
  • 「獼猴桃」は日本語で「ビコウトウ」、中国語で「ミーホータオ」と読む、「猿が好んで食べる果実」が由来
  • 「奇異果」は「キウイ」の音訳、中国語で「チーイーグオ」、台湾語で「キーイーコー」と読む
  • 「幾維果」も音訳、台湾語で「ジーウエイグオ」と読む
  • 「陽桃」は中国語で「ヤンタオ」と読む
  • 「毛梨」は中国語で「マオリー」と読む
  • 「藤梨」は中国語で「トンリー」と読む
  • 「キウイ(kiwi)」の語源はニュージーランドの国鳥「kiwi」から



カタカナ3文字なのに、漢字になおすと凄く難しく、かついろいろな種類があって驚きです。

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