フランス料理やイタリア料理でよく用いられる食用キノコといえば「エリンギ」ですね。

歯ごたえが良く食感は松茸やアワビによく似ています。2014年には食用きのこを製造する株式会社ホクトの長さ59cmエリンギが、世界最長キノコとしてギネス認定もされました。

ではその「エリンギ」は普段カタカナでしか見ませんが、漢字でどう書くか知っていますか?

鷲弟子鷲弟子

松茸に似ているから「疑似松茸」とかかな?

鳩弟子鳩弟子

やっぱり当て字で「絵輪木」とか?

そもそも「エリンギ」に漢字表記ってあるのか、それすら怪しいですが今回は「エリンギ」の漢字表記を詳しく見ていきましょう!

フクロウ教授フクロウ教授

予想外の3文字になったよ

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「エリンギ」を漢字で書くとどうなる?

「エリンギ」の漢字表記ですが、実は調べたらちゃんとあったんです。こう書きます。

杏鮑菇



鶴弟子鶴弟子

一体全体どうしてこんな表記に?

正直この3文字で「エリンギ」になるって、想像できないですよね。

そもそも漢字の「茸(きのこ)」すらありません。一体どうして「エリンギ」の漢字が「杏鮑菇」となるのか、詳しく解説していきます!


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「杏鮑菇」は中国語表記?

杏鮑菇」とは「エリンギ」の漢名、つまり中国語表記にあたります。

発音は「シィンバオグー」、「杏」が「シィン」、「鮑」が「バオ」、「菇」が「グー」と発音します。これで「エリンギ」です。

中国語辞書のサイトで「エリンギ」と検索すると、確かに「杏鮑菇」という検索結果が出てきます。


そもそも「エリンギ」は正式名称が「プレウロタス・エリンギ」、地中海原産の茸で日本では自生していない茸でした。

初めて日本で人口栽培が行われたのが、1993年と平成になってからで、当然漢字による和名も作られなかったわけです。


しかし中国では、どんなカタカナ名だって漢字表記に直します。

その結果として付けられた名称が「杏鮑菇」ですが、一体全体どういう理由でつけられたのでしょうか?


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「杏鮑菇」の由来とは?

「杏鮑菇」の発音は「シィンバオグー」でしたね。

この発音から察するに、「エリンギ」とはかけ離れているので、音訳で作られた表記でもなさそうです。


ということは意味から付けられた表記となります。「杏鮑菇」を1文字ずつ解釈していきますと

  • :日本語で「杏」の意味
  • :日本語で「鮑」の意味
  • :日本語で「茸」の意味

3つ全部合わせると「杏と鮑のような茸」となります。杏とは果物の「アンズ」、「鮑」とは海産物の「アワビ」を意味します。

アワビについては食感がそれと似ているから容易に想像できますが、問題はアンズの方ですよね。

正直エリンギをどう見たってアンズには見えませんが、これは恐らくエリンギを焼いた後の傘の部分を指していると思われます。

上がアンズの画像ですが、エリンギの傘の部分は焼いた後は色が茶色で形が大きな円形となります。

確かにその見た目は、アンズと見えなくもないので、「杏」という漢字が採用されたのも頷けます。

つまり「食感がアワビに似ていて、アンズのように見える茸」、だから「杏鮑菇」となったわけです。


因みに同じ「茸」系統の中国語表記として「冬菇」または「香菇」と表される茸もあります。これが日本語の「シイタケ」に該当します。

「エリンギ」の幻の和名とは?

「エリンギ」は先程も説明したように、地中海原産の茸なので、日本での和名はありません。

市場に出回っている物は全て栽培産品なので、学問上和名が定着しませんでしたが、実はなかったわけではありません。


かつて栽培生産者が販売に際して「じょうねぼう」や「かおりひらたけ」、「みやましめじ」、「白あわび茸」といった案を出してなんとか定着させようとしましたが、残念ながら普及に至りませんでした。

恐らくカタカナの「エリンギ」の方がシンプルで覚えやすかったから、後は日本での栽培が広まったのが平成以降とカタカナ英語に抵抗がなくなっていたことが背景にあります。

因みに「エリンギ」とは英語ではなくイタリア語が語源で、正式な綴は「eryngii」となります。

フクロウ教授フクロウ教授

「エリンギ」といえばにんにくと炒めたソテーが大人気レシピだよ



まとめ

今回は「エリンギ」の漢字表記の紹介でした。それではおさらいしましょう!

  • 「エリンギ」を漢字で書くと「杏鮑菇」、中国語表記で発音は「シィンバオグー」
  • 「エリンギ」の和名による漢字表記はない
  • 「エリンギ」の語源はイタリア語の「eryngii」から



今回は以上です、最後までご覧いただきありがとうございます。

その他気になる果物の漢字については、以下の記事をどうぞ!




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