柚子にそっくりだけど緑色の皮に包まれている果物といえば、「カボス」ですね。

柚子と同じ柑橘類の仲間ですが、酸味に富む独特の香りで刺し身や焼き魚などの薬味、さらに地域によっては味噌汁や麺類、焼酎にも風味を付けるため垂らすこともあります。

正直あまり見慣れない人も多い果物かもしれませんが、漢字でどう書くか知っていますか?

鷲弟子鷲弟子

緑色の柚子だから「緑柚子」かな?

鳩弟子鳩弟子

当て字で「香暮酢」でしょ?

やっぱり漢字で書くと凄く悩ましい果物になりますね。

そして「カボス」と見た目がそっくりな「スダチ」との違いも気になります。

今回は「カボス」の漢字表記を詳しく見ていきましょう!

フクロウ教授フクロウ教授

「カボス」と「スダチ」はサイズが全然違うよ

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「カボス」を漢字で書くとどうなる?

「カボス」の漢字表記ですが、調べたら主に以下の2種類あることがわかりました。

臭橙

香母酢



鶴弟子鶴弟子

「臭う橙」で何で「カボス」なんだ?

これら2つとも「カボス」を意味します。

2つ目は何となく当て字ってぽく見えますが、1つ目は意外な表記ですよね。

改めてこれらの表記がどうして「カボス」となるのか、詳しく見ていきましょう!


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「臭橙」の意味と由来とは?

「カボス」とはミカン科の常緑広葉樹またはその果実で、柚子の近縁種にあたります。

臭橙」と書く由来ですが、結論から言いますと同じミカン科の果実「ダイダイ」の漢字と同じです。

正月の飾りや鏡餅に乗せるみかんそっくりの果物ですが、「ダイダイ」は漢字で「橙」とも書きますし実は「臭橙」とも表記します。

フクロウ教授フクロウ教授

実は「カボス」も熟したら、黄色くなるんだよ

実は「カボス」はその名前の由来がはっきりとしていません。

日本で最初に栽培されたのが大分県とされていますが、実は「カボス」と同じような果物の記述は平安時代の「本草和名」という書物にもあります。


当時の日本人は「カボス」を「ダイダイ」の一種とみなし、「カブチ」とか「カブス」などと呼んでいました。

ほかにも1603年に刊行された『日葡辞書』には「cabusu」という記載があります。

さらに1709年に刊行された貝原益軒の生物学書『大和本草』によれば、乾燥した皮をいぶして蚊よけに使った果物を「カブス」と呼んでいました。


この「カブス」がダイダイ(橙)を指しているとされているので、「ダイダイ」の漢字である「臭橙」の表記が採用されたことになります。

わざわざ「臭」という漢字があるのは、同じ仲間である「ダイダイ」と区別するためでしょう。


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「香母酢」の由来とは?

2つ目の表記は「香母酢」ですが、これは「カボス」の音に当てて作られた当て字です。

  • 香:音読み「カ」、「香織(カオリ)」など
  • 母:音読み「ボ」、「母校(ボコウ)」など
  • 酢:音読み「ス」、「酢物(スモノ)」など

見ての通り全て音読みで繋げたら、「カボス」になります。


ただし音だけで作られた表記ではありますが、「カボス」が香りが良い果物で、酢としても利用されるので、しっかりと特徴を表した素晴らしい表記だと言えますね。

「臭橙」だと「ダイダイ」と混同されやすいので、「香母酢」と書いてあげたほうが確実に伝わります。

「スダチ」との違いは?

実は外見と中身が「カボス」にそっくりな果実がもう一つあって、それが「スダチ」です。

両方とも見たことある人は多いでしょう、「スダチ」もやはり揚げ物や刺し身に果汁を絞ってかける果物でお馴染みです。

では「カボス」と「スダチ」ってどう違うのでしょうか?簡単に説明するとこうなります。

  • カボス:漢字で「臭橙」、「香母酢」、大きさがテニスボールほど、主生産地が大分県、酸味はまろやか
  • スダチ:漢字で「酢橘」、大きさがゴルフボールほど、主生産地が徳島県、酸味が強い

見た目は両方とも緑色をしていますが、大きさで区別しましょう。


因みに中国語表記は和名と異なり、「橙子」もしくは「橘子」と書きます。

「カボス」及び「スダチ」を英語で言う?

「カボス」と「スダチ」の漢字表記を紹介してきましたが、一方で英語でもどう表現するか気になります。

結論から言うと「カボス」は英語で「kabosu」、「スダチ」は英語で「sudachi」となります。

両方ともそのまま日本語をローマ字表記して大丈夫です。


ただし英語圏の人に「kabosu」とか「sudachi」と言っても正直通じないと思うので、敢えて英語で説明するとしたらこうなります。

Kabosu and sudachi are species of Japanese citrus fruit.
「カボスとスダチは日本産の柑橘類の果物です。」

「ライム(lime)」とは違う?

柑橘類に詳しい人なら、「ライム」という果物もご存知でしょう。

英語で「lime」と書きますが、実はこの果物も見た目は緑色の果皮をした小振りの柑橘類で、やはり「カボス」や「スダチ」と似ています。


サイズは檸檬より小さく、酸味が「カボス」や「スダチ」よりも強いのが特徴です。

日本に出回っている「ライム」の大半がメキシコ産です。そして輸入ライムには種がないのも特徴です。

見た目的にほぼ似ていますが、「カボス」や「スダチ」と間違えないようにしましょう!

まとめ

今回は「カボス」の漢字表記の紹介でした。それではおさらいしましょう!

  • 「カボス」を漢字で書くと「臭橙」と「香母酢」
  • 「臭橙」は「ダイダイ(橙)」の別名
  • 「香母酢」は当て字
  • 「スダチ」の漢字は「酢橘」、「カボス」に比べて小さく酸味も強い
  • 「カボス」は英語で「kabosu」、「スダチ」は英語で「sudachi」



普段は焼き魚にレモン汁しかかけない人は多いかも知れませんが、気分を変えてたまには「香母酢」や「酢橘」を添えてみましょう。

同じ柑橘類の「グレープフルーツ」の漢字表記については以下の記事をどうぞ!




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