観賞用としても植物といえば「アロエ」ですね。
あるいは食用としても人気があります。カタカナ3文字、果たして漢字でどう書くでしょうか?
うーん、これは見当も付かないな
やっぱり当て字で考えて「亜露栄」かな?
たった3文字のカタカナ表記ですが、やはり漢字で書けと言われたら迷いますね。
ということで「アロエ」の漢字表記とその由来を詳しく見ていきましょう!
2文字になるけど、凄く難しい漢字を使うみたいだ
「アロエ」を漢字で書くとどうなる?
「アロエ」の漢字表記があるのかと思いたくなりますが、実はちゃんとあります!
うわ、なんて難しい字だ!
ご覧のようにかなり難し目な表記になります。正直この2文字で「アロエ」と読むのは想像しにくいですよね。
この表記の由来を探ると、実は日本語ではないことが判明しました。
やはりというか、お隣の中国語から来ています。詳しく見ていきましょう!
「蘆薈」は漢名から
「アロエ」とはツルボラン亜科アロエ属の植物の総称で、多年草であり多肉植物としても知られています。
アジアではなくアフリカ大陸が原産とされ、エジプトやギリシャでは紀元前からその利用が確認されています。
日本には鎌倉時代に伝来したとされていますが、当時の日本人はこの植物を「蘆薈」と表記し、「ロカイ」と読むようにしました。
「蘆」が音読みで「ロ」、「薈」が音読みで「カイ」だよ
漢字表記の由来は中国人が音訳した「蘆薈」をそのまま採用しています。現在の中国でも同様の表記ですが、簡体字だと「芦荟」とかなり簡単になります。
簡体字は中国本土やマレーシア、シンガポールで用いられる表記で、繁体字は香港や台湾、マカオで用いられる表記です。
発音はともに「ルーフェイ」、実は「アロエ」の「ロエ」を音訳している形になります。
「芦荟」の意味を詳しく!
「芦荟」の「芦」の意味は「葦」という植物、「荟」の意味は「植物が生い茂る」、合わせて「葦が生い茂る」という意味になります。
「アロエ」が中国に自生していた「葦」に似ていたので「芦(蘆)」という漢字が採用されたわけです。
「アロエ」の語源は古代アラビア語から
ここで少し疑問に出てくることがあります。
「アロエ」をそのまま音訳したのが「蘆薈」ですが、最初の「ア」の部分がありません、何故でしょうか?
当時の中国人が「ルーフェイ」と発音する「蘆薈」という漢字にしたのは、古代アラビア語の言葉にあります。
「アロエ」とは英語で「aloe」と書きますが、この言葉は古代アラビア語の「alloeh(苦味のある)」に由来しています。
アラビア語だと最初の「a」を発音せず、それを除いて「ロエ」と発音していました。だから中国語でも「蘆薈」で「ア」の部分がないわけです。
様々な種類の「蘆薈」
一言で「アロエ」と言っても実は様々な種類があります。それらの漢字表記と意味についても紹介していきましょう。
- キダチアロエ:「木立蘆薈」、観賞用、食用として家庭でも多く栽培されるアロエ
- アロエベラ:「真蘆薈」、食用が主な用途、原産地は不詳
- ケープアロエ:「青鰐蘆會」または「猛刺蘆會」
「アロエ」を英語で言うと?
「アロエ」を英語で言うとそのまま「aloe」、日本語の「アロエ」は英語が由来となっていたんです。
しかし発音にはかなり注意が必要で、最後の「e」の部分はほぼ発音せず、「アロウ」となります。
日本語の「アロエ」を引きずってそのまま言っても、英語圏の人には通じないので気をつけましょう!
「リュウゼツラン」とは違う?
「アロエ」に見た目がそっくりな植物として「リュウゼツラン」があります。
「アガヴェ」とも呼ばれていますが、やはり「アロエ」と同じく食用、観葉植物として広く栽培されています。
しかし「アロエ」がツルボラン科なのに対し、「リュウゼツラン」は「リュウゼツラン科」に属します。
分類群がそもそも異なるので、全く別の植物と考えてもいいです。
因みに「リュウゼツラン」を漢字で書くと「竜舌蘭」となります。
まとめ
今回は「アロエ」の漢字表記の紹介でした。では内容をおさらいしましょう。
- 「アロエ」を漢字で書くと「蘆薈」
- 「蘆薈」は漢名、中国語で発音は「ルーフェイ」
- 「蘆薈」は繁体字、「芦荟」は簡体字
- 「蘆薈」は古代アラビア語の「alloeh」の発音をもとに考案された当て字
- 「アロエ」を英語で言うと「alloeh」、発音は「アロウ」
- 「アロエ」に似た「リュウゼツラン(竜舌蘭)」は別グループの植物
「アロエ」は生薬としても使われる植物ですが、ヨーグルトと組み合わせた「アロエヨーグルト」も最高です。
その他気になるカタカナの野菜の漢字表記については、以下の記事をどうぞ!
健康に良いとされる乳製品といえば、「ヨーグルト」ですね。 もしかしたら毎日のように食べる人もいるのではないでし …
ニュージーランドの鳥の名前が由来の果物「キウイ」は漢字で書くと凄く意外な表記になり、さらに種類が豊富にあります。漢字表記の意味と由来と読み方、さらに台湾語ならではの独特の表記についても探っていきます!