日本全国の高校生にとって悩みの種となるのが文系・理系の選択と思います。

通称文理選択と呼ばれていますが、大学受験に合格するため、あるいは将来どんな仕事に就くかにおいて本当に大事な選択となります。

自分にとってどっちがいいかなんてすぐには判断できず大抵は親か教師との面談などを重ねたり、自分の得意不得意分野をしっかり見極めた上で判断するという高校生が多いですね。

かくいう僕自身も高校生は文理選択を経験しています。

結局自分の場合は数学や物理といった理系科目が得意だった(というより興味があった)ので、そこまで深く悩むことはあまりなかったです。というより文系の科目が自分にとって退屈過ぎたというのも理由にありますがね。

僕の場合は高校2年生に進級する際に文理選択をして、2年生から理系として数学、物理、化学の3科目を重点的に学び始めました。

この時点ではやはり僕自身としても将来の職業は明確に決まっていませんでしたが、多くの高校生にとっては本当に悩みどころです。むしろ将来の目標が明確に決まっていれば苦労はありません。

ということで今回は文理選択が決まらないという高校生のために、僕自身の体験談や考えも交えながらどういった感じで決めればよいのか詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください!



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文理選択で決まらないときの判断材料は?

文理選択が決まらない!迷ったらどっちを選べばいいのか?」についてですが、正直明確にどっちだと判別できるのは本当に難しいです。

基本的に文系と理系、どっちを選択すべきか迷った時のポイントとしては以下の2つになるでしょう。

  • 自分が将来なりたい職業で選択する
  • 自分の得意・不得意科目から判断する



ただし以下のような安直な理由で判断するのは好ましくありません。

  • 数学が苦手だからと言う理由で文系を選択する
  • 就職しやすいからと言う理由で理系を選択する

それぞれ順番にどういうことか、細かくそのポイントを解説していきます、長くなりますが最後までお付き合いください。

自分が将来なりたい職業で選択する

文理選択で迷った時に最も大きな判断材料となるのが、将来自分がどういった仕事をやりたいか、ということですね。

教師と親との三者面談や個別面談でもこのことについてはしつこく聞かれる高校生は本当に多いと思います。

将来自分が何になりたいかを明確に決められているのであれば、自ずと判断しやすくなります。そこで文系と理系の双方でどういった職業があるのか具体的に紹介していきます。

  1. 文系の場合
    • 法律関係:弁護士、弁理士、行政書士、司法書士、税理士
    • 言語関系:通訳案内士、翻訳家
    • 経営系:経営コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー
    • 心理関係:心理療法士、心理カウンセラー、スクールカウンセラー
    • 福祉系:社会福祉士、社会不保険労務士
    • 文学系:推理作家、小説家、放送作家
    • 公務員系:学校事務職員、教員、官僚


  2. 理系の場合
    • 医療関係:医師、歯科医師、薬剤師
    • IT関係:システムエンジニア、ネットワークエンジニア
    • 航空関係:パイロット、航空管制官
    • 宇宙関係:宇宙飛行士
    • デザイン関係:工業デザイナー、音響技術者
    • 電気関係:電気工事士、電気主任技術者、測量士
    • 建設関係:ビル管理技術者、建設コンサルタント、建築士事
    • 大学、研究所、民間企業で携わる研究・開発関係の仕事



上記に該当する職業に興味や関心があれば自分がどっちに行けばいいのかすぐに決まります。

特に人気の高いのが理系であればパイロットや宇宙飛行士、システムエンジニアで、文系であれば弁護士や官僚、教員あたりですかね。

もちろん単純に年収や待遇面が高いというのも理由にありますが、基本的に人気の高い職業ほど倍率は上がっていきます。

中には難しい国家試験に合格しないとなれない職業も少なからずあります。

一朝一夕でなれる職業は少ないと言えます、だからこそ大学で専門知識について4年間しっかりと学べる期間があると考えることができるのです。


例えば法律関係の仕事に就きたいのであれば法学部に、経営系の仕事に就きたいのであれば経済学部に入れば大学生の時にそれらの専門科目について多く学べるのでその時点で有利になります。

自分も過去に公務員試験にトライしていた時期があったのですが、法律関係の科目が多かったので大学の時に法学部だったらよかったと後悔しています。
公務員試験勉強は独学では無理? 教養・専門科目で覚える量が多すぎ!

こういった事情もありますから、より高度な専門知識が必要になる職業に就きたい方は高校生の文理選択はかなり慎重に判断しないといけないでしょう。

自分の得意科目から決めるのもアリ?

文理選択を判断するのが高校1年生の冬あたりになりますが、この時点だとそもそも将来の夢が決まっていない高校生の方が圧倒的に多いことでしょう。

結局多いパターンとしては、現時点で自分が得意な科目はどっちが多いのか?ということですね。

事実僕もそうでした。

自分の場合は単純に理系科目が得意だったというのもあるのですが、それ以前に数学や物理、化学に単純に興味があったからというのが大きいです。

ただし受験する科目が多く覚える量が多くて大変だったのは理系の悩みどころです。

国公立大学2次試験で必修だった科目が英語・数学・物理・化学の4科目、さらにセンター試験の関係で国語と地理も履修しなければいけなかったので本当に大変でした。

文系の生徒であれば一部の国公立大学を除いて2次試験やセンター試験で数学を除いている場合があるので、数学が苦手で国語や英語、社会系の科目が得意であれば文系を選択しがちです。


なので多くの生徒の場合は

  • 国語や英語、社会科目の方が得意だから文系
  • 数学や物理、化学科目に対して苦手意識がないから理系

ということになりがちですね。

これに合わせて単純に勉強する科目の量が理系に比べて少ないからという理由というのも候補にあります。


特に現在の日本では学生の間で理科離れが顕著になってきていると言われていますが、高校1年生の時に学んだ数学と理科の内容の難しさについていけずにそのまま文系に行ってしまう生徒が 多いみたいです。

具体例を挙げますと、数学で言えば三角関数の公式、数列、化学であれば有機化合物の反応などは理解するのに苦労します。

特に僕の場合は進学校に通っていたので、授業の内容は総じて難易度が高くスピードも速かったので尚更でしたね。

数学苦手だから文系は安直?

しかし これだけは言っておきます。

数学が苦手だからといって文系を選択するのはハッキリ言って安直です!

数学への苦手意識を払拭しておかないと後々苦労します。

その最大の理由は、

大学入試でも数学は出題されるからです。

これは多くの文系の生徒にとって悩みの種とも言えます。

数学が苦手だから文系を選択したのに、いざ蓋を開けてみたら、

1月のセンター試験で『数学ⅡB』、2月に控える国公立大学2次試験でも同じく必須科目になっているので、ここで躓く生徒も多くいます。

もちろん理系と違って数学はⅡBまでしか出題されませんが、それでも微分・積分と三角関数の知識は最低限必須レベルと言ってもいいでしょう。

ただしこれについては国公立大学と難関私立大学が多いです。

旧七帝大はほぼ間違いなくといってもいいですが、基本的に国公立大学志望であれば2次は数学が必須と思っておいてください。

これを避けるために例えば一部の私立大学(俗に言う私立文系など)を志望する生徒も少なからずいます。

私立大学であれば一部の難関私大を除いて2次試験で数学が除かれる場合が多いです。

もちろんその分偏差値が下がります。そのため数学ができないという理由で自分の志望校を受験できないという事態も起きかねませんので、絶対ここだけは譲れないという意志があるのであれば、文系の方でも数学についての意識は強く持っておきましょう。

大学入学後や将来的にも必須?

文系で数学が必須と言うのは何も大学受験に限った話ではありません。

実は大学入学後にも数学が必修科目として並んでいる場合があります。

また一見文系色が強い科目に見える心理学や経済学、経営学でも数学や統計、科学の知識が必要になってくる場合が多いです。

特に経済学の場合は自分も経験ありますが、価格の需要・供給曲線を用いたグラフの問題などで計算問題をよく解いた記憶があります。

むしろ経済学の場合計算がない問題の方が少ない気がしますね。


また公認会計士や銀行員など文系で人気のある職業ではやはり数学的知識が必要になってくる場合が多いですし、公務員志望の方であれば公務員試験で数学の内容に似た『数的処理』や『判断推理』といった教養科目も出題されます。

つまり文系の方でも将来性を考えれば数学ができる方が得なのです!

逆に言えば

数学ができないというのはデメリットが大きすぎる !

ということだけは知っておきましょう。


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就職しやすいからという理由で理系を選択するのも安直!

これは経験者である僕だからこそ言えることですが、理系の方を安易に選択した生徒に多い誤解です。よく言われるのが、

理系の方が就職率が高い、また就職後の待遇も良い!

ただこれに関しては国立大学の理系だったら、という条件があります。

実際に理系関係の大手企業への就職に関しては、国立大学の理系分野の教授からの推薦で非常に大きなアドバンテージが得られます。

一般応募でいろんな企業と全部面接したけど落ちて、教授推薦で一発で内定を獲得したという学生は多くいます。事実僕が通っていた大学でもそういった学生は何人かいて、正直羨ましく思いました。

自分が行きたいという企業でなくても就職後の待遇が良い一流企業とのパイプがある教授の下で卒業研究に励めば、その努力が認められて推薦を得やすくなります。

勉強量が総じて多い!

ただし就職するためには何といっても卒業することが必要条件です。

大学で卒業するためには単位が足りていないと絶対に不可能です。

高校までと違って単位が足りない学生を厳しく指導する体制は大学にはないので、足りなかったら冗談抜きで留年確定となります。

そのためには在学中は単位を取得するためにレポートの提出、試験に合格するために必死に勉強しないといけない訳ですが、理系の場合はこれが非常に大きな壁となります。

僕自身も大学4年間でいくつかの科目で単位を落とした経験があります。単純に勉強しなかったのも原因ですが、それでも僕が通っていた学科の専門科目は難易度も高く、覚える量も半端なかったです。

回路理論やベクトル解析、高校まではほとんど習わなかったプログラミング言語などがあってかなり苦労しました。

卒業研究が忙しい!

またこれに加えて4年生の時に研究室に配属されて卒業研究で1年間忙しくなります、これが本当に大変で夜遅くまで大学に残っていた日はけっこうありました。

理系は理系でも学部と学科によって多少難易度や忙しさに差はあるかもしれませんが、概ね基本的な量は変わらないでしょう。


ここまでで言えることは結局大学で理系を選択した場合は、勉強を怠るとマジでしんどいということです!

正直に言って自分は大学時代あまり勉強せずアルバイトなどに集中していた時期が多かったです。

もちろんこれ自体は間違った過ごし方ではありませんが、特に理系の方でしたら本当に将来性を考えると勉強に集中した方がいいと考えます。


また推薦が得られると言っても大学4年だけでなく、大学院(修士課程)まで進学・卒業した上で得られるというケースも少なくないです。

普通のサラリーマンレベルの職なら大卒でも十分見つかりやすいと言えますが、本格的な研究・開発職に就きたいと考えているのなら大卒ではなく院卒、場合によっては博士課程まで進むことも必要になってきます。

修士・博士課程まで進学するとなると単純に教育費の負担も大きくかかるので、経済的な面で余裕がない学生の大きな悩みどころです。

もちろん自分の夢を叶えるため、もしくは自分の研究を日本の将来に役立てたいという強い意欲があれば話は別ですけど。

まとめ

今回は文理選択が決まらない高校生のために、決めるべき注意点を僕自身の経験談も交えながら解説してきました。

改めてこれまでの主張をまとめますと、基本的に文理選択はなんとなくで決めるのはNGです。

つまり

  • 文系の場合は「単純に数学ができないから」
  • 理系の場合は「就職しやすいから」

といった安直な理由で判断してはいけません。

文系だと大学入学後もある程度数学の知識は必要になってきますし、理系だと入学後は本当に勉学で忙しくなるのでアルバイトやサークル活動との両立が難しくなります。


将来のことを的確に予測できる人間などおらず、文理選択で失敗しない確実な方法はやはりありません。

総合的に考えるとやはり最終的には自分が将来なりたい職業、またはどっちの方が自分に向いているのか?になりますね。

それでも決まらないという場合、最後の判断としては得意科目が文系と理系、どっちが多いのかで判断することですね。要は単純に大学受験で自分が合格しやすい確率が高い方を選択するべきです。

とにかく何はともあれ大学に合格して大学生活を経験することは後の人生でも大いに役立つでしょう。

高卒で就職という道を選ぶのもアリですが、基本的には大学を卒業するという経歴があった方が何かとメリットは大きくなるかなと個人的には思います。

ただし何度も言うように”なんとなく”で判断すると後悔しやすくなるので、厳しい現実があるかもしれないという覚悟は持っておきましょう!


長くなりましたが以上が僕が考えている文理選択の判断基準となります、最後までご覧いただきありがとうございました!
 

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