僕は普段からネットのサイトを閲覧することが、すっかり日課となっています。
昔はパソコンだけしかなかったのですが、今ではスマホがあるので、電車の中だろうが仕事の休憩中だろうが手軽に出来ちゃいます。
だけどここで少し気になったことがあります。
何気なく「閲覧」という堅苦しい言葉を使いましたが、これって普通の「見る」とどう違うのでしょうか?
また同じような言葉で「観覧」という言葉もありますよね?
観覧といえば遊園地にある「観覧車」を思い浮かべる人も多いでしょうが、同じ「覧」という漢字を使っているだけに、その意味の違いと使い分けが凄く気になりました。
ということで今回は閲覧の意味を、観覧との違いも含めて詳しく見ていくことにしましょう!
閲覧と観覧の意味の違いとは?
閲覧と観覧、なんとなく意味的にも似ていて、その微妙な違いが凄く気になりますね。
結論からになりますが、その違いを一言で解説しますとこうなります。
- 閲覧とは、書物などを調べたり読むこと
- 観覧とは、娯楽などを見て楽しむこと
閲覧が書物などを見る行為で、観覧が見て楽しむという行為ですね。
やはり同じ「見る」という意味でも、微妙に違っていました。
そこで次の章からは、それぞれの言葉の意味だけでなく、使い方と類義語も詳しく見ていきましょう!
閲覧について解説
改めて閲覧の意味について、辞書の言葉を引用して詳しく見ることにします。
[名](スル)書物・新聞・書類・ウェブページなどの内容を調べながら読むこと。「選挙人名簿を閲覧する」「サイト閲覧者」
引用元:goo辞書
閲覧を使う場面は主に、文字を読んだり、何か調べ物をする時に限られるんですね。
図書館にある「閲覧コーナー」や「閲覧室」なども、確かに新聞や本を読むのが目的となっています。
堅苦しい表現なので、それっぽい言葉だろうと納得できます。間違っても「楽しみながら見る」という意味はなさそうです。
改めてこういう意味になる理由を解説するために、この熟語を1つずつ分解してみましょう。
閲覧と言う言葉は、「閲」と「覧」に分かれます。
まず「閲」という漢字ですが、こちらは「書物を調べること、文章を読むこと」という意味があります。
次に「覧」という漢字は、「全体を視野に収めて広く見渡すこと」と辞書に書かれています。
この2つの漢字を組み合わせて、「文書や書物を広く見渡して読む⇒文書や書物を調べながら読む」という意味になるのです。
単に「調べて読んだ」だけだと、「参考にした」と同義ともとれます。
だけど「閲覧する」という言葉を使って、「じっくり集中して読む」という意味合いが強まるのではないかと思います。
閲覧の使い方は?
閲覧をもっと理解するために、使い方をいくつか例文を挙げながら解説していきます。
- 「図書館で資料を閲覧する。」
- 「政治のニュースが気になったので、ヤフーを閲覧した。」
- 「自社の資料は持ち出し不可です、作業スペース内で閲覧してください。」
1については、「書物を読む」という行為なので、すんなり理解できるでしょう。
2については、「サイトを見る」という行為なのですが、ウェブサイトの文章を読むという意味合いなので、「閲覧する」が適しています。
今の時代は使う機会が多いですよね。
また閲覧は特に「不可」や「禁止」、「許可」といった言葉と一緒に使われることが多いのも特徴です。
例えば図書館の資料や書物を、許可なく持ち出してはいけませんよね。
図書館内だけで読める物に関しては持ち出し不可なので、そういう意味でも「閲覧」を使うのがやはり適切なのです。
閲覧の類義語は?
閲覧の類義語を調べたところ、「閲読」、「玩読」、「通読」、「披見」、「味読」などがありました。
どれもこれも難しそうな言葉ですが、それぞれの意味を順番に紹介すると、
- 閲読…書物や書類の内容を調べながら読むこと
- 玩読…書物や書類の内容を吟味し考察すること
- 通読…始めから終わりまで一通り読むこと
- 披見…文書を開いて読むこと
- 味読…文書の内容をじっくり味わいながら読むこと
日常生活ではあまりお目にかかれませんが、ビジネスの場面や大学のレポートだと、
- 「レポート作成のため、教授が過去に執筆した論文を閲読しました。」
- 「その小説を味読したところ、筆者の心情に強く感銘しました。」
といった感じで使えそうです。
閲覧という言葉以上に、「調べて読んだ」という意味合いが強くなるので、特に文章では役に立つのではないかと思います。
観覧について解説
改めて観覧の意味について見ていきますが、こちらについても辞書の言葉を引用することにします。
[名](スル)見物すること。「宝物館を観覧する」「観覧席」
引用元:goo辞書
漢字を分解してみると、「観」と「覧」の2つに分かれます。
「覧」については「閲覧」と共通ですね。
違いとなるのは「観」という漢字ですが、これは訓読みだと「観る」となります。
この「観る」という言葉なんですが、普通の「見る」と違うのは「見物する」、「芝居やスポーツを鑑賞する」という意味合いが強いことです。
同じ読みでも、目や視覚に捉える対象が違うことになります。
つまり「観覧」とは、「芝居やスポーツを視野に収めて広く鑑賞する」という意味合いになります。
まぁ結局「観る」とほぼ同じ意味で、あまり変わらないということです(笑)
観覧の使い方は?
代表的な言葉が遊園地にある観覧車ですね。
観覧車とは回転するゴンドラに人が乗って、高所からの眺めを楽しむ乗り物です。
「高所から眺めて楽しむ」というのは、まさに「観覧する」行為そのものなので、ピッタリだと言えます。
他にも使い方はあるので、例文で理解しましょう。
- 「プロ野球の試合を観覧した。」
- 「歌舞伎を観覧するのが僕の趣味だ。」
- 「大相撲の観覧席の予約をとった。」
いずれもスポーツや娯楽などを見て楽しむ、という意味合いですね。
図書館などでは文書や書物を読むとなるので、あるのは「閲覧室」となります。
桜の花見やスポーツの試合会場に用意されているのは観て楽しむので、「観覧席」が用意されているわけですね。
観覧の類義語は?
「見て楽しむ」という意味合いの観覧という言葉ですが、これにもやはり類義語がたくさんありました。
調べてみたら「拝観」、「来観」、「回覧」などがあります。それぞれの意味を順番に紹介すると、
- 拝観…神社や仏殿にある宝物などを謹んで見ること、「神社のお供え物を拝観する」など
- 来観…行事やイベントなどを見にきて楽しむこと、「来観者」など
- 回覧…あちこち見て回ること、「回覧板」など
となります。
「見て楽しむ」という意味だと、「来観」が最も近い言葉ですね。だけどちょっと堅苦しいかなと思います(;^^
おまけ:拝見との違いとは?
今回のメインテーマから若干それますが、実は「拝見する」だなんていう言い方もしますよね。
この言葉も閲覧と観覧と同様、やはり見るという意味では共通しています。
だけど一番大事な点を理解しないと、誤用してしまいます。
「拝見する」の意味を、辞書で正確に説明しますとこうなります。
[名](スル)見ることをへりくだっていう語。謹んで見ること。「お手紙拝見しました」
引用元:goo辞書
「拝見する」というのは、「見る」の謙譲語です。
つまりこれ自体に、「閲覧する」や「観覧する」の意味とイコールではありません。強いて言うなら、どっちにもとれるといった方が正しいです。
ただし謙譲語なので、この言葉は目上の人に対して用いる時に使います。
単に「サイトを拝見したよ。」とか、「相撲の試合を拝見しよう。」なんて言ったら、「この人は何で謙っているんだ?」と思われちゃいます(;^^
仮にこの言葉を使うとしたら、それこそビジネスの場面が多いですね。例えば課長や部長クラスの人に対して、
- 「今朝発行された朝刊の記事を拝見したところ、我が社もQRコード決済を導入するべきだと考えました。」
- 「この前の休日妻と一緒に、大相撲の千秋楽を拝見しました。」
このように使えば大丈夫でしょう。
まとめ
以上、閲覧と観覧の違いを紹介してきました。参考になりましたら幸いです!
まとめますと、閲覧は文書やサイトを見る時に、観覧は娯楽的なショー、演目、スポーツなどを見て楽しむという違いでした。
これで2つの言葉の使い分けもバッチリですね!
⇒展覧会と展示会と博覧会の違い!作品の種類や目的など詳しく知ろう!