大学生も3年生、4年生と進級すると自分の将来の就職先を決める大事な就職活動で忙しくなってきます。
中にはインターンシップ制度を利用して、入ってみたい企業の仕事を実際に体験する学生もいますね。
しかし民間企業への就職ではなく、公務員になりたい学生さんも増えてきていますね。
公務員試験は出題される範囲と量が本当に多く、生半可な勉強では合格できません。
そこで独自に学生への就職支援サービスとして、公務員試験対策の講座を募集している大学もあります。
僕が通っていた大学でも、公務員試験対策を謳った講座の募集広告が貼られていたのをよく覚えています。
卒業した後に念願の公務員としてデビューするためにも、綿密な計画を立てる必要があります。
- いつから勉強を始めればいいのか?
- 必要な勉強時間は1日どのくらいか?
気になっている学生も多いはずなので、今回は受験する試験種別も合わせて具体的に解説していきます!
大学生の公務員試験対策はいつからが理想?
大学生で公務員になりたいと志願している人はたくさんいると思います。
こういう人達は4年生の時に公務員試験を受けて合格し、晴れて卒業後に公務員への就職が決まる、というのが理想的なパターンですね。
しかし公務員と言えどもいろいろな種類があって難易度も変わります。
また1日あたりにかける勉強時間でも差は出てきますので、一概にいつから始めればOKと一言で片づけられません。
さらに大学でどの分野を専攻したかも大きく関わってくる問題です。
強いて言うなら、どの公務員を目指すとしても、2年生から3年生に上がる時の春休みからが最もいいタイミングになります。
すなわち「3年生になってからでOK!」ということになりますが、これは1日あたりの勉強時間を約3時間と仮定した場合での話です。
どの公務員を目指すかでスタート時期は異なる!
先ほども言ったように公務員にはいろいろな職種がありますので、まずは自分がどの公務員を目指すかを明確に決めましょう!
基本的な情報になりますが、全ての公務員試験は同じ日程に行われません。
具体的には、国家公務員の一般職と総合職の試験が4月下旬と最も早く、逆に小規模な自治体の市役所試験は9月頃(C日程)と遅くなり、その差は約5月間もあります。
仮に国家公務員の一般職か総合職を目指すのなら、上にも述べた2年生から3年生に上がる時の春休みから始めた方が良いでしょう。
また難易度がそれほど変わらない国税専門官や地方上級試験(県庁職員や政令指定都市の市役所職員)も、ほぼ同じ時期からが理想でしょう。
逆に教養試験しか出題されない国立大学法人等職員採用試験や警察官・消防士の試験、市役所C日程などは、3年の後期(10月)からでも大丈夫でしょう。
ただしこれらの試験では、筆記試験ではなく面接試験や人物試験での勝負となる面が強いので別の厳しさがあります。
どうして1年間も必要なの?
勉強開始時期は概ね1年前からでOKということではありますが、そもそも何故これほど長いスパンが必要なのでしょうか?
知っている人も多いと思いますが、公務員試験というのは非常に狭き門です。
理由は簡単で、特に筆記試験で出題される一般教養科目と専門科目の範囲が非常に広いことが関係します。
一般教養科目は簡単に言えば、高校までで習った数学や理科、社会、英語、国語といった教養科目で、専門科目は憲法や民法、行政法と言った法律関係の科目と、政治学や社会学といった主要行政系科目、さらにマクロとミクロの経済学もあります。
全部で30科目もありますが、これらを全て網羅的に勉強していくには、半年や2,3か月程度の勉強ではとても無理があります。
中には独学で挑もうとする人もいますが、非常に厳しいと言わざるを得ませんね。
公務員試験勉強は独学では無理?厳しいけども可能性はある!
こうした背景があると「大学生で公務員試験に挑むのは無謀ではないか?」という意見もあります。
何を隠そうこの僕も公務員を目指していた時期があったわけですが、さすがに大学生の時には無理だと判断して、卒業してから勉強に打ち込むことにしました。
しかし世の中には現役大学生で中退もせず、公務員試験に挑んで合格している人もたくさんいます。
しっかりとした勉強時間と入念なスケジュールを立てれば大丈夫なのですが、そのためにも“1年”という長いスパンが必要なのです。
公務員試験に合格した人の勉強時間の平均を取った数字が、約1000~1200時間と言われています。
そのため1日の勉強時間を約3時間と見積もって算出すると、ちょうど1年365日くらいがこの数字に近づき理想的な水準になるからです。
あと意識する点としては、大学生には夏休みと春休みと1~2カ月の休暇が2回も訪れますので、この2つの期間にしっかりと勉強時間を確保しておけば、講義がある日の勉強時間を減らせます。
半年前や3カ月前からでも可能?
約1年という長いスパンが必要になると説明しましたが、実は1日の勉強時間を増やせばもっと短いスパンで合格することも可能です。
合格するのに必要な勉強時間の目安が1200時間、それを365日で割ると約3時間半なのですが、1日あたり5,6時間あたりまで増やせば半年未満でも大丈夫でしょう。
具体的な目安としては
- 9カ月前(270日):4.5時間
- 6カ月前(180日):6時間
- 3カ月前(90日):10時間
となりますが、さすがに3カ月前からだと1日で10時間も勉強しないといけないので、厳しすぎますね(*_*)
もちろん全ての学生が3年生の開始から勉強を開始できるかと言われれば、そうではないかもしれません。
中には単位を取り逃したり、3年の後期まで必修科目の講義が多めに入っている学生もいるでしょう。
そうしますと開始時期はやや遅めにならざるを得ません。
しかし卒論が始まる4年生ならともかく、3年生のというのはある程度講義がない時間帯も増えるでしょう。
さすがに1,2年生の時に比べて毎日フルに講義がある学生は少ない筈です。講義がない時間帯や家に帰った後の時間、など暇な時間がないわけではないですよね?
アルバイトやサークル活動なども可能であれば減らした方がいいです。
合格できる人は皆こうした空き時間を有効活用しています。
どうしても合格したいなら、空き時間をフルに活かして差を拡げておきましょう。
大学受験での成績も大きく関係?
大学受験で皆さんが経験するセンター試験で、どれだけ点数を多く取れたかも関係してきます。
センター試験の内容は教養試験の内容と被りやすいので、このセンター試験で8割以上の得点が取れていたかはかなり大きなメリットです。
これだけの得点を既に取れていたのなら、教養試験対策は「数的処理」と「判断推理」に重点を置きましょう!
逆にセンター試験で苦しんだ学生さんは、教養試験対策をまずは徹底することが大事です。
この時点で他の優秀な学生と比べて、勉強時間が多めになってしまうので不利になることは覚悟してください。
理系出身者は不利?
ここでちょっと残念なお話になりますが、理系専攻の学生はスタートからして不利な位置に立たされています。
というのも公務員試験にも出題される科目のほとんどが、法律系や政治学など、文系寄りな内容だからです。
例えば法学部や文学部、経済学部では大学の講義で法律科目や経済学などを勉強できますが、理系の学生だとそれができないので不利になっちゃいます(;-_-)
それに理系の学生は実験の講義や勉強量も文系とは多めになるので、なおさら公務員試験対策の時間が取り辛いです。
僕も理系出身でしたが、3年生になっても実験やゼミ、レポート作成など忙しかった記憶があります。
こうしたデメリットを考慮して、理系の学生の方は公務員試験対策はなるべく早めにスタートすることを心掛けた方がいいですね。
通信講座を利用してより確実に!
大学生は大学の講義との兼ね合いがあるので、予備校に通う余裕がない気がします。
そのため独学で試験対策をしている学生も多いと思いますが、それでも独学では不安な部分は多いです。
実際に多くの合格者を輩出している予備校の実績のある教師や、先生の生の講義を受けた方が、より実践的なテクニックなども身に付きやすいのは事実です。
「予備校に通う時間なんかない!」と多くの学生がお悩みなのは周知の上ですが、そういう学生は夜間コースを受講することをお勧めします。
しかし単純に近くに公務員専門の予備校がなく、「通いたくても通えない!」という学生もいるでしょう。
この場合は通信制の公務員講座を受ける手もあります、オススメの通信講座は『アガルートアカデミー』です。
アガルートアカデミーをお勧めする理由は、8段階の再生速度(最大3倍速)で視聴できるのでより効率よく学習できるのと、速習講座も実施されているので直前期でも対策は十分練られます。
場所や時間にとらわれず自分のペースで出来ますので、現役大学生にとっては大きな手助けとなります、ぜひ検討してみてください!
面接対策は?
筆記試験対策のためにも約1年という長いスパンが必要な公務員試験ですが、面接試験があることも忘れてはいけません。
面接対策は遅くとも1カ月前から始めればOKでしょう。
民間企業の面接と違って、回数も多くないです。また質問の内容も
- なぜこの自治体orこの官庁を希望するのか?
- 自己PR
- 学生時代に打ち込んだこと
- 公務員と民間の違いは?
- 公務員になって自分は何をしたいのか?
- 希望しない部署に配属されたらどうする?
- これまでで最も苦労した出来事は何か?
などほぼ決まったような質問しか来ないので、ちゃんと対策を練れば恐るるに足りません。
ただ筆記試験の成績の良し悪しは、(どこの自治体でもそうだと思いますが)恐らく公開されません。
周りの人とどのくらい差が開いているのか、自分の順位が掴みにくいので、面接試験でも変な焦りが出てしまいます。
逆に筆記試験でトップで成績で通った人が面接で落ちる可能性は、面接でよほど酷い態度で臨んだか、意味不明な回答などをして面接官への印象を悪くしてしまうかのどっちかでしょう。
面接試験を有利にするためにも、民間企業での就活を掛け持ちするのは得策かもしれません。
面接試験はとにかく場数を踏むのが一番ですからね。
日程が被るとそもそも試験が受けられないですし、また直前期に企業への訪問や面接が多くなってしまうと、余計忙しくなってストレスが増えます。
さらに卒業論文なども並行しないといけないので、休む暇がなくなります。体を壊してしまいますからほどほどにしましょう。
まとめ
今回は大学生の公務員試験対策についての解説でした、参考になりましたら幸いです。
堅実なプランとある程度の勉強時間を確保するためにも1年という長いスパンが必要ですが、これは1日あたり3~4時間の勉強時間を想定した結果です。
しかしこれより短い勉強時間にしようと考えて、2年生から試験対策に励む学生もいるかもしれません。
一見「試験対策は早ければ早いほどいい!」と考えがちですが、あまりにも開始が早いとモチベーションが維持できず、最後に失速してしまう学生が多いです。
こうならないためにも、適度な“焦り”と“緊張”が必要になってくるのと思いますね。
1,2年生の内は公務員試験対策のことは考えずに、とにかく大学の講義に集中してください。
単位が取れないと卒業できないのはもちろんですが、他にもアルバイトやボランティアを経験する絶好の機会です。
こうした経験が面接の時に話せるネタとして、使えるということも意識しましょう!