毎年6月になると夏至が訪れます。夏至とは二十四節気の一つでもあり、昼間の時間が一年で最も長くなる日となります。また一年のちょうど折り返しの時期ともいえます。


しかし「冬至の日にはかぼちゃ」という風習は知られていますが、夏至の食べ物の風習はあまり聞かないですよね。

どうして夏至の日には決まった食べ物がないのでしょうか?

その理由を探るとともに、関東・関西・愛知・静岡・福井・三重・香川といった地域ごとで、夏至にどんな食べ物を食べる風習があるのか調べてみたので紹介していきます!


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夏至の食べ物の風習が全国共通でないのは何故?

冒頭でも述べたように冬至の日にはかぼちゃを食べる、という風習は有名ですが、夏至の時期には前の項で説明したように全国共通でこれを食べる!という風習がありません。

夏至と冬至、両方とも二十四節気の代表的な暦で、とても重要な意味を持つのになぜ差があるのでしょうか?

理由としては、この夏至の時期に田植えを行う農家が多くなるためです。

現在は4月から5月にかけて田植えを行う農家が多いですが、昭和30年頃までは水害対策などの理由で6月の中旬以降に田植えを行っていたのです。

具体的な時期としては、夏至が終わってからその約10日後に訪れる半夏生と呼ばれる日までに当たります。

つまりこの期間は農家の人にとっては繁忙期ということです。このことが実は6月に祝日がないということと関係しています。

 
繁忙期はお祭りをしたり、何かを祝うという余裕がない農家がほとんどです。これが冬至と違って全国共通の食べ物が根付かなかった理由です。

でもさすがに何も食べる習慣がどこの地域でも根付かなかったかと言われれば、そうではありません。

一部の地域では特別な食事をする習慣がある地域もありますが、7月上旬に田植えが終わってやっと一息つけるという意味合いの方が強いです。

夏至とはどんな日? 太陽光の角度は?

夏至とは一年の中で最も昼の時間が長い日とされています。日の出から日没までの時間が一番長くなるともいえます。

太陽の時間が変動したり四季がある理由は、地軸の傾きが関係しています。

地軸というのは地球の自転軸のことです。地球は太陽の周りを公転していますが、地球自体もこの軸を中心に自転しています。夏というのは北半球では全体的に気温が上がりますが、これは太陽の光が差し込む角度が北半球だと大きくなるからです。

地球上にいる我々から見たら、太陽は東から昇って西に沈みます。

夏場はこの太陽の高度が上がるわけですね。故に太陽から降り注ぐ光の角度が大きくなり、同時に日の出から日没までの時間も長くなるのです。(冬場は角度が小さくなるので寒くなるわけです。)

夏至と冬至の太陽光の違い

因みに日本で一番昼の時間が長くなるのが北海道で、札幌市では日の出が3:55、日没が19:1815時間23分だそうです。やはり緯度の高い地域ほど昼の時間は長くなります。

東京だと日の出が4:25、日没が19:00で14時間35分となります。全国的に夜の時間は10時間未満のところがほとんどです。

ただし昼の時間が長くなると言っても、この時期は梅雨真っ盛りで晴れの日がほとんどありません。

故に日没が遅くなったり、太陽の光が差し込む時間が長くなったという実感があまり湧かない人も多いですね。

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夏至の時期の食べ物は地域で異なる?

夏至の時期に何か特別な物を食べるという風習に関して調べてみたら、全国共通でこれを食べるという決まった風習がありません。

調べてみたらかなり多種多様であることがわかりました。ここではいくつか代表的な風習を紹介しましょう。

大阪ではタコ!

関西には昔から夏至から7月の前半までタコを食べる風習があります。

タコには8本の足がありますよね。このタコの足を稲に例えて八方に根をはるように立派に育ってほしいという豊作の願いがあったのが由来とされています。

関西、特に大阪ではタコ焼きが有名ですが、この時期にタコ焼きパーティーというのもアリかもしれないです。

京都では和菓子!

京都府では6月30日(夏越の祓)の日に、水無月という和菓子を食べます。

水無月とは6月の旧暦にあたる別称です。

ういろうに小豆を乗せた三角形の和菓子です、見るだけで涼しくなりそうですね♪

関東・奈良では半夏生餅!

奈良県、特に香芝市周辺では、半夏生餅と呼ばれるお餅を食べる風習があります。関東でも同様の風習があります。

別名「さなぶり餅」とも言いますが、これは豊作を祈ってお供えする行為を“早苗饗”と呼ぶことが由来しています。

作り方としては、もち米と小麦を同量ずつあわせてついた後、きな粉をまぶして出来上がりです。

愛知では無花果

愛知県では無花果(いちじく)の田楽を食べる風習があります。

無花果は全国的にはあまり馴染みが薄い果実かもしれませんが、甘い味がして、栄養素も満点で食べなきゃ損です。

福井では焼きサバ

福井県大野市でもやはり夏至が過ぎると同時に田植えが終わります。

サバは非常に栄養価の高い魚として知られていますが、昔この地方を収めていた殿様が栄養価の高いサバを食べて元気にこの時期を乗り切ってほしいという思いで、農民に食べることを勧めたというエピソードがあります。なかなか農民思いの殿さまですね。

香川ではうどん

香川名物と言えばご存知讃岐うどんですね。昔から香川県では農村で稲だけでなく小麦の収穫も行っています。

この小麦を使って讃岐うどんも作られるのですが、ちょうど田植えが終わる7月初旬に農作業を手伝ってくれた人達に、感謝の意を込めてうどんを打っていたそうです。

これが半夏生うどんと呼ばれているものです。

1980年に地元の組合が7月2日をうどんの日と制定して、高松市にある中野天満宮で献麺式をやって無料でうどんが食べられるサービスを実施しているらしいです。

うどん好きにはたまらないですね。

三重ではミョウガ

三重県ではミョウガが旬を迎えるので、ミョウガを食べる風習があります。

ミョウガは鉄分とミネラル、ビタミンCが豊富なので、美容と健康の維持に最適です。

静岡では冬瓜

静岡といえばお茶のイメージですが、食べてるのは「冬瓜(トウガン)」です。

夏バテ防止の効果があるので、煮物料理として召し上がるのがいいでしょう。

北海道・東北・九州ではない!?

北海道や東北では、夏至にこれといって食べるものはありません。その代わり夏至に合わせて夏至祭や、白夜祭といった催しが開かれているそうです。

高緯度の地域になると、日照時間が1日の3分の2近くも占め、太陽がなかなか沈みにくいことから太陽への感謝と恵みを祝う風習が、古くから根付いていました。


また九州でもこれといった風習はありません。

ただ島根県や熊本県など一部の地域では、小麦を団子やまんじゅうにして食べる風習があるようです。

まとめ

夏至の食べ物に関しては、地域ごとにいろいろな風習があって面白いですね。


この時期は徐々に暑くなってきて熱中症も増加してきます。毎年夏バテで食欲がなくなるという人も多いみたいですが、こういう時期だからこそしっかりと食事をして栄養を蓄えることが大事です。

今年の夏もしっかりと乗り切りましょう!


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