ここ最近は何かと映画ブームのような気がします。昨年公開された日本の映画では『君の名は。』が興行収入200億円を超える大ヒット!
筆者も観に行きましたが、確かにアニメ史に残る名作だなと思いました。そしてもう一つの大ヒット作が庵野監督による『シン・ゴジラ』ですね、この映画で再び日本でゴジラブームが巻き起こったようです。
今年ももしかしたら昨年に続いて豊作になるのではないかと期待されていますが、そんな中映画好きにとってショッキングなニュースが飛び込んできました。
テレビ朝日で1967年から放送され続けてきた映画番組『日曜洋画劇場』が2017年3月をもって終了という形になったのです!
これには同じく映画好きの筆者もショックです。長い間ずっとお茶の間で日曜の夜の楽しみだった家庭も多かったと思いますが、ついに幕を下ろす形となりました。
50年近くも放送されてきた日曜洋画劇場の歴史や歴代の高視聴率作品、さらになぜ終了するに至ったかその経緯も交えて語っていきます。
日曜洋画劇場の歴史
日曜洋画劇場が放送開始されたのは今から50年前の1967年4月9日です。
それまで放送されていた『土曜洋画劇場』を日曜夜21時の枠に移動したのが始まりで、番組開始当初はそれほど視聴率も高くなく順調なスタートとは言えませんでした。
しかし名司会者淀川長治さんの軽妙で親しみやすい解説、さらに番組終了時の「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」のフレーズによって徐々に人気が出始めて、すっかりテレビ朝日の看板番組になりました。
1980年代以降は放送権が高騰したことによって、よりメジャーな作品、興行収入が高い作品はフジテレビや日本テレビとの競争で確保することが困難になってしまいます。
そうした経緯から、マイナーな作品や日本で未公開の作品の放送も目立ってきて、テレビ東京で放送されていた木曜洋画劇場と放送スタイルが被っているとも指摘されました。
また日曜洋画劇場のもう一つの特徴が海外ドラマのスペシャル版の放送も取り入れていたことです。代表的なのが「X-ファイル」、「特攻野郎Aチーム」といった作品で特に90年代から放送回数が増えてきました。
最多放送作品、最高視聴率作品は?
20年前くらいはテレビの地上波放送の全盛期と言えます。日曜洋画劇場の高視聴率作品もやはり1980~90年代に集中していて名作も数多くあります。
歴代最高視聴率作品と放送回数が多かった作品を紹介します。
- 1983年10月9日 スーパーマン:32.1%
- 1977年5月15日 エマニエル夫人:30.8%
- 1984年10月21日 ザ・デイ・アフター:30.0%
- 1991年9月8日 ターミネーター:29.7%
- 1990年10月7日 ダイ・ハード:29.0%
- 1989年12月17日 男はつらいよ 寅次郎純情詩集:28.6%
- 1990年4月1日 ロボコップ:28.0%
- 1983年10月16日 男はつらいよ 寅次郎純情詩集 :27.2%
- 1972年7月16日 史上最大の作戦:27.2%
- 1974年4月7日 007 ゴールドフィンガー:26.7%
※参考サイト:Wikipediaより
- 7回:ダイ・ハード
- 6回:ダーティハリー、相棒ー劇場版ー絶体絶命!42.195km、プレデター
- 5回:インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説、ザ・フライ2 二世誕生、コマンド―、スペースバンパイア、スピード、ボルケーノ、ターミネーター、ダイ・ハード2、ダイ・ハード3、ロボコップ、暴走特急、TRICK 劇場版、トランスポーター
※参考サイト:http://www.geocities.jp/jdapjg/nichiyou.html
やはり一番人気のあった作品はブルース・ウィリス主演の「ダイ・ハード」、そしてアーノルド・シュワルツェネッガー主演の「コマンド―」と「プレデター」、さらにスティーヴン・セガールなどといった人気アクション俳優の作品が目立ちます。
金曜ロードショーではハリー・ポッターシリーズやジブリの放送、土曜プレミアムでは興行収入上位の作品やディズニー映画の放送を定期的に行っていますが、日曜洋画はアクション映画やサスペンス映画が代名詞的存在でした。
視聴率のベスト10を見てみると80年代から90年代の作品が非常に多いことがわかります、この頃が番組の黄金時代と言えますね。
しかし1998年に司会者の淀川さんが亡くなって以降は大ヒット作の放送がめっきり減ったような気がします。
2007年に地上波初放送となった「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」が12年ぶりの視聴率25%越えを記録しましたが、徐々に洋画の放送数も減ってきて2013年4月以降はついに不定期放送枠になります。
なぜ放送終了になったのか?
50年近くも放送されてきた映画番組ですがなぜ放送終了になったのでしょうか?
最大の理由は何といっても視聴率の低下にあるでしょう。
現在の日曜の21時で毎週枠で放送されていたのは4年前の2013年3月までで、それ以降は『日曜エンターテインメント・日曜洋画劇場』という二重冠で不定期放送に移行されました。
その時から既に視聴率の低下が叫ばれていましたが、ちょうどスマートフォンが普及し始めました時期にあたります。他のテレビ局にも言えますが、やはりスマホやネットの普及でテレビの視聴率はここ数年徐々に減ってきています。映画番組も例外ではありません。
さらに2011年11月頃に日本でサービス開始した動画配信サービスHuluの流行もかなり大きいと思います。
登録してしまえば月額933円で映画見放題は本当に便利です、また地上波放送はCMも入るし、編集してカットされるということもあって一部の映画ファンにとっては失望でした。
そうした経緯から徐々に視聴率が低下し、映画放送の数も減ってきて昨年の2016年に放送された洋画の数はたった6本になりました。
金ローや土曜プレミアムは大丈夫?
放送終了になるのは本当に残念ですが、これも時代の移り変わりと言わざるを得ませんね。これで残った映画番組は日本テレビの金曜ロードSHOW!とフジテレビの土曜プレミアムとなったわけですが、最近この2つの番組も洋画の放送が減ってきているような感じです。
金ローではジブリの放送と名探偵コナンと言ったアニメ映画が中心ですし、土曜プレミアムでも洋画の放送は不定期で年間で10本もないくらいです。
テレビ自体の視聴率も下がってきているのでこの2つの番組も近い将来打ち切りになるのではと危惧しています、でも生き残ってほしい!
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