「ゴーヤ」といえば、苦い野菜で有名です。
沖縄県の名物野菜でもありますが、この野菜を漢字でどう書くかご存知ですか?
苦い味が特徴だから「苦野菜」とかかな?
うーん、当て字で考えて「郷野」かな?
シンプルなカタカナ表記ですが、やはり漢字で書けと言われたら迷いますね。ということで「ゴーヤ」の漢字表記とその由来を詳しく見ていきましょう!
調べたら、意外な果物との関係性が見つかったよ
「ゴーヤ」を漢字で書くとどうなる?
そもそも「ゴーヤ」の漢字表記とかあるのかと思いたくなりますが、あるんです!「ゴーヤ」の漢字表記は2つあって、こうなります。
2つ目は全然読めないな
2つありますが、下の漢字が凄くややこしいですね。
上の漢字が「にがうり」、下は「ツルレイシ」と読みます。
では「ゴーヤ」の意味と合わせて、それぞれの漢字表記を詳しく解説していきます!
「苦瓜」の意味と由来
「苦瓜」は「にがうり」と読み、「ゴーヤ」の別名です。
由来を辿れば凄く単純で、「ゴーヤ」が「苦いウリ科の野菜」だから「苦瓜(にがうり)」となります。
因みに中国語表記でも、「苦瓜」で同じ「ゴーヤ」を意味するんですよ。
発音は「クーグァ」、中国語表記と日本語表記が一致する貴重な野菜です。
「蔓茘枝」の意味と由来
次に「蔓茘枝」と書く由来ですが、これは「ゴーヤ」の別名「ツルレイシ」に由来しています。
「ツルレイシ」の語源は「ゴーヤ」の見た目が関係しています。
「ゴーヤ」は同じウリ科の野菜である南瓜と同じように、蔓(つる)が繋がった野菜です。
さらに「ゴーヤ」のイボに覆われた見た目が、ムクロジ科の果実であるライチに似ていて、そのライチの別名を「茘枝」と表記するのです。
つまり「ツルの生えたライチに似た野菜」、だから「ツルレイシ(蔓茘枝)」となります。
「錦茘枝」と書く表記も?
中国の文献では「蔓茘枝」ではなく、「錦茘枝」という表記も見かけます。(中国での発音は「ジンリーヂー」」
やはり意味は同じく「ゴーヤ」ですが、「錦」は「金色の糸」を意味する漢字です。
ゴーヤが熟して黄色くなると、その実から種がはじけ出るのですが、その様相があたかも錦(金色の糸)が華麗に出ているように見えたことが由来と推測されます。
「ゴーヤ」の語源とは?
ここからは「ゴーヤ」の語源について、探っていきましょう!
ゴーヤの和名は「ツルレイシ」と解説しましたが、どうしてこの名称で普及しなかったのでしょうか?
理由は2000年代前半に広まった沖縄料理ブームにあります。
当時放送されたNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』に登場したマスコットキャラ「ゴーヤーマン」の影響もあって、全国的に「ゴーヤ」の名前が広まったのです。
つまり、「ゴーヤ」とは沖縄の方言です。意味は「苦い瓜」で、実は「苦瓜」と同じになります。
実は「ゴーヤ」という語源が、中国から伝わったと言う説もあります。
先程も触れましたが、「ゴーヤ」は中国でも「苦瓜」と表記し、その発音は「クーグァ」で、どことなく「ゴーヤ」と響きが似ています。
沖縄は昔琉球王国と呼ばれていましたが、大昔に居住していた中国人と、地元の琉球人は普通に交流していました。
故郷での暮らし方をそのまま持ち込んだ中国人は自分の家の軒先に「苦瓜」を栽培しており、当時の中国人の発音がそのまま琉球王国にも根付き、それが後の「ゴーヤ」となった、というわけです。
「ゴーヤ」の様々な呼称・英語では?
今でこそ「苦瓜=ゴーヤ」という呼称で広まっていますが、実は地域によって微妙に呼称が異なっていることもわかりました。
特に宮古列島、九州南部などでは各所で独特な呼び方があるようです。
- 宮古列島:ゴーラ
- 奄美大島:ニギャグリもしくはトーグリ
- 鹿児島県本土、宮崎県南部、諫早地方:ニガゴイもしくはニガウイ
因みに英語だと「bitter melon」もしくは「bitter gourd」、直訳するとそれぞれ「苦い瓜」か「苦いひょうたん」となります。
「ゴーヤチャンプルー」を漢字で書くと?
さて「ゴーヤ」を使った沖縄の名物料理といえば、ご存知「ゴーヤチャンプルー」ですね。
その「ゴーヤチャンプルー」の漢字表記も調べてみましたが、やはりありませんでした。
そもそも「チャンプルー」とは沖縄方言で、意味は「ごちゃまぜにした食べ物」となり、これに該当する漢字表記がありません。
「ゴーヤチャンプルー」はゴーヤだけでなく豆腐も炒めた料理です。そのため単に「苦瓜炒め」と表記するのも語弊があります。
つまり「苦瓜」と「豆腐」を炒めた料理、これが「ゴーヤチャンプルー」を意味するので、
と表記するとしっくり来るでしょう。
「チャーハン(炒飯)」と似ているね
まとめ
今回は「ゴーヤ」の漢字表記の紹介でした。では総まとめです。
- 「ゴーヤ」を漢字で書くと「苦瓜」と「蔓茘枝」の2つある、いずれも和名
- 「苦瓜」は日本語で「にがうり」、「苦い瓜」を意味するから
- 「蔓茘枝」の由来は、ゴーヤが蔓の生えた茘枝(ライチ)に似ているから
- 「錦茘枝」という表記もある
- 「ゴーヤ」は沖縄の方言、意味は「苦い瓜」
- 「ゴーヤ」を英語で言うと「bitter melon」か「bitter gourd」
- 九州南部、沖縄本島、奄美、宮古列島で様々な呼称がある
- 「ゴーヤチャンプルー」を漢字で書くと「苦瓜炒豆腐」
苦い味で好き嫌いが分かれる野菜でもありますが、ビタミンCが豊富に含まれるため、食べないのはもったいないです。
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