甘くてプルンとした食感のお菓子と言えば、「プリン」ですね。
焼きプリンという形でも美味しいお菓子ではありますが、漢字でどう書くかご存知ですか?
甘くて柔らかいお菓子だから「甘柔菓子」かな?
当て字で考えて「符輪」かな?
たった3文字のカタカナ表記ですが、やはり漢字で書けと言われたら凄く迷いますね。
ということで「プリン」の漢字表記とその由来も詳しく見ていきましょう!
調べたら、かなり特殊な漢字が含まれるよ
「プリン」を漢字で書くとどうなる?
そもそも「プリン」の漢字表記とかあるのかと思いたくなりますが、実はあるんです!「プリン」の漢字表記は2つあって、こうなります。
なんか凄く難しい漢字が出てきたな
2つあって両方とも「プリン」を意味しますが、2文字目の漢字が凄く難しいですね。
では「プリン」の意味と由来も合わせて、どうして上のような表記が当てられたのか詳しく見ていきましょう!
「布顚」の意味と由来
まずは「布顚」の表記の由来です。
この漢字は2000年に出版された柏書房の『宛字書きかた辞典』に、その表記が載っていました。
もうお気づきかもしれませんが、この表記は当て字です。つまり「プリン」に近い読みをする漢字を意味を考えず当てています。
漢字をそれぞれ分解しますと、「布」は音読みで「は「フ」と読み、「顚」は音読みで「テン」と読みます。
一文字目の「布」は「プ」と対応するからいいとしても、二文字目は「テン」と呼んで「リン」と全然違います。
これは実は「プリン」の英語名が由来となっていたのです!
「プリン」の英語は「pudding」!
実は一般的にお菓子として知られる「プリン」は英語名だと、全く違う発音になっていました。
「プリン」を英語で言うと、「pudding」で発音は「プディン」だったのです!
実際にWikipediaで「プリン」のページを調べたら、表題は「プディング」となっていて、意味も「小麦粉、卵、牛乳などの材料を混ぜて、砂糖、塩などの調味料や香辛料で鰺付士焼き固めたデザート」と書かれていました。
つまり「プリン」のことなんですが、日本ではなぜか「プディング」が「プリン」となっています。
日本に「プディング」が伝わったのが、江戸時代後期から明治時代初期とされています。
「プディング」という発音は、当時の日本人にとっては聞き取りづらく、「ディン」の部分を「リン」と聞き間違えたのか、やがて「プリン」になりました。
もしかしたら食感が「プリン!」としているから、そうなったかもしれませんが、正確な情報は不明です。
いずれにしろ、昔は「プディング」で英語でも「pudding」だったので、それの発音から漢字表記が作られました。
「ディン(グ)」の部分に、採用された漢字が「テン」と読む「顚」となったわけですが、本当に音だけで採用されたのか疑問です。
実は意味まで詳しく調べたら、ちょっと納得します。
「顚」という漢字なんですが、「転がる」の「転」の漢字に書き換えられるのです。
そもそも意味が「いただき、てっぺん、覆る」で、これは「プリン」を食べる時に、容器をひっくり返して、プリンをお皿に出す時の行為を喩えています。
昔の人々が同じ方法で食べたのかどうかは不明ですが、少なからず「顚」という漢字を採用したのも、無理矢理当てたというわけではなさそうに思います。
偶然にしては出来過ぎかも?
「布顛」の意味と由来
次に「布顛」の由来について解説します。
よく見るとこの漢字、どうも一つ目の「布顚」と似ていませんか?
実は気のせいではなく、二文字目の「顚」と「顛」はともに異字体という関係です。
もっと正確に言いますと、「顚」は「顛」の旧字体となります。
右側の「おおがい(頁)」は共通で、左側が「眞」と「真」になっているだけですよね。
「眞」は「真」の旧字体だよ!
「プリン」を中国語で書くと?
「プリン」の漢字表記を紹介してきましたが、漢字表記の話となると中国語での表記も気になりますね。
実は日本語の表記と少し似ていたんですが、中国語の方が簡単になります。
この2文字で、発音は「ブーディン」です。
この2文字に意味はありません。「布」の部分は完全に日本語の表記と一致していますし、「丁」はそれ一文字で「ディン」と発音します。
つまり中国語も音だけで当てはめた当て字なのですが、日本語と違ってちゃんと英語の発音とマッチしています。
まとめ
今回は「プリン」の漢字表記の紹介でした。では総まとめです。
- 「プリン」を漢字で書くと「布顚」と「布顛」の2つある、いずれも和名
- 「プリン」は英語で「プディング」と発音することから二文字は「テン」と読む「顚(顛)」を採用
- 「顚」は「顛」の旧字体
- 「プリン」を漢字で書くと「布丁」、発音は「ブーディン」
「プリン」の元々の発音を考えると、「プディング」と言ったほうがこれからの時代はいいかもしれませんね。
実は当て字で考えられた漢字表記は「プリン」だけではありません。「サラダ」や「カステラ」もそうだったのです!
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