ネバネバした白い小さな豆がある野菜といえば「オクラ」ですね。
最近ではコンビニ弁当のサラダコーナーにも普通に置いてあります、やはり健康を気にする層には需要があるんですね。
たった3文字ですが、普段は平仮名かカタカナでしか見かめません。するとやはり漢字でどう書くか気になりますね。
ネバネバした野菜だから「粘着菜」かな?
まさかまさかの「小倉」とか、地名と被っちゃうけど
やっぱり漢字で書くと凄く悩ましい果物になります。
でも間違っても「小倉」とは書きませんよ、かなり意外な表記になりました。
今回は「オクラ」の漢字表記を詳しく見ていきましょう!
秋が旬の野菜だから、その漢字も使うよ
「オクラ」を漢字で書くとどうなる?
「オクラ」の漢字表記ですが、調べたら2つありました。そしてちょっと意外な漢字が含まれます。
「蓮根」って「レンコン」のことじゃ?
これら2つとも「オクラ」を意味します。
夏と秋が旬の野菜だから、「秋」という漢字が入るのは少し納得がいきますが、「蓮根(レンコン)」が入るだなんて意外ですよね。
由来を探ると少し意外な事実がわかってきました。「オクラ」の意味と合わせて詳しく解説していきます!
「陸蓮根」の意味と由来とは?
「陸蓮根」と書く由来ですが、結論から言いますと「蓮根」に似ているからです。
「オクラ」は調理する時に輪切りにしますが、輪切りにした形が穴だらけになっていて、それが蓮根に似ていますね。
さらに「蓮根」は水中で育つのに対し、「オクラ」は陸で育つことから、「陸蓮根」という表記が付けられました。
そして「陸蓮根」は「おかれんこん」とも呼び、この「おかれんこん」を早口で言うと、「オクラ」と聞こえなくもないです。
なお後述しますが、「オクラ」は英語の「okra」(発音は「オークラ」)で、そのまま英語からの借用語でもあります。
たまたま「陸蓮根」が英語の「okra」と発音が似てしまったのかどうかは不明ですが、いずれにしろ「オクラ」の漢字表記が「陸蓮根」となるのは納得できます。
「秋葵」の意味と由来とは?
次に「秋葵」と書く由来ですが、結論から言いますと「オクラ」の漢名、つまり中国語表記にあたります。
実際に中国語辞書で「オクラ」と検索すると、確かに「秋葵」と出てきます。
「オクラ」という野菜が秋に旬を迎えるから「秋の葵」となります。また「オクラ」はアオイ科の植物でもあるので「葵(アオイ)」の漢字が当てられました。
発音は「秋」が「チウ」、「葵」が「クイ」と発音します。合わせて「チウクイ」、これで「オクラ」です。
「オクラ」の語源と歴史を詳しく
「オクラ」について正式な意味を説明しますと、「アオイ科トロロアオイ属の植物でその食用果実」となります。
原産地はアフリカ北東部、エチオピアが最有力で、日本に渡来したのは幕末頃とされており、一般家庭に広く普及し始めたのは昭和30年代とされています。
当時の日本人は「オクラ」を「ネリ」と呼んでいたトロロアオイの近縁種とみなし、アメリカから伝えられたことから、「オクラ」に「アメリカネリ」という和名をつけました。
しかしこの「アメリカネリ」という和名はあまり普及せず、結局英語の「okra(オクラ)」で普及することになりました。
発音は「ホテルオークラ」のように、「オ」と「ク」の間を伸ばすよ
「okra」の別名とは?
「オクラ」の英語が「okra」になるわけですが、実は別名があることもわかりました。
「okra」の英語の別名は「gumbo」で、発音は「ガンボウ」、これはアメリカのルイジアナ州を起源とする「オクラ」を入れたスープ料理の名前にもなっています。
因みにフランス語とイタリア語でも「gombo(ゴンボ)」と発音し、フランスやスペインの食文化を背景に持つ人々がアメリカで広めたもので、フランス料理のブイヤベースがその基礎となりました。
まとめ
以上「オクラ」の漢字表記とその由来の紹介でした。それではおさらいしましょう!
- 「オクラ」を漢字で書くと「陸蓮根」と「秋葵」
- 「陸蓮根」の由来は、「オクラ」の輪切りの形が蓮根に似ているから
- 「秋葵」は漢名、発音は「チウクイ」
- 英語の別名で「gumbo」ともいう、スープ料理の名前にもなっている
短いカタカナ名ですが、漢字表記を知っていれば少なからず自慢できるかも知れません。
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