炭酸が入ったシュワシュワっとした音が特徴の飲み物といえば、「ソーダ」ですね。
理科の実験でも「炭酸水」という形で登場する「ソーダ」ですが、漢字でどう書くか知っていますか?
難しいな。当て字で「層那」かな?
普通に「炭酸水」でいいんじゃないの?
確かに意味的に「炭酸水」でも良さそうな気がします。
でも調べたら、ちゃんと別の漢字表記はあったんです!
ということで、今回は「ソーダ」の漢字表記とその由来、また「サイダー」の漢字表記も合わせてご紹介していきます!
洗剤やパンを膨らませるあの粉とも関係していたんだ
「ソーダ」を漢字で書くとどうなる?
「ソーダ」とは炭酸ガスを含む水のことです。
一見「炭酸水」と書いても良さそうですが、実は「ソーダ」をちゃんと表した漢字表記はあったんです!
この2文字で「ソーダ」って、もしかして当て字なの?
一体全体どうしてこのような表記になるのでしょうか?
「ソーダ」の正式の意味も合わせて、その由来を見ていきましょう!
「曹達」の由来とは?
「ソーダ」の漢字表記が「曹達」となるわけですが、2文字の漢字を分けてみましょう。
- 「曹」:訓読みは「つかさ」、音読みが「ソウ」、意味は「役人、役所の部局」
- 「達」:訓読みはなし、音読みが「タツ」、意味は「届く、行き着く、推挙する」
このように2文字をくっつけても、意味は「役人に届く」とか「役所に行き着く」などとなり、全然炭酸水の「ソーダ」と合致しません。
もちろん「ソーダ」の読みに合致するよう漢字の音(読み方)のみを優先して考えられた当て字となります。
「曹(ソウ)」が「ソー」、「達(タツ)」が「ダ」に対応しています。
正直どうしてこれらの漢字が当てられたのかは、不明です。
日本で始めて炭酸飲料が作られたのが、ペリーが来航した15年後の1868年とされています。
こればかりは明治時代初期の日本人の感覚に委ねられていますので、現代の人にはちょっと理解し難いものがありますね。
因みに実際に「ソーダ」とキーボードで打っても変換候補に「曹達」が出てきませんが、平仮名で「そうだ」と打ち込んでやると、候補の中に「曹達」が出てきます。
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「ソーダ(soda)」の語源は?
そもそも「ソーダ」とは一般的には、「炭酸ガスを含む水」として知られていますが、実は正式な定義はもっと難しくなります。
1 炭酸ナトリウムの俗称。また、化合物中のナトリウム成分。
2 「ソーダ水」に同じ。
引用元:goo辞書
学校の化学の授業で習ったかもしれませんが、「ソーダ」とは元々科学用語で「炭酸ナトリウム」と同義なのです。
「ソーダ」は英語で「soda」と書きますが、この語源は「ナトリウム」のドイツ語「ソディウム(sodium)」に由来しているとされています。単体のナトリウムが別の物質と結合することで、ナトリウム化合物となるのですが、「炭酸ナトリウム」はまさにナトリウム化合物となるので、英語の「soda」に繋がったわけです。
「重曹」の由来とは?
パンや焼き菓子、ケーキに使われる膨張剤といえば、ご存知「ベーキングパウダー」ですね。
さてその「ベーキングパウダー」ですが、実は洗剤としても使われる「重曹」が代用されてもいるんです。
この「重曹」という漢字の由来も、実は「曹達」と関係していたんです!
それは「重曹」の正体に秘密があります。なんと「重曹」とは「重炭酸曹達」のことで、正式名称は「炭酸水素ナトリウム」なのです!
この「炭酸水素ナトリウム」は簡単に言えば「炭酸ナトリウム」の親戚にあたります。
さて「曹達(ソーダ)」は「炭酸ナトリウム」の別名でしたね。
つまり「炭酸水素ナトリウム→重炭酸ナトリウム→重炭酸曹達→重曹」となるわけです
こんな関係があったのか!
昔は炭酸水を作るのに重曹(炭酸水素ナトリウム)を使っていたんです。レモン水のような酸性の水に重曹を溶かし、酸性の水に含まれるクエン酸と反応させて二酸化炭素を発生させていました。
そうして作られた炭酸水が「ソーダ」と呼ばれるようになり、それに甘い味付をした清涼飲料水も同じ名前になったわけです。
「サイダー」の漢字表記は?
「ソーダ」とよく似た飲み物で「サイダー」があります。
両方とも、炭酸の入った清涼飲料水でお馴染みですが、どこがどう違うのでしょうか?
実は正式には、炭酸水に砂糖液や香料などを混合させた清涼飲料水のことを「サイダー」と呼ぶみたいです。
つまり単なる炭酸水は「ソーダ」、甘いジュースとしての炭酸水が「サイダー」と分けられます。
元々「サイダー」とは「林檎酒」を意味する英語「cider」が由来となっています。
日本語でも当初は林檎系の香味が付く炭酸水だけを指していたようですが、現在ではアルコールを含まない無色透明の甘い炭酸水の総称に変わりました。
では「サイダー」を漢字で書くと、どうなるでしょうか?
実はこれについては正式な表記がないようです。
かろうじて見つかったのは、宮沢賢治の制作した口語詩『春と修羅』の中で登場する以下の漢字です。
昔の人もお酒の一種とみなしていたようです。
「ソーダ」の中国語表記は?
「ソーダ」の漢字表記は「曹達」です。しかしこれは日本語での漢字表記になります。
では中国語表記ではどう書くかと言いますと、
となります。
発音は「スーダ」となり、「苏」の意味は「よみがえる」、「打」は日本語と同じく「叩く、打つ、壊す」の意味です。
合わせると「蘇って打つ」という意味になりますが、これでは「炭酸水」とは全く合いません。
つまり中国語も音だけで当てはめた当て字となります。
また繁体字だと「苏」が「蘇」となりますから、台湾や香港などでは「蘇打」と表記します。
因みに「サイダー」の中国語は「汽水」、発音は「チィーシュイ」となります。
「汽(気体)の出る水」だから「汽水」だね
まとめ
以上「ソーダ」の漢字表記の紹介でした。ではおさらいしましょう!
- 「ソーダ」を漢字で書くと「曹達」、当て字である
- 「ソーダ」の語源は、ドイツ語の「sodium」に由来
- 「ソーダ(曹達)」は、炭酸ナトリウムの別名
- 「サイダー」は「ソーダ」の一種、元々は「林檎酒」という意味
- 「サイダー」の漢字表記は「汽水」、中国語で発音は「チィーシュイ」
- 「ソーダ」を中国語で書くと「苏打」
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