私達が住んでいる星は地球ですが、この地球は巨大な太陽の周りを公転しています。

太陽の周りを公転する星は地球に限らず、他にもいくつかあって内側から順に水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星の8つの惑星があります。





地球はこの内金星と火星の間に挟まれますが、金星との距離は最も近くて約4000万km、火星との距離は最も近い時で約7000万km、またその外側にある木星との距離はさらに広がって約5億km以上も離れています。

このように惑星と惑星との間の距離は非常に広大で、科学が進歩した現代でも太陽系の惑星に探査機を送るのは非常に困難なことです。

現在宇宙探査の先頭を仕切っているのがアメリカのNASAですが、そのNASAが打ち上げた探査機の内地球から最も遠い位置を移動しているのがボイジャー1号です。

ボイジャー1号は1977年に打ち上げられた無人探査機で現在でも稼働しているようですが、今年の9月5日に打ち上げられて何と40年目になりました。

2012年8月は既に太陽圏を脱出したそうですが、ここで太陽系と太陽圏という二つの単語が出てきましたね。

太陽系と太陽圏とはどう違うのか?また太陽系の端から端はどのくらいの距離があるのかも解説していきます。


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太陽系についての基本情報

まずは太陽系についての基本的な知識をおさらいします。

太陽系とは太陽及び太陽の周囲を公転する天体と微粒子、さらに太陽活動が環境を決定する主な要因で構成される空間領域のことを指します。

ただこの説明だとちょっと難しいのでもっとざっくりと説明するなら、太陽の重力の影響によって構成される天体の集団のことです。

太陽系にある惑星はご存知、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星の8つですね。

昔は冥王星という惑星もありましたが、2006年に惑星から準惑星に降格してしまいました。
冥王星が惑星から除外された理由とは?惑星の定義も合わせて解説!

最近では天王星と海王星の軌道が計算と一致しないという理由で、地球と同程度かそれ以上の質量を持つ惑星Xが存在するのではとも言われていて、現在でも捜索されています。

それ以外に確認された天体では、5個の準惑星、多数の太陽系小天体があります。

また地球の衛星は月でその他惑星にも多くの衛星がありますが、衛星は太陽系小天体として数えられます。
 

太陽系と太陽圏との違いは?

冒頭でも少し触れましたが、ボイジャー1号が太陽圏を脱出したのが2012年8月のことです。

ここで着目すべきは太陽系ではなく太陽圏を脱出したということです。ではこの両者はどう違うのでしょうか?

一言で太陽圏の定義を説明しますと、太陽圏とは太陽風が到達するギリギリの範囲のことを指します。太陽から放たれた高温で電離した粒子の集まりを太陽風と呼びますが、宇宙空間のため基本的には等速直線運動を続けて、永遠に移動しそうな気もします。


しかし太陽系の末端にある様々な星間物質や宇宙線の抵抗によって減速し、やがて星間物質の一部として停滞することになります。

つまり太陽風が太陽系を抜け出すことはないため、面積としては太陽系の方が大きくなります。


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太陽系の端から端までの距離は?

ここまで太陽系と太陽圏との違いについて述べましたが、わかりやすく要約すれば太陽圏が太陽風が届く限界の距離で、太陽系が太陽の重力の影響が及ぶ範囲ということになります。

太陽圏の外側になると太陽系の中でも果ての果てになって、太陽光すらまともに届かない領域になります。では太陽系の距離はどのくらいなのか?

結論から申しますと、太陽系の半径は約1.6光年と試算されています。直径に換算すれば3.2光年なので、端から端まで移動するのに光の速さでも3年以上はかかるということです。

分かりやすく数字で解説してみますと、例えば地球を直径1cmに換算すると、太陽の大きさは直径109cmになり、地球から太陽までの距離は117mになります。さらに太陽系の直径は3.2光年ですが、この換算でいけば2万3600kmとなります。
(詳しい計算は、光の時速10億8000万km×365日×24時間=9兆4600億kmとなります。)

地球を直径1cmと縮小しても半径が1万km以上もあるのが太陽系の大きさなので、どれだけスケールがでかいかがわかります。太陽系全体に比べれば地球なんて豆粒以下の大きさです、もちろん太陽だってかなり小さくなります。


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太陽系の果てにあるのは?

その昔太陽系の最も外側を公転していた惑星は冥王星という扱いでしたが、当初はその冥王星の軌道を太陽系の果てとみなす考えが主流でした。

しかしそれ以降に発見されたエッジワース・カイパーベルトという天体が、密集した円盤状の領域があることがわかりました。

このエッジワース・カイパーベルトの発見で、太陽系の果てまでの距離はかなり大きくなります。
 
またその外側には長周期彗星や非周期彗星の起源ともされるオールトの雲という天体群がひしめいているいるそうで、距離で言えばおよそ1万天文単位、約0.16光年以上と言われ太陽系の重力圏の限界まで広がっていると予想されています。
彗星の軌道を徹底解説!周期による分類と起源も詳しく見ていこう!

ただしオールトの雲についてはまだその存在が確認されていないため、太陽系外縁天体には含まれていないのが現状です。

ボイジャー1号が太陽系の外に行くのはいつ頃?

現在太陽系の外に向かって移動を続けているボイジャー1号ですが、2012年8月に太陽圏を飛び出してから既に5年が経過しようとしています。

ボイジャー1号が打ち上げられたのが1977年なので、35年の年月で太陽圏の端まで到達したということになります。

では太陽圏ではなく太陽系の外側まで行くには後どのくらいかかるのでしょうか?

 
先ほどの説明にも書きましたが、太陽系の果てにあるのはオールトの雲という長さ0.16光年分の天体群があるとされています。

昨年の12月29日の時点でボイジャー1号の太陽からの距離は約205億2500万kmの距離だそうですが、太陽系の半径がオールトの雲まで加えて考えると約1.6光年、距離で換算すると約15兆kmになります。

つまり太陽系外に達するには、後14兆9800億km移動しなければいけません!

打ち上げから40年かけて205億kmなので、単純計算で考えると後40×730=2万9200年かかる計算になります、途方もないですね(*_*)

今の科学力では太陽系の外側に行くだけでも、数万年かかるのが現実です。

ボイジャー1号が別の恒星系に達するのはいつになるかわかりませんが、宇宙人の手に渡る確率も限りなく低いのが現実ですね。

まとめ

今回は太陽系の距離と太陽圏との違いについて解説しました。

太陽系も人類にとってみれば大いに広く、まだまだ未知の領域が多いのは確かです。

地球は人類の数が多くなりすぎて将来他の恒星系に移住しなければいけない、なんていう声もあります。


しかし今回の記事で改めて太陽系の広さが実感できましたが、とても外側に行けそうな感じじゃありませんね。

機動戦士ガンダムのようにコロニーを作るか、火星か月に居住空間を作った方がまだ現実的かもしれません。


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