毎年多くの高校生が大学受験に挑んでいます。
僕も苦しい受験期間を過ごしてきましたが、少しでも合格率を上げるため、毎日必死で勉強していました。
しかし中には思った以上に成績が上がらず、苦しんだり悩んだりする生徒も多いですね。
受験の競争が激しいのは今も昔も変わりません。
そして成績や偏差値が上がらないと、担任の教師や塾の講師から「志望大学を変えたらどうだ?」と言われる生徒も多いでしょう。
特に文系だと数学が2次試験の科目にある国立大学の受験を避け、私立大学へ切り替える生徒が多いみたいです。
俗に言う「私立文系」ってやつですね。
でも昔から「私立文系は就職は困難、できない!」とよく言われているので、慎重に考えさせられます。
果たして私立文系への受験でいいのか悪いのか?
今回は私立文系が就職に不利と言われる理由と、私立文系の就職先などをじっくりと考察していきます!
私立文系は就職できないって本当?
ネット上や巷でもよく言われている「私立文系は就職できない、困難だ!」という説は本当なのかどうなのか?
結論から言いますと、私立文系でもちゃんと就職できます、ご安心ください!
もちろんここでいう“就職”というのは、ちゃんと正社員としての雇用が決まることを想定しています。
また資格も特に保有していないという条件であることも想定しています。
ただし就職できると言っても、相対的な難易度は上がるみたいです。
どういうことかと言いますと、就職しやすい職種と企業が限られやすいって点にあります。
なぜ私立文系は就職で不利なのか?
改めてになりますが、そもそもなぜ私立文系卒は就職が不利なのでしょうか?
その理由をいくつか解説しますと、
- 単純に人数が多い
- 文系だけができる職が少ない
- 就活でアピールできる材料がない
などが挙げられます。
1については、私立文系卒の最も厳しいところです。
毎年「多くの就活生が内定がもらえない。」だとか、「何十社も面接に行った。」というニュースをよく目にしますね。
人気のある企業ばかり足を運んでいるという見方もできますが、人数が多くなるとそれだけ競争率が上がるので、内定がもらえる率も下がります。
これが理系卒の場合だと、大学院に進学して教授や大学の推薦枠を使用したり、インターンシップを利用してすんなりと内定をもらえる学生も多いのです。
大学院進学のメリットは大きい?デメリットもしっかり把握しよう!
理系卒は学生の4年間と大学院で2年間は文系の倍近く忙しいですが、その分就職についてはリターンが大きいのです。
2についても文系卒の厳しいところで、単純に文系だけができる専門職が少ないという点です。
文系の専門職と言えば、それこそ法律関係や外資系、語学関係などですかね。
事務職や営業職、広報といった職種もありますが、別に理系卒だってその気になればできる仕事ばかりです。
それこそ文系ならば少しでも就職をより良くするために、公務員を目指す選択肢もありです。
そのための記事も作成していますので、ぜひご覧ください。
大学生の公務員試験対策はいつからが理想?半年未満は可能か?
最後に3ですが、やはり就活でのアピールポイントの少なさも大きな弱点です。
特に私立文系の学生は「入試科目に数学がないから。」という理由で入った、という人も多いでしょう。
言いかえれば「受かりやすいから。」という消極的な理由なのです。
でもこれは就活での面接の際にかなり不利になります。
間違っても「入試科目に数学がなく、偏差値が低い自分でも受かりやすいと思ったから。」なんて言えないですよね(汗)
その大学のその学部を何故受験したのか?
この理由を消極的ではなく、積極的な意味合いで納得できるように仕立てないと、内定はほぼ無理でしょう。
そうなると同じ私立文系でも、難関私立大学の文系卒(早慶上智など)や国立大学の文系卒の方が有利になります。
大学受験の際には、大学を卒業した後で自分が望んだ企業に就職できるかどうかも念頭に入れないと駄目なわけです!
以上の3つの理由から、私立文系卒の就職が困難であることがよくわかったことでしょう。
これだと私立文系卒が就職でほぼ詰んだ感も否めないですが、それなら私立文系卒でも就職しやすい職種はないものでしょうか?
次からは私立文系の主な就職先を詳しく見てみましょう!
私立文系の主な就職先とは?
私立文系でもなりやすい主な職業と言えば、やはり圧倒的に営業職だと言えるでしょう。
何故かと言えば、
特別な専門知識や資格も必要なく、話すことが好きか得意な人が好まれやすい
からです。
一部語弊があるかもしれませんが、
- そもそも専門性がほぼない職種
- 私立文系でも不利にならない職業
と言った方が正しいかもしれません。
また営業職だけでなく、商品企画もそれに該当するでしょう。
別の見方をすれば、「営業職」は私立文系が有利というわけではなく、単純に理系卒が営業職にいかない、というだけなんですね。
結果として私立文系卒が集まるので、言い方は悪いですが相対的に就職活動をする人全体のレベルが下がって、内定をもらえるハードルが下がります。
極端な話、営業職は別に私立文系でなくても話すことが得意だったら理系卒でも務まります。
いくら頭のいいエンジニアが開発した素晴らしい商品といえども、それを素晴らしい商品であるとちゃんとアピールできないと売れません。
特に家電量販店の店員なんかは、経験のある方も多いと思いますが、商品の前をうろついていると積極的に話しかけてきますよね?
正直うざいなって思いたくなりますが、彼らも商品を売り込むために必死なわけです。
単純に売り込み色が強い話し方だと逆効果ですが、笑顔で明るく喋り、商品の細かい仕様や便利な点、安さなどを強調されると、なんだか買いたくなりますよね?
やはり話すスキル、コミュニケーション力が凄く重視されます。もうこれだけでかなり有利なのです。
セールスなどは特にそうですが、何より人間の購買意欲や心理を正確にキャッチするという点で心理学の知識があるだけでも、全然売り上げが変わったりするのです!
また最近では中国人や韓国人、東南アジア系の客も相手にする機会が増えてきたので、単純に語学力も大きな武器になります。
第二外国語のおすすめ6選!ビジネス視点で選ぶ意識が大事!
他にもマーケティングの知識も必要かもしれません。
しかし結局は人間を相手にする仕事なので、大学で習った高度なマーケティングの技術や知識などは、意外と役に立たなかったりします。
かの有名なソニーやAppleでさえも、巨額な費用で開発した商品が全く売れなかった事例はよくあるとされます。
私立文系しか受からなかった場合は?
でも大学受験自体が激しい競争なので、そもそも好きで私立文系に入学する学生は少ないです。
中には「第一志望の国立大学に落ちたので、浪人を避けるために仕方なく入った。」という学生もいるでしょう。
もちろんそれでも敢えて浪人して、第一志望の難関国立大学や難関私大を目指すのもアリです。
何より大学に入った後ではなく、就職後の人生の方が大事ですからね。
ただし浪人すると予備校に入る人も多いですが、そうなると経済的な理由で厳しくもなります。
そういった事情の人も多いので、一概に「浪人した方がいい」と片づけられないのが現実です。
ではそういった学生のために、次からは私立文系でも就職をより有利に運ばせるための対策を紹介しましょう!
私立文系の就職先の幅を広げるには?
私立文系卒でも営業職なら就職しやすいと解説しましたが、正直営業職はストレスが溜まりやすいので嫌だという人も多いでしょう。
僕の友人にもこういった理由で営業職を辞めた人が何人かいましたね。
中には自分から望んでもないのに、営業職に配属された人もいるくらいです。
なんとかしてでも「他の職に就きたい!」と考える人も多いでしょう。
ではどうすればいいのか?
基本的に文系で人気のある業界だと、金融業界が当てはまりますね。
毎年発表される就職ランキングでは、金融業界が上位にランクインしますが、ほとんど文系の人が就職します。
ただ逆に言うと、文系だと金融業界(大手銀行など)の就職は競争率が高くなることを意味します。
同じ私立文系卒でも、ランクの高い早慶上智といった難関私大卒も相当数応募するので尚更厳しいです。
ここでもやはり学歴が重視されるんですね、地頭が良いと判断されるんでしょう。
確実に内定を取るには、できるだけ競争が激しい職は避けた方がいいということです。
そうするとオススメは事務職系になります。
営業職以外で絞るとなると、一番無難な選択肢になります。
もちろんこれでも競争は激しいです、何よりPCスキルなどが高い必要も出てきます。
それでも本気で事務職系を目指すのであれば、やはり簿記の資格はあった方がいいでしょう。
簿記の知識が豊富であれば、経理部門に配属される可能性も出てきます。無いより有った方がいいです。
経理は会社の経営の根幹とも言えるので、ゆくゆくは経営層へも近づけます。
本気で合格するには予備校に通う必要が出てきちゃいます。公務員試験に独学で合格したい方は、以下の記事をご覧ください!
公務員試験勉強は独学では無理?厳しいけども可能性はある!
まとめ
今回は私立文系の就職事情の厳しさを説明しました。では今回のおさらいです。
- 私立文系は就職はできないことはないが、ノースキルだと卒業後の進路が不安
- 私立文系でも営業職なら入りやすい
- 人気のある企業や業界だと人数も多いことから競争が激しくなる
- 同じ私立文系となると、少しでも偏差値の高い大学が有利
- 就活を少しでも有利にするには、簿記などの資格があった方がいい
人気のある職や金融業界に就職するとなると、資格を取ったり、通信講座を受けて少しでもスキルや知識を磨く必要が出てきます。
結局大学入学後も相当勉強しないといけなくなります。
こういった事情もあるので、「私立文系は数学がなくて楽!」という安易な判断で受験するのはやめましょう。
大学を卒業した後で本当に自分が望んだ職種になれないと、それこそ本末転倒です。
もちろんその分必死に勉強しないといけないわけですが、必死こいて毎日勉強しまくっている生徒は山ほどいるという現実は、しっかり認識しましょうね。